ラテ飼育格闘日記(172)
スヤスヤと寝ているその姿を見ているとラテの求めることはすべて叶えてやりたいと思うほど可愛い。しかし人間社会に一緒に住むワンコは基本的な躾ができていないと不幸だし回りに嫌われてはそれこそ思うように楽しめない...。しかし新たにワンコを飼う人にとってこの躾というのが一番難しく頭を悩まされることになる...。今回も「オトーサン流しつけ考」であるが基本はやはり毎日ワンコと真摯に向き合うことがポイントだと思う。
ワンコの躾というとオトーサンもそうだったが、あらためて構えてしまい難しく考えすぎる傾向がある。また逆に「ワンコには好き放題させてやりたい」とか「うちは放任主義で」といった飼い主もいるようだが100%家の中で過ごすのならそのリスクは100%飼い主が負うわけで知ったことではないが、散歩のために外出することがあるのならやはり最低限の躾はしないと回りが迷惑するに違いない。
とはいっても具体的にどうしたらよいか...。吠える、噛む、飛びつくといった問題や排泄の問題など事は毎日リアルタイムで進んでいくわけで猶予はなく飼い主としてはまさしく子育てノイローゼのような状態になる。
そこで市販されている多くの飼育書を買い込んだり、一瞬で言うことを聞くようになると言ったDVDに頼ってみようということになるがそれで愛犬が思い通りになればともかく現実はなかなか上手くはいかない。しまいには「こいつは特別に馬鹿ワンコなのか?」と思ったりもする(笑)。
しかし人間の子供がそうであるように、マニュアル本の通り画一的なあれこれをやったとしてもそれだけですべてが上手くいくわけではない。

※夕闇が迫る公園で怪しげな美しさを見せる梅の古木
この躾に大切なのはやはり「叱る」という飼い主の行為だと思う。そして日常ワンコに接する飼い主自身の態度や行動に一貫性があるかどうかを今一度振り返ってみたいものだ。なぜならワンコが同じ事をしても、飼い主の気分であるときは叱りあるときは褒められる...といったことではワンコは混乱してしまうからだが概して我々は自分の気分やそのときの周りの様子でワンコに対する態度を変えがちであるからだ。
しかし大げさな物言いをするなら「親の後ろ姿を見て子は育つ」と同様にワンコは毎日飼い主のすべてを観察していることを肝に銘じておくことも大切だ。

※いつも会う女の子たちにチューを迫るラテ
余談になるがシャーロック・ホームズの生みの親であるコナン・ドイルは大の愛犬家だったという。そしてホームズ物語の「這う男」でホームズに「犬は家庭生活を反映する。陰気な家庭には陽気にじゃれつく犬はいないし、幸福な家庭にはみじめな犬はいない。口汚く乱暴な人の犬はうなるし、危険な人の犬は危険なものだ。」と言わせている。
また獣医の野村潤一郎氏は著書「Dr.野村の犬に関する100問100答」の中で人間は外観と中身が違っていることが多いから気をつけなければならないとしながらも「正常な飼い主が連れている犬は正常だと思っていい」と書いている。
ことほど左様にワンコはその飼い主の一挙一動を見て成長する生き物であり、ワンコはその飼い主に大きく影響を受ける生き物なのだ。
とはいえワンコに人間の言葉がそのまま理解出来る能力があればいわゆる言い聞かせで済むかも知れないが現実にはそうもいかない。ましてやワンコには人間社会の倫理感などあるはずもないからある意味ひとつひとつ経験則で教え込む必要がある。
その方法を私なりの言葉で言うなら前回同様「飼い主の嫌がる行為はさせない」の一語に尽きる...。
ワンコは高度な意識と感情を持つ生き物であり、人間と共存できるある意味で珍しい生き物だと思う。
猫やカメ、小鳥といった類のペットと違い、中型犬以上のワンコがもしその気になったら飼い主であろうとなかろうと人間を襲い息の根を止めることなど造作もないはずだ。それほどの動物が飼い主である人間を信頼し一緒に生活できるのだから大げさにいうならちょっとした奇跡かも知れない(笑)。
ともかくワンコは躾が可能なとても利口な動物なのだ。
無論躾は叱責ではなく教育であり、ワンコ自身も人との触れ合いを求めているからこそ人に従うのだろう。

