「大塚国際美術館」ひとり旅 (2) 〜システィーナホールに感涙
「大塚国際美術館」へのひとり旅が始まった。心配事は愛犬がトラブルなく女房と一晩過ごせるかだが、家を出たからには十分にひとり旅を堪能しようと決心して羽田に向かった。そういえば時間的な問題で一番費やすのが自宅から羽田までなのだからどうにもやるせないが、こればかりは仕方がない...。
羽田発、徳島空港行きの全日空機はB737-800という中央通路の左右にそれぞれ三席づつという小型機だったが、大きな揺れもなく定刻に徳島阿波踊り空港に着いた。
飛行中に、わざわざ東京から「大塚国際美術館」を見学にいく人などそうそういないだろう…という思いがよぎったが、私の右隣の2席に座っていた年輩夫婦が「大塚国際美術館」のリーフレットを見ていたのを知りちょっとビックリする。
他の観光客はともかく,今回私の旅はまさしく「大塚国際美術館」だけが目的であり、現地での半日を有効に使い、翌日にはとんぼ返りすることになっているわけで、他の観光地を回るつもりはまったくないという偏った旅である。
さて、徳島空港に着いた私は周りの様子を堪能する暇もなくタクシーに乗って一路「大塚国際美術館」を目指した。
雄弁そうではない様子の運転手さんだったが、こちらから話しかけると「大塚国際美術館」の成り立ちや、いかに大塚グルーブの創業者が偉かったか…といった話をしてくれ、予備知識みたいなものが身についたのも楽しかった。
今回の旅は「大塚国際美術館」が目的のパック旅行なので、鑑賞チケットおよびランチが付いているという。したがって面倒な手続きもなく館内に入ったが、そもそも人がほとんどいないので動くのが楽だ(笑)。
ご承知のように有名な作品が飾られている美術館ではそれこそ好きな絵の前に佇むこともできずに押し出される場合もあるほどだが、ここでは自分のペースで自由に鑑賞できるのが嬉しい。

※エントランスをくぐるとまずは長いエスカレーターを上ることになる
エントランスから館内に入るとまずは長いエスカレータを上ることになる。意図的なのかはともかくこの期待感はなかなかに面白い…。そしてエスカレータを登り切りインフォメーションセンターがあるフロアーに足を踏み入れると正面には早速今回の旅の目玉でもあるシスティーナ・ホールが眼に飛び込んでくる。

※システィーナ・ホールの入り口
はやる気持ちを抑えながらまずはコインロッカーにバッグを預け、デジカメだけを持ってシスティーナ・ホールの前に立った。
ホールに入ればそこは紛れもなくシスティーナ礼拝堂内部である。ミケランジェロによる「天地創造」の天井画に圧倒されつつも正面に描かれた「最後の審判」が歓待してくれた…。


※インフォメーションセンター脇に設置されている「館内のご案内」と「展示作品リスト」は忘れずに手にしておこう
「大塚国際美術館」の環境展示の中ではやはりこのシスティーナ礼拝堂の存在は何物にも代え難い存在感とリアリティで来場者を迎えてくれる。
確かにそれぞれの絵をよく見れば多くの陶板を合わせた継ぎ目が確認できるが正直まったくそれは気にならない。
私はしばし礼拝堂のほぼ中央に立ち尽くし写真を撮ることすら忘れていた…。

※システィーナ礼拝堂に足を踏み入れた...【クリックで拡大】
そういえば今回私が持参したデジタルカメラだが、LUMIX GF2に14-42mmのズームレンズを付けたものだ。この旅のきっかけとなったトブさんのブログに「14mmを持参すべきだった…」という意味のことが書かれていたのを参考にさせてもらったわけだが少々かさばったものの正解であった。
ともかく気を取り直して写真を撮りまくる。無論三脚の使用やフラッシュを焚くのは厳禁だが、この「大塚国際美術館」では写真撮影は基本的に自由なのも嬉しい。結局帰りの飛行機に乗るまで600枚ほどの写真を撮ったことになる…。
※2階の視点から礼拝堂内部と天井を動画で撮影してみた
しばらく佇んでいるとガイドをしてくれる人が数人の来場者と共に入ってきた。私も一息入れ礼拝堂内に置かれているベンチに腰を下ろしながらガイドの方の解説に聴き入っていたが、その内容は極々初心者を対象としたものであり僭越ながらもう少しレベルの高い解説があっても良いのではないか…などと思った。
解説は天井画に及び、一番有名な…神が自身の姿に似せて作った人間に指先から命の息吹を伝える場面…になったとき、私は思いついてベンチに完全に仰向けとなって天井部分を写真に撮った。

※天井画は旧約聖書の「天地創造」が描かれている
このシスティーナ・ホールは館内を出る場合にも通過する場所であり、コインロッカーに預けた荷物を受け取る必要があるわけだから最後にもう1度立ち寄ることができるロケーションになっている。
時間にして20分くらいシスティーナ礼拝堂を堪能していた私は次の展示を見るために取り急ぎその場を離れた…。
つづく
■大塚国際美術館
羽田発、徳島空港行きの全日空機はB737-800という中央通路の左右にそれぞれ三席づつという小型機だったが、大きな揺れもなく定刻に徳島阿波踊り空港に着いた。
飛行中に、わざわざ東京から「大塚国際美術館」を見学にいく人などそうそういないだろう…という思いがよぎったが、私の右隣の2席に座っていた年輩夫婦が「大塚国際美術館」のリーフレットを見ていたのを知りちょっとビックリする。
他の観光客はともかく,今回私の旅はまさしく「大塚国際美術館」だけが目的であり、現地での半日を有効に使い、翌日にはとんぼ返りすることになっているわけで、他の観光地を回るつもりはまったくないという偏った旅である。
さて、徳島空港に着いた私は周りの様子を堪能する暇もなくタクシーに乗って一路「大塚国際美術館」を目指した。
雄弁そうではない様子の運転手さんだったが、こちらから話しかけると「大塚国際美術館」の成り立ちや、いかに大塚グルーブの創業者が偉かったか…といった話をしてくれ、予備知識みたいなものが身についたのも楽しかった。
今回の旅は「大塚国際美術館」が目的のパック旅行なので、鑑賞チケットおよびランチが付いているという。したがって面倒な手続きもなく館内に入ったが、そもそも人がほとんどいないので動くのが楽だ(笑)。
ご承知のように有名な作品が飾られている美術館ではそれこそ好きな絵の前に佇むこともできずに押し出される場合もあるほどだが、ここでは自分のペースで自由に鑑賞できるのが嬉しい。

※エントランスをくぐるとまずは長いエスカレーターを上ることになる
エントランスから館内に入るとまずは長いエスカレータを上ることになる。意図的なのかはともかくこの期待感はなかなかに面白い…。そしてエスカレータを登り切りインフォメーションセンターがあるフロアーに足を踏み入れると正面には早速今回の旅の目玉でもあるシスティーナ・ホールが眼に飛び込んでくる。

※システィーナ・ホールの入り口
はやる気持ちを抑えながらまずはコインロッカーにバッグを預け、デジカメだけを持ってシスティーナ・ホールの前に立った。
ホールに入ればそこは紛れもなくシスティーナ礼拝堂内部である。ミケランジェロによる「天地創造」の天井画に圧倒されつつも正面に描かれた「最後の審判」が歓待してくれた…。


※インフォメーションセンター脇に設置されている「館内のご案内」と「展示作品リスト」は忘れずに手にしておこう
「大塚国際美術館」の環境展示の中ではやはりこのシスティーナ礼拝堂の存在は何物にも代え難い存在感とリアリティで来場者を迎えてくれる。
確かにそれぞれの絵をよく見れば多くの陶板を合わせた継ぎ目が確認できるが正直まったくそれは気にならない。
私はしばし礼拝堂のほぼ中央に立ち尽くし写真を撮ることすら忘れていた…。

※システィーナ礼拝堂に足を踏み入れた...【クリックで拡大】
そういえば今回私が持参したデジタルカメラだが、LUMIX GF2に14-42mmのズームレンズを付けたものだ。この旅のきっかけとなったトブさんのブログに「14mmを持参すべきだった…」という意味のことが書かれていたのを参考にさせてもらったわけだが少々かさばったものの正解であった。
ともかく気を取り直して写真を撮りまくる。無論三脚の使用やフラッシュを焚くのは厳禁だが、この「大塚国際美術館」では写真撮影は基本的に自由なのも嬉しい。結局帰りの飛行機に乗るまで600枚ほどの写真を撮ったことになる…。
※2階の視点から礼拝堂内部と天井を動画で撮影してみた
しばらく佇んでいるとガイドをしてくれる人が数人の来場者と共に入ってきた。私も一息入れ礼拝堂内に置かれているベンチに腰を下ろしながらガイドの方の解説に聴き入っていたが、その内容は極々初心者を対象としたものであり僭越ながらもう少しレベルの高い解説があっても良いのではないか…などと思った。
解説は天井画に及び、一番有名な…神が自身の姿に似せて作った人間に指先から命の息吹を伝える場面…になったとき、私は思いついてベンチに完全に仰向けとなって天井部分を写真に撮った。

※天井画は旧約聖書の「天地創造」が描かれている
このシスティーナ・ホールは館内を出る場合にも通過する場所であり、コインロッカーに預けた荷物を受け取る必要があるわけだから最後にもう1度立ち寄ることができるロケーションになっている。
時間にして20分くらいシスティーナ礼拝堂を堪能していた私は次の展示を見るために取り急ぎその場を離れた…。
つづく
■大塚国際美術館
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