ラテ飼育格闘日記(145)
ワンコにも固有の性格といったものがあるのだろうか...。オトーサンたちはよく「この子は我が儘でねぇ」とか「この子は気が小さくて...」といったもの言いを当然のことのようにしているし、誰もがそうしたやりとりを不自然だとは感じていない。しかしワンコをよく知らないひとから見れば擬人化も甚だしい馬鹿げた事だと思うのかも知れない。とにかく人間同様、ワンコだって性格がわかれば理解しやすいはずだ...。
余談ながら、オトーサンの若いとき催眠術と西洋占星術に熱中したことがある。単に「○○座だからあなたの運命は...」というだけでなく自分でホロスコープを作り性格や運命を判断するといった本格的な方法を究めようとした...。しかし人生の年輪を積み重ねてきたいまは話のネタとしてはともかく、占い全般に対してだが...信じていない(笑)。ただし催眠術は相手にもよるが今でもかけられるはずだ...。
もし生まれた場所ならびに月日あるいは時間を基礎にした占星術で性格が分かるならこんなに便利なことはない。そしてそうだとするならワンコにもそれは当てはめることはではないだろうか...(笑)。
だって人間とワンコのDNAは90%程度同一だという。それならもし人間の一生が天体に影響されるならワンコの一生だってその90%くらいは同じように影響されても良いと思うのだが...。
まあバカ話しはこのくらいにするが、ワンコにも人間同様固有の性格があることは間違いない。だとするなら、ラテの性格はどのようなものなのだろうか?
カナダのブリティッシュコロンビア大学の心理学教授であるスタンレー・コレン著「理想の犬の育て方
」文芸春秋刊を参考にしながら具体的な性格を検証してみたい。

※スタンレー・コレン著「理想の犬の育て方」文芸春秋刊表紙
そのコレンによれば人間の性格を構成している特徴因子は「外向性」「神経症傾向」「調和性」「勤勉性」そして「開放性」の5つに絞られるという。
蛇足ながら簡単に説明すると「外向性」はどの程度行動的で社交的、支配的で楽しいことが好きかを示す特徴。「神経症傾向」は、情緒の不安定度や感情的反応の強さを示す特徴。「調和性」は、温かさや好感度を示し協調性の有無や礼儀正しいかを示す特徴。「勤勉性」は、注意深いか無頓着かを示す特徴。そして「開放性」は、心理学者のあいだでも意見が分かれるらしいが、この特徴が高い人は大胆で好奇心が強く逆に低い人はことなかれ主義で新しい事が苦手だという...。
さてではワンコもこうした心理学で言うところの性格分析をあてはめることができるのだろうか。そうした方向に話を持っていくのを危険だとする学者もいるらしいが、テキサス大学オースチン校の心理学者サム・ゴスリングとそのチームは「動物には性格がないという仮定」で研究を開始した結果、犬の性格構造は人間と似ているものの、より単純であると結論づけた。
それによると前記した特徴因子のうち「勤勉性」に関わる因子が備わっていないという...。この性格因子と結びつく要素、例えば整理整頓・時間や順序の感覚・倫理観・目的意識は犬の行動に当てはまらないらしい...。まあ、勤勉なワンコというのも確かに想像できないが(笑)。
結局ゴスリングたちは人間の特徴因子「外向性」を「活動力」と、「神経症傾向」を「感情反応」、「開放性」を「知能程度」そして「調和性」を「親愛の情と社交性」に置き換えて研究を続ける...。

※公園で子供たちに囲まれてご満悦のラテ
詳しくは本書を読んでいただきたいが、結果犬の性格判断テストの有効性は人間の性格判断テストの有効性と同じ水準だったという。そして犬種の違いがかなり性格に影響を与えることが分かった一方、同じ犬種の中でも個体差があることも証明できたという。