※柵に前足を乗せてトカゲを追うラテ
躾で一番大切なのは前回も記したとおりワンコの名を呼んでから「ダメ!」という言葉と飼い主の態度だと思う。そして飼い主の言うことに従ったり、言いつけたことを守ったら必ずその場で「イイコだ!」と褒め...飼い主もできるだけ大げさに喜び撫でてあげることが重要だ。
問題はワンコは「なぜ叱られたのか」という理由を知り得ないことだ。残念ながらワンコは人間と同様に良心とか道徳といった心が発達しているわけではないから「前にもダメっていったでしょ!」といった言い聞かせはワンコにとってまったく意味がないと肝に銘じるべきである。無論反対に飼い主がいきなり笑顔で近づきナデナデしてくれたとしても一般的には「なぜ撫でてくれたのか」に思いを寄せることはできない。
だから重要なのは飼い主にとって止めさせるべき行為をしたその瞬間にリードを「バシッ」と強く引き「ラテ、ダメ!」と声をかける、あるいはボールをオトーサンの手元まで咥えてきて手のひらの上に上手に落としたら即「イイコ、よしよし」と撫でてあげるというリアルタイムな対応がキモである。そして最初期はご褒美として小さなオヤツをあげるのも効果的だろう。
これを繰り返していくことでワンコはこの行為・行動は飼い主に喜ばれる、あるいは嫌われるという結びつきを覚えていき基本的に飼い主に寄り添いたいという本能から嫌われる行為はしないようになっていくわけだ。そしてそのうちリードを「チョン!」と軽く引くだけでワンコはそれに従うようにもなってくる。
特に最初の頃は口調を強くするとよいと思うが、毅然とした態度でワンコの正面から視線を合わせてその行為はイケナイ...というより飼い主が怒っているということを分からせることが大切である。そしてリードにつないでいる外出時などはリードを「バシッ」と引くことでダメという意志を伝えることができるわけだが、室内にいるときなどはマズルを押さえる...あるいは頭を軽く地面(床)に押しつける...といった「これをやられたら叱られている」「これをやると嫌なことをされる」ということを行為で示すことも大切なように思う。

※本邦初公開、マズルにシワを寄せ牙をむくラテの威嚇顔。前片足を上げているのは緊張を示すというがなかなか迫力がある(笑)
例えばワンコのトレーニング本の中には「無視する」という勧めが多い。無視されることを避けたいという気持ちが飼い主の嫌う行動をしなくなるということらしい。
ワンコがオシッコをシートでなく別の場所でやってしまった時なども騒がず、できるなら片付けているところも見せずに綺麗にし「なにやってるの!」などと叱ってはならないということらしい。
なぜなら飼い主が慌てふためいているその姿はワンコにとって遊んでくれている姿と映り、ここでオシッコしたら遊んで貰える...と思い込んでしまうから...ということらしい。
無論躾の途中でワンコは何回かオシッコする場所を間違えることもあるだろうが、それを叱ってはいけないことは確かだ。まだ学習途中なのだから間違っても仕方がないと考えるべきだろう。
しかしオトーサンの経験則からいうなら、ワンコに対しての叱り方を誤らなければワンコはオトーサンが怒っているのか、あるいは喜んでいるのかを間違うわけはないと思うのだ。そして叱られているワンコの態度もきちんと観察すれば自ずからワンコの感情も理解できるはずだ。
なぜなら一般的に叱ったことが伝わるならワンコの尻尾は垂れ、その表情もいかにもすまなそうな...恨めしそうなものになるはずだ。
ワンコの思いは素直に表情や態度にも出るものだから、最初はなかなか分かりづらいと思うものの注意深く観察を続けていると理屈でなくワンコの感情が伝わってくると思う。
とにかく飼い主としては毅然な態度で愛犬に接するべきなのだが、オトーサンとしては惚れた弱み...。視線が合うとつい笑顔を返してしまうのが自分でも困ったことだと思っている(笑)。
ワンコの躾というとオトーサンもそうだったが、あらためて構えてしまい難しく考えすぎる傾向がある。また逆に「ワンコには好き放題させてやりたい」とか「うちは放任主義で」といった飼い主もいるようだが100%家の中で過ごすのならそのリスクは100%飼い主が負うわけで知ったことではないが、散歩のために外出することがあるのならやはり最低限の躾はしないと回りが迷惑するに違いない。
とはいっても具体的にどうしたらよいか...。吠える、噛む、飛びつくといった問題や排泄の問題など事は毎日リアルタイムで進んでいくわけで猶予はなく飼い主としてはまさしく子育てノイローゼのような状態になる。
そこで市販されている多くの飼育書を買い込んだり、一瞬で言うことを聞くようになると言ったDVDに頼ってみようということになるがそれで愛犬が思い通りになればともかく現実はなかなか上手くはいかない。しまいには「こいつは特別に馬鹿ワンコなのか?」と思ったりもする(笑)。
しかし人間の子供がそうであるように、マニュアル本の通り画一的なあれこれをやったとしてもそれだけですべてが上手くいくわけではない。

