ラテ飼育格闘日記(200)

本連載が今回で200回となった。200回程度では驚くことではないかも知れないが開始以来足かけ4年、毎週土曜日に更新することにしているが1回も休んだことがない点は「自分を褒めてあげたい」と思う(笑)。それもこれも愛犬ラテへの尽きぬ愛情と知的興味が原動力になっているわけだが嬉しいことにそれは現在も衰えていない。

 

本編の原稿は1997年初頭のスタート時点と現在とではそのボリュームは些か違うが、最近では一編約2,000文字から3,000文字程度になっている。したがって平均を2,000文字と些か低めに見積もっても200回だと合計40万文字という量になる。
40万文字といってもイメージとしてどれほどのボリュームなのかはピンとこないが、400字詰め原稿用紙で例えるなら1,000枚ということになる。
無論問題は「量ではなくて内容...質だ」という声が聞こえてきそうだが、そもそもがまったく個人的な愛犬との葛藤を日記・記録の意味で書き付けたものなので神経質なものではないわけだが、これまでお陰様で多くの方々から励ましのメールをいただいた。特に最初の頃には甘噛みなどに関してオトーサンの泣きが入ったりしてたので心配してくださったらしい...。
またこの「"ラテ" 飼育格闘日記」に載せるため写真を日々撮るように努力しているがその枚数はこれまでDVDに十枚近くにもなり枚数など到底数えられないほどになった。

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※1997年の春頃に撮った一枚。リードを引くオトーサン自身がラテのスカート姿に魅惑されていた時期だ(爆)


散歩にはデジカメを携帯することを常としているが、都合で持って出られないときにはiPhoneを使ったりしてなるべく記録を残そうと考えてきた。
それらの写真のいくつかにはラテと遊んでくれる友達のワンコたちも写っているわけで、何とかお見せできるレベルのものはプリンターで写真印刷して飼い主さんにお渡しすることも楽しみのひとつである。
しかしデジタルカメラの性能が向上し、使い勝手も大変良くなってはきたもののラテのリードを持ち、周り360度に注意をしながら写真を撮るというのは正直簡単ではない。よい写真を撮ろうとカメラに注意を集中している隙にラテが変なものを拾い食いするとかノーリードで近づいてきたワンコに「ガウッ」としては...されてはまずいからとなかなか良い条件での撮影は難しいのである。

無論ラテと私が一緒に写っているシーンは女房が撮ったものだ。というより土日の散歩、すなわち女房と一緒に散歩する場合には100%写真撮影は女房の役割になっている。本人はデジカメを扱うのは苦手だと公言している1人だし、常に「ああだ、こうだ」と小うるさいオトーサンが側にいるのでやりにくいだろうが、良い写真を撮ろうとは考えずとにかく数多くシャッターを切るように頼んでいる...。
もともと動く相手にカメラを向けてこれはという一枚を撮るのは大変難しい。手ぶれ防止機能があるデジカメを使っても50枚撮ったその大半はワンコたちがフレームの外に出た瞬間だったり、大きくぶれていたりと使い物にならないものがほとんどなのだ。ただし手前味噌だがそうした中にも「こうしたシーンを撮りたい」と考えたところで到底取り得無い一枚が撮れているということもあるのが写真の面白いところでもある。

写真というものは...今さらだが大変興味深いもので同じ瞬間は物理的に2度と撮ることは出来ない。例え同じ角度、同じフレーミングで撮ったところで天候や季節、そしてなによりも刻々と変わるラテの表情が違ってくるからだし、昨年撮った一枚と同じようなものでも並べてみるとそこにはラテの成長がしっかりと刻まれている。だから二度と同じ写真は撮れないと思ってまずはシャッターを切るのが先決なのだ。
ただしワンコといったペットの写真を撮るにはある種のセオリーがあるのも事実である。その第一はカメラをなるべく近づけて撮ることだ。無論ズームを使ってもよいがともかくフレームのどこかにラテがいる...というのではなく顔でも全体でも近くで撮るというのが大切。
そして第2に我々はとかく自分たちの背丈のままでカメラを構えるが、それではワンコを上からしか撮ることはできない。したがってなるべく視点をワンコの体型に合わせて低くして撮ることも重要である。
そうして足かけ4年の間、撮りに撮った写真の中には嬉しいことに数は少ないものの大のお気に入りの写真、自慢の写真もいくつか生まれた。

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※女房は変な顔だというが、こんな笑顔の写真は滅多に撮れない


そんなわけで早くも約2ヶ月後の12月10日でラテとの生活は丸4年となる。
普段は以前の写真などそうそう見ることはないが、あらためて我が家に来た当時の写真を眺めて見ると大変痩せていて細いのに驚く(笑)。そして体型は別にしても顔つきが随分と違うことに気づく。
友人は「最近ラテ、ベッピンになったね」といってくれたが、昔はブスだったということか(笑)。
しかし実際に1997年の春頃までの写真を眺めてみると当時は気がつかなかったものの、ラテの表情は総じて険しい感じがする。無論知らない人たちの中にある日突然放り込まれたわけだから不安で一杯だったに違いないしその気持ちが写真の表情にもよく出ているようだ。

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※ラテが我が家に来た直後の写真。ラテの表情はどれも険しい


ここにお見せする数枚の写真は特にラテの機嫌が悪いものを選んでご紹介したわけではないが、こうして見るとさまざまなシーンに見るラテの表情は現在とはまったく違って堅く険しいのである。
対して最近は感情表現がより豊かになったしその表情も自信と安心感からか柔らかで好奇心一杯の様を見せる。

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※最近の表情はとても穏やかで優しくそして豊かな変化を見せる


先日も公園の隅で馴染みの小学生の女の子3人が県名を言い合うような言葉遊びをしていた。そうした声が聞こえたからかラテはそちらにリードを引き自分から女の子たちの側に陣取り「ウォ〜ンンン」と挨拶(笑)。女の子たちも「あら、ラテちゃん来たの!?」と声をかけながらも言葉遊びを続ける。
オトーサンはその遊びのルールがまったく分からなかったが、例えば「北海道...北海道は○○県!」といった声を出す度にラテも「ウォウォ〜ン」と詰まった遠吠えのような声を出す。まるで女の子たちの遊びに自分も参加したつもりのようなタイミングの良さに女の子の1人も「ラテちゃんも一緒だあ」と喜んでくれた。
ラテの表情がより一層明るく、そして毎日元気に過ごせるようにと5年目もラテと格闘を決意するオトーサンなのであった...。

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員