その確認のためには犬種の分類が不可欠だが、本書の著書コレンたちの新分類法は例えばレトリーバー(獲物を回収する犬)、ポインター(獲物を指し示す犬)、多目的狩猟犬、番犬、警備犬、闘犬、コンパニオン・ドッグ、牧畜犬などなど16種に分類している。そしてゴスリングの分類「外向性」「神経症傾向」「調和性」「開放性」をそれぞれ「活動力」「安定度と興奮のしやすさ」「社交性」「学習・訓練能力および問題解決能力」と関連づけ、かつ独自に5番目の因子として「支配性と縄張り意識」を加えて研究した。
まあ、純血種のワンコは必ずどれかの分類に入るわけだが、問題はラテのように雑種の場合はどうなるのか...である。その点についてメイン州バーハーバー研究所の研究室による選択交配の実験の結果、簡単にいうならその外見が近い犬種とほぼ同じ行動を取るという結論に達したという。
ではラテの外観はといえば、いろいろとワンコの図鑑などで確認してみたがどうやら牧畜犬に相当するようだ。それもウェルシュ・コーギーのような群れを追い立てるタイプではなく群れを集める仕事に向いているタイプである。
このことは日常の行動からも納得できる。なぜならラテは友達のワンコと駆けっこをして追いかけるとき、闇雲に相手の後ろを走るのではなく、常に相手の動き...すなわち方向と速度を見ながら最短距離で回り込もうとする。まさしく相手が羊だったら良い仕事をするだろう...と思わせる走り方だ。
これらの分類に入る主なワンコはといえば、シェパード系、ボーダー・コリー、シェットランド・シープドッグたちだ。事実ラテの毛並みや目の色はシェパードのそれを思わせるし毛並みや尻尾を観察するならシェットランド・シープドッグ...すなわちシェルティーのようでもある。またある飼い主さんのお話ではラテの毛色に似たボーダー・コリーを見たことがあり、ラテととても似ていたという...。さらに前足の斑などはどこかセターの血が入っているようにも感じるのだが...。
ということでラテは前記した分類で言うところの「牧畜犬」それも「群れを集めるタイプ」のワンコと判断し、どのような基本的性格を持っているかを本書で確認してみた。

※朝日の強い光を浴びてラテの全身が光輝く!
まずは「社交性」だが、「比較的低い」と判断される。しかしセターの血が入っているなら「比較的高い」に分類されるもののラテの外観はセターのそれではない。そして確かにラテは初めての人間に対しては警戒心も強く決して社交的ではない。決して誰にでも尻尾を振って付いていくタイプのワンコではないので納得できる判断だと思う。
「活動力」に関しては牧畜犬に分類されるすべてが「非常に高い」と判断されている。
ラテは家の中でほとんど走り回ることはないが、公園などでは心を許しあえる仲間がいるとその太めの体で全速力で走り回る姿は感動モノである。そして基本は活動的なタイプに違いない。
神経症傾向を示す「感情反応」だが、これまた「非常に高い」と判断されるがこれも納得のいくことだ。この場合、感情反応で重要な要素として共感、すなわち相手の気持ちを感じ取って理解する能力だが、ラテはオトーサンたちが里親になる際「ラテマジックにはまらないように」と預かり育ててくれたボランティアの方から忠告されたほど当初から人を観察して行動するワンコだった。反面気分が変わりやすいタイプでもあるようだが...。
それから「学習能力」を確認するとこれも「非常に高い」に分類される。
こう書くとまるで親ばかで子供の持ってきた通信簿に一喜一憂しているみたいだが、ラテの学習能力は大変優れていると思っている。そういえば、昨年の秋に道端に落ちていたイガグリをいきなり鼻で突いて「キャン!」と悲鳴をあげたラテだが(笑)、ことし最初に出会ったイガグリに対しては大変慎重であった。これは昨年の無謀をきちんと記憶しているのだろうか。
最後の「支配性/縄張り意識」の評価だが、これは「比較的低い」という判断だ。確かに子供が近づいても怒らないし邪魔をされたとしても怒ることはない。ただし警戒心は高いし臆病といった性格も持っており、支配性は弱いにしても自身が思っているテリトリーを守る意識は高いようで複雑さは否めない...。