※夕闇が迫る公園で怪しげな美しさを見せる梅の古木
この躾に大切なのはやはり「叱る」という飼い主の行為だと思う。そして日常ワンコに接する飼い主自身の態度や行動に一貫性があるかどうかを今一度振り返ってみたいものだ。なぜならワンコが同じ事をしても、飼い主の気分であるときは叱りあるときは褒められる...といったことではワンコは混乱してしまうからだが概して我々は自分の気分やそのときの周りの様子でワンコに対する態度を変えがちであるからだ。
しかし大げさな物言いをするなら「親の後ろ姿を見て子は育つ」と同様にワンコは毎日飼い主のすべてを観察していることを肝に銘じておくことも大切だ。

※いつも会う女の子たちにチューを迫るラテ
余談になるがシャーロック・ホームズの生みの親であるコナン・ドイルは大の愛犬家だったという。そしてホームズ物語の「這う男」でホームズに「犬は家庭生活を反映する。陰気な家庭には陽気にじゃれつく犬はいないし、幸福な家庭にはみじめな犬はいない。口汚く乱暴な人の犬はうなるし、危険な人の犬は危険なものだ。」と言わせている。
また獣医の野村潤一郎氏は著書「Dr.野村の犬に関する100問100答」の中で人間は外観と中身が違っていることが多いから気をつけなければならないとしながらも「正常な飼い主が連れている犬は正常だと思っていい」と書いている。
ことほど左様にワンコはその飼い主の一挙一動を見て成長する生き物であり、ワンコはその飼い主に大きく影響を受ける生き物なのだ。
とはいえワンコに人間の言葉がそのまま理解出来る能力があればいわゆる言い聞かせで済むかも知れないが現実にはそうもいかない。ましてやワンコには人間社会の倫理感などあるはずもないからある意味ひとつひとつ経験則で教え込む必要がある。
その方法を私なりの言葉で言うなら前回同様「飼い主の嫌がる行為はさせない」の一語に尽きる...。
ワンコは高度な意識と感情を持つ生き物であり、人間と共存できるある意味で珍しい生き物だと思う。
猫やカメ、小鳥といった類のペットと違い、中型犬以上のワンコがもしその気になったら飼い主であろうとなかろうと人間を襲い息の根を止めることなど造作もないはずだ。それほどの動物が飼い主である人間を信頼し一緒に生活できるのだから大げさにいうならちょっとした奇跡かも知れない(笑)。
ともかくワンコは躾が可能なとても利口な動物なのだ。
無論躾は叱責ではなく教育であり、ワンコ自身も人との触れ合いを求めているからこそ人に従うのだろう。

※柵に前足を乗せてトカゲを追うラテ
躾で一番大切なのは前回も記したとおりワンコの名を呼んでから「ダメ!」という言葉と飼い主の態度だと思う。そして飼い主の言うことに従ったり、言いつけたことを守ったら必ずその場で「イイコだ!」と褒め...飼い主もできるだけ大げさに喜び撫でてあげることが重要だ。
問題はワンコは「なぜ叱られたのか」という理由を知り得ないことだ。残念ながらワンコは人間と同様に良心とか道徳といった心が発達しているわけではないから「前にもダメっていったでしょ!」といった言い聞かせはワンコにとってまったく意味がないと肝に銘じるべきである。無論反対に飼い主がいきなり笑顔で近づきナデナデしてくれたとしても一般的には「なぜ撫でてくれたのか」に思いを寄せることはできない。
だから重要なのは飼い主にとって止めさせるべき行為をしたその瞬間にリードを「バシッ」と強く引き「ラテ、ダメ!」と声をかける、あるいはボールをオトーサンの手元まで咥えてきて手のひらの上に上手に落としたら即「イイコ、よしよし」と撫でてあげるというリアルタイムな対応がキモである。そして最初期はご褒美として小さなオヤツをあげるのも効果的だろう。
これを繰り返していくことでワンコはこの行為・行動は飼い主に喜ばれる、あるいは嫌われるという結びつきを覚えていき基本的に飼い主に寄り添いたいという本能から嫌われる行為はしないようになっていくわけだ。そしてそのうちリードを「チョン!」と軽く引くだけでワンコはそれに従うようにもなってくる。
特に最初の頃は口調を強くするとよいと思うが、毅然とした態度でワンコの正面から視線を合わせてその行為はイケナイ...というより飼い主が怒っているということを分からせることが大切である。そしてリードにつないでいる外出時などはリードを「バシッ」と引くことでダメという意志を伝えることができるわけだが、室内にいるときなどはマズルを押さえる...あるいは頭を軽く地面(床)に押しつける...といった「これをやられたら叱られている」「これをやると嫌なことをされる」ということを行為で示すことも大切なように思う。

※本邦初公開、マズルにシワを寄せ牙をむくラテの威嚇顔。前片足を上げているのは緊張を示すというがなかなか迫力がある(笑)
例えばワンコのトレーニング本の中には「無視する」という勧めが多い。無視されることを避けたいという気持ちが飼い主の嫌う行動をしなくなるということらしい。
ワンコがオシッコをシートでなく別の場所でやってしまった時なども騒がず、できるなら片付けているところも見せずに綺麗にし「なにやってるの!」などと叱ってはならないということらしい。
なぜなら飼い主が慌てふためいているその姿はワンコにとって遊んでくれている姿と映り、ここでオシッコしたら遊んで貰える...と思い込んでしまうから...ということらしい。
無論躾の途中でワンコは何回かオシッコする場所を間違えることもあるだろうが、それを叱ってはいけないことは確かだ。まだ学習途中なのだから間違っても仕方がないと考えるべきだろう。
しかしオトーサンの経験則からいうなら、ワンコに対しての叱り方を誤らなければワンコはオトーサンが怒っているのか、あるいは喜んでいるのかを間違うわけはないと思うのだ。そして叱られているワンコの態度もきちんと観察すれば自ずからワンコの感情も理解できるはずだ。
なぜなら一般的に叱ったことが伝わるならワンコの尻尾は垂れ、その表情もいかにもすまなそうな...恨めしそうなものになるはずだ。
ワンコの思いは素直に表情や態度にも出るものだから、最初はなかなか分かりづらいと思うものの注意深く観察を続けていると理屈でなくワンコの感情が伝わってくると思う。
とにかく飼い主としては毅然な態度で愛犬に接するべきなのだが、オトーサンとしては惚れた弱み...。視線が合うとつい笑顔を返してしまうのが自分でも困ったことだと思っている(笑)。
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