ラテ飼育格闘日記(201)
あれだけ暑かった今年の猛暑もやっと過ぎ、日の出も遅くなったし逆に日の入りは早くなり夕方6時にもなるとあたりは暗くなってしまう時期になってきた。さて、ラテとの生活も足かけ4年ともなれば要領も分かってきたこともあり正直馴れというかオトーサンの行為も惰性になってしまう傾向がある。そうした「あたりまえ」という感覚が過ぎると反対に思いもしない事故にあったりする可能性も出てくるからと油断せず気を引き締めているつもりだ。
しかし反対に4年近くも一緒にいるにもかかわらず新しい発見というか気がつかなかったような思いもあって毎日がまことに面白い。
ラテを含めたオトーサンたちの日常は当然のことながらパターン化している。朝何時に起きるか、散歩の時間とコースは、朝晩のラテの食事メニューは...等々といったことはほぼ決まっているわけで大きく違うことはない。しかしその限られたパターンの中ではあるものの生き物であり高度な意識を持っているワンコとのやりとりには微妙な変化というか違いが生じてくる。
日常の生活が一見いつもと何の変わりもないように過ぎていくようで人間より寿命も短いからだろうか、ラテの学習能力や行動に対する好き嫌いが半年程度のスパンでかなり変わっているという印象を受ける。

※機嫌が良いときのラテは輝くような表情を見せる
この1年、ラテの行動に大きな違いがあるとすればその一番はオトーサンとの散歩時に、その道順やどこに向かうかといったことにはっきりと拒絶と好き嫌いを示すときが出てきたことだ。別の言い方をするなら自己主張が強くなってきたということである。
ラテを飼い始めてからこの方、オトーサンはワンコとの散歩は飼い主...すなわちオトーサンがすべてのリードを取ることが大切だからと道順やどこに向かうかといったことをラテに委ねることはなかった。無論その課程で行きたい方向にリードを引くことがあってもオトーサンがそのリードをチョンと引けば納得したかどうかはともかく素直に着いてくるのがこれまでのラテだった。
いや、現在も基本的にはそれに変わりはない。しかしたまたまではあるがいつものようにと家を出て目的地に向かおうとすると強力に抵抗する場合が出てきたのである。
ラテの体重は20Kgほどだが彼女が本気で引っ張ったり地べたに這いつくばって抵抗するその力は並のものではない。しかしオトーサンもまだまだ力ではラテには負けないつもりだし負けてはいけないと思っている。
実際ラテと引っ張りごっこをするにしても片腕で引き戻す腕力は持っているが、それが頻繁に続くとこれは正直辛いものがある。
いや、それ以前に何故ラテがオトーサンが向かおうとしているいつもの方向を嫌うのかということに興味があるのだ。それに単なる力任せのやりとりだけなら単純なのだがラテはもうひとつ強力な武器をもっているのである。
それはグッとリードを引いた後でオトーサンの顔を見上げて何ともいえない表情をするのだ(笑)。

※寝ているときオトーサンが近づくと愛想のつもりなのか腕に前足を絡めてくれる...
たまたまちょっとした気まぐれの時の表情は「オトーサン、こっち行ってはダメ?」と問うような少々悪戯っぽい目つきをする。そんな時には「ダメ!」と言いながらリードを引くことも多いが時には何といったら良いのか...オトーサンの思い過ごしなのかも知れないが...強い意志を示し恨みがましい目つきで見上げるのである。オトーサンはその目つきに大変弱いのだ(笑)。
何故、そちらに行きたいのかはオトーサンにはわからない。なにかそちらに魅力的な臭いがあるからかも知れないし、もしかしたらいつも同じ道などつまらないと反抗しているのかも知れない。しかしそうまで言うのならそっちに行ってやろうかという気になってしまうのも仕方のないことだ。
ラテがどのような思考回路から判断するのかは不明だが、例えば家を出る瞬間にいつもの公園ではなく今日は駅に向かい、明らかに「コーヒーショップで美味しいもの食べたい」と思っているに違いないという時も多々あるのだ。それは特に天候が悪いときに多いのだからこれまた不思議である。
雨が降っていなくても路面が濡れていたりするとそうした傾向があることは統計的に分かっているがオトーサンにも都合というものがあるではないか(笑)。それにいつもの公園に行けば少なからず仲間のワンコと触れ合うことができるかも知れないし、馴染みの子供たちにも会えるかも知れないとオトーサンは親心で公園を目指すのだ。しかし駅に向かい、コーヒーショップに向かう道ではまず知っているワンコには会わないしこれまた馴染みの子供たちと会うこともない。まったく親の心子知らずとはよく言ったものだとオトーサンはため息をつきながらも小雨のけむる中、そのコーヒーショップに向かった...。

※公園に行けば友達ワンコに会えるかも知れないのだが...
すでにラテがその気になっているのはよく分かる。いつものところでオシッコをしてこれまた判で押したようにウンチを済ます。オトーサンを見上げるその顔は「ねっ、これでコーヒーショップに行ってもいいでしょ?」と自慢げに言っているようだ。
ウンチの始末をしながら歩き始めると年配の女性が笑顔で近づいてくる。こうした場合、ラテは吠えることを知っているからオトーサンはリードを短くして進むが明らかに女性はラテが目当てのようで近づいてかがみ込み「可愛いわねぇ」と言いオトーサンに向かって「四国犬が入っているんですか?」と聞く。
オトーサンは四国犬とは天然記念物に指定されている土佐犬のことで、土佐闘犬と区別するために近年「四国犬」と呼ばれるようになったという程度の知識はあったので「いや、まったくの雑種なのでわからないんですが四国犬の血は入っていないと思いますが...」と答えた。
女性は「いや、左耳の形からすると四国犬の血が入っていると思いますよ」と譲らない。その間ラテは吠え続けである(笑)。
私はラテが五月蠅いので「申し訳ありませんね...」と言いつつその場を離れようとすると女性も「ありがとうございました。私、犬が大好きなものですから...」と会釈をして歩き出した。ラテはその後ろ姿に向かってまだ吠えている。
まあオトーサンの目にはどう見てもラテは四国犬には見えないが、四国犬の気質である飼い主には異常なまでに忠実だが他人(初対面の大人)にはもの凄く警戒するといった点は似ているかも知れないと思いつつラテをなだめながらコーヒーショップに向かった。
傘がいるかいらないかの微妙な霧雨の中、コーヒーショップのテラスに陣取ったオトーサンとラテはしばしカプチーノとデニッシュに舌つつみをうつ。
飲み物をかき回すための木製の棒(マドラー)でカプチーノ・コーヒーのミルクフォーマをすくってラテに与える。そんなオトーサンにとっても至福の時間を過ごした後、来た道を戻ることになるが不思議にラテはまだ歩き足りないとか帰りたくないといった反抗はせず、まるでリードがいらないほどに大人しくオトーサンの足下に付いて歩くのだから面白い。

※街灯が点きはじめた帰り道は何とも不思議な世界を感じさせる
すでに帰り道には街灯が点き、迫ってきた夕闇と不思議な世界を作り上げている中、オトーサンとラテは仲良く帰路についたのであった。
しかし反対に4年近くも一緒にいるにもかかわらず新しい発見というか気がつかなかったような思いもあって毎日がまことに面白い。
ラテを含めたオトーサンたちの日常は当然のことながらパターン化している。朝何時に起きるか、散歩の時間とコースは、朝晩のラテの食事メニューは...等々といったことはほぼ決まっているわけで大きく違うことはない。しかしその限られたパターンの中ではあるものの生き物であり高度な意識を持っているワンコとのやりとりには微妙な変化というか違いが生じてくる。
日常の生活が一見いつもと何の変わりもないように過ぎていくようで人間より寿命も短いからだろうか、ラテの学習能力や行動に対する好き嫌いが半年程度のスパンでかなり変わっているという印象を受ける。

※機嫌が良いときのラテは輝くような表情を見せる
この1年、ラテの行動に大きな違いがあるとすればその一番はオトーサンとの散歩時に、その道順やどこに向かうかといったことにはっきりと拒絶と好き嫌いを示すときが出てきたことだ。別の言い方をするなら自己主張が強くなってきたということである。
ラテを飼い始めてからこの方、オトーサンはワンコとの散歩は飼い主...すなわちオトーサンがすべてのリードを取ることが大切だからと道順やどこに向かうかといったことをラテに委ねることはなかった。無論その課程で行きたい方向にリードを引くことがあってもオトーサンがそのリードをチョンと引けば納得したかどうかはともかく素直に着いてくるのがこれまでのラテだった。
いや、現在も基本的にはそれに変わりはない。しかしたまたまではあるがいつものようにと家を出て目的地に向かおうとすると強力に抵抗する場合が出てきたのである。
ラテの体重は20Kgほどだが彼女が本気で引っ張ったり地べたに這いつくばって抵抗するその力は並のものではない。しかしオトーサンもまだまだ力ではラテには負けないつもりだし負けてはいけないと思っている。
実際ラテと引っ張りごっこをするにしても片腕で引き戻す腕力は持っているが、それが頻繁に続くとこれは正直辛いものがある。
いや、それ以前に何故ラテがオトーサンが向かおうとしているいつもの方向を嫌うのかということに興味があるのだ。それに単なる力任せのやりとりだけなら単純なのだがラテはもうひとつ強力な武器をもっているのである。
それはグッとリードを引いた後でオトーサンの顔を見上げて何ともいえない表情をするのだ(笑)。

※寝ているときオトーサンが近づくと愛想のつもりなのか腕に前足を絡めてくれる...
たまたまちょっとした気まぐれの時の表情は「オトーサン、こっち行ってはダメ?」と問うような少々悪戯っぽい目つきをする。そんな時には「ダメ!」と言いながらリードを引くことも多いが時には何といったら良いのか...オトーサンの思い過ごしなのかも知れないが...強い意志を示し恨みがましい目つきで見上げるのである。オトーサンはその目つきに大変弱いのだ(笑)。
何故、そちらに行きたいのかはオトーサンにはわからない。なにかそちらに魅力的な臭いがあるからかも知れないし、もしかしたらいつも同じ道などつまらないと反抗しているのかも知れない。しかしそうまで言うのならそっちに行ってやろうかという気になってしまうのも仕方のないことだ。
ラテがどのような思考回路から判断するのかは不明だが、例えば家を出る瞬間にいつもの公園ではなく今日は駅に向かい、明らかに「コーヒーショップで美味しいもの食べたい」と思っているに違いないという時も多々あるのだ。それは特に天候が悪いときに多いのだからこれまた不思議である。
雨が降っていなくても路面が濡れていたりするとそうした傾向があることは統計的に分かっているがオトーサンにも都合というものがあるではないか(笑)。それにいつもの公園に行けば少なからず仲間のワンコと触れ合うことができるかも知れないし、馴染みの子供たちにも会えるかも知れないとオトーサンは親心で公園を目指すのだ。しかし駅に向かい、コーヒーショップに向かう道ではまず知っているワンコには会わないしこれまた馴染みの子供たちと会うこともない。まったく親の心子知らずとはよく言ったものだとオトーサンはため息をつきながらも小雨のけむる中、そのコーヒーショップに向かった...。

※公園に行けば友達ワンコに会えるかも知れないのだが...
すでにラテがその気になっているのはよく分かる。いつものところでオシッコをしてこれまた判で押したようにウンチを済ます。オトーサンを見上げるその顔は「ねっ、これでコーヒーショップに行ってもいいでしょ?」と自慢げに言っているようだ。
ウンチの始末をしながら歩き始めると年配の女性が笑顔で近づいてくる。こうした場合、ラテは吠えることを知っているからオトーサンはリードを短くして進むが明らかに女性はラテが目当てのようで近づいてかがみ込み「可愛いわねぇ」と言いオトーサンに向かって「四国犬が入っているんですか?」と聞く。
オトーサンは四国犬とは天然記念物に指定されている土佐犬のことで、土佐闘犬と区別するために近年「四国犬」と呼ばれるようになったという程度の知識はあったので「いや、まったくの雑種なのでわからないんですが四国犬の血は入っていないと思いますが...」と答えた。
女性は「いや、左耳の形からすると四国犬の血が入っていると思いますよ」と譲らない。その間ラテは吠え続けである(笑)。
私はラテが五月蠅いので「申し訳ありませんね...」と言いつつその場を離れようとすると女性も「ありがとうございました。私、犬が大好きなものですから...」と会釈をして歩き出した。ラテはその後ろ姿に向かってまだ吠えている。
まあオトーサンの目にはどう見てもラテは四国犬には見えないが、四国犬の気質である飼い主には異常なまでに忠実だが他人(初対面の大人)にはもの凄く警戒するといった点は似ているかも知れないと思いつつラテをなだめながらコーヒーショップに向かった。
傘がいるかいらないかの微妙な霧雨の中、コーヒーショップのテラスに陣取ったオトーサンとラテはしばしカプチーノとデニッシュに舌つつみをうつ。
飲み物をかき回すための木製の棒(マドラー)でカプチーノ・コーヒーのミルクフォーマをすくってラテに与える。そんなオトーサンにとっても至福の時間を過ごした後、来た道を戻ることになるが不思議にラテはまだ歩き足りないとか帰りたくないといった反抗はせず、まるでリードがいらないほどに大人しくオトーサンの足下に付いて歩くのだから面白い。

※街灯が点きはじめた帰り道は何とも不思議な世界を感じさせる
すでに帰り道には街灯が点き、迫ってきた夕闇と不思議な世界を作り上げている中、オトーサンとラテは仲良く帰路についたのであった。
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