こうして見るとラテの性格の概要は見て取れるし日常の行動に大きな矛盾はなく、常々オトーサンが感じていることをトレースしたという感想を持った。
とにかく活動的なワンコは当然のことながら学習能力を高めるチャンスも多いわけで、我々が考えている以上にワンコたちは毎日賢くなっているのではないだろうか。
余談ながら、オトーサンの若いとき催眠術と西洋占星術に熱中したことがある。単に「○○座だからあなたの運命は...」というだけでなく自分でホロスコープを作り性格や運命を判断するといった本格的な方法を究めようとした...。しかし人生の年輪を積み重ねてきたいまは話のネタとしてはともかく、占い全般に対してだが...信じていない(笑)。ただし催眠術は相手にもよるが今でもかけられるはずだ...。
もし生まれた場所ならびに月日あるいは時間を基礎にした占星術で性格が分かるならこんなに便利なことはない。そしてそうだとするならワンコにもそれは当てはめることはではないだろうか...(笑)。
だって人間とワンコのDNAは90%程度同一だという。それならもし人間の一生が天体に影響されるならワンコの一生だってその90%くらいは同じように影響されても良いと思うのだが...。
まあバカ話しはこのくらいにするが、ワンコにも人間同様固有の性格があることは間違いない。だとするなら、ラテの性格はどのようなものなのだろうか?
カナダのブリティッシュコロンビア大学の心理学教授であるスタンレー・コレン著「理想の犬の育て方

※スタンレー・コレン著「理想の犬の育て方」文芸春秋刊表紙
そのコレンによれば人間の性格を構成している特徴因子は「外向性」「神経症傾向」「調和性」「勤勉性」そして「開放性」の5つに絞られるという。
蛇足ながら簡単に説明すると「外向性」はどの程度行動的で社交的、支配的で楽しいことが好きかを示す特徴。「神経症傾向」は、情緒の不安定度や感情的反応の強さを示す特徴。「調和性」は、温かさや好感度を示し協調性の有無や礼儀正しいかを示す特徴。「勤勉性」は、注意深いか無頓着かを示す特徴。そして「開放性」は、心理学者のあいだでも意見が分かれるらしいが、この特徴が高い人は大胆で好奇心が強く逆に低い人はことなかれ主義で新しい事が苦手だという...。
さてではワンコもこうした心理学で言うところの性格分析をあてはめることができるのだろうか。そうした方向に話を持っていくのを危険だとする学者もいるらしいが、テキサス大学オースチン校の心理学者サム・ゴスリングとそのチームは「動物には性格がないという仮定」で研究を開始した結果、犬の性格構造は人間と似ているものの、より単純であると結論づけた。
それによると前記した特徴因子のうち「勤勉性」に関わる因子が備わっていないという...。この性格因子と結びつく要素、例えば整理整頓・時間や順序の感覚・倫理観・目的意識は犬の行動に当てはまらないらしい...。まあ、勤勉なワンコというのも確かに想像できないが(笑)。
結局ゴスリングたちは人間の特徴因子「外向性」を「活動力」と、「神経症傾向」を「感情反応」、「開放性」を「知能程度」そして「調和性」を「親愛の情と社交性」に置き換えて研究を続ける...。

※公園で子供たちに囲まれてご満悦のラテ
詳しくは本書を読んでいただきたいが、結果犬の性格判断テストの有効性は人間の性格判断テストの有効性と同じ水準だったという。そして犬種の違いがかなり性格に影響を与えることが分かった一方、同じ犬種の中でも個体差があることも証明できたという。
その確認のためには犬種の分類が不可欠だが、本書の著書コレンたちの新分類法は例えばレトリーバー(獲物を回収する犬)、ポインター(獲物を指し示す犬)、多目的狩猟犬、番犬、警備犬、闘犬、コンパニオン・ドッグ、牧畜犬などなど16種に分類している。そしてゴスリングの分類「外向性」「神経症傾向」「調和性」「開放性」をそれぞれ「活動力」「安定度と興奮のしやすさ」「社交性」「学習・訓練能力および問題解決能力」と関連づけ、かつ独自に5番目の因子として「支配性と縄張り意識」を加えて研究した。
まあ、純血種のワンコは必ずどれかの分類に入るわけだが、問題はラテのように雑種の場合はどうなるのか...である。その点についてメイン州バーハーバー研究所の研究室による選択交配の実験の結果、簡単にいうならその外見が近い犬種とほぼ同じ行動を取るという結論に達したという。
ではラテの外観はといえば、いろいろとワンコの図鑑などで確認してみたがどうやら牧畜犬に相当するようだ。それもウェルシュ・コーギーのような群れを追い立てるタイプではなく群れを集める仕事に向いているタイプである。
このことは日常の行動からも納得できる。なぜならラテは友達のワンコと駆けっこをして追いかけるとき、闇雲に相手の後ろを走るのではなく、常に相手の動き...すなわち方向と速度を見ながら最短距離で回り込もうとする。まさしく相手が羊だったら良い仕事をするだろう...と思わせる走り方だ。
これらの分類に入る主なワンコはといえば、シェパード系、ボーダー・コリー、シェットランド・シープドッグたちだ。事実ラテの毛並みや目の色はシェパードのそれを思わせるし毛並みや尻尾を観察するならシェットランド・シープドッグ...すなわちシェルティーのようでもある。またある飼い主さんのお話ではラテの毛色に似たボーダー・コリーを見たことがあり、ラテととても似ていたという...。さらに前足の斑などはどこかセターの血が入っているようにも感じるのだが...。
ということでラテは前記した分類で言うところの「牧畜犬」それも「群れを集めるタイプ」のワンコと判断し、どのような基本的性格を持っているかを本書で確認してみた。

※朝日の強い光を浴びてラテの全身が光輝く!
まずは「社交性」だが、「比較的低い」と判断される。しかしセターの血が入っているなら「比較的高い」に分類されるもののラテの外観はセターのそれではない。そして確かにラテは初めての人間に対しては警戒心も強く決して社交的ではない。決して誰にでも尻尾を振って付いていくタイプのワンコではないので納得できる判断だと思う。
「活動力」に関しては牧畜犬に分類されるすべてが「非常に高い」と判断されている。
ラテは家の中でほとんど走り回ることはないが、公園などでは心を許しあえる仲間がいるとその太めの体で全速力で走り回る姿は感動モノである。そして基本は活動的なタイプに違いない。
神経症傾向を示す「感情反応」だが、これまた「非常に高い」と判断されるがこれも納得のいくことだ。この場合、感情反応で重要な要素として共感、すなわち相手の気持ちを感じ取って理解する能力だが、ラテはオトーサンたちが里親になる際「ラテマジックにはまらないように」と預かり育ててくれたボランティアの方から忠告されたほど当初から人を観察して行動するワンコだった。反面気分が変わりやすいタイプでもあるようだが...。
それから「学習能力」を確認するとこれも「非常に高い」に分類される。
こう書くとまるで親ばかで子供の持ってきた通信簿に一喜一憂しているみたいだが、ラテの学習能力は大変優れていると思っている。そういえば、昨年の秋に道端に落ちていたイガグリをいきなり鼻で突いて「キャン!」と悲鳴をあげたラテだが(笑)、ことし最初に出会ったイガグリに対しては大変慎重であった。これは昨年の無謀をきちんと記憶しているのだろうか。
最後の「支配性/縄張り意識」の評価だが、これは「比較的低い」という判断だ。確かに子供が近づいても怒らないし邪魔をされたとしても怒ることはない。ただし警戒心は高いし臆病といった性格も持っており、支配性は弱いにしても自身が思っているテリトリーを守る意識は高いようで複雑さは否めない...。
こうして見るとラテの性格の概要は見て取れるし日常の行動に大きな矛盾はなく、常々オトーサンが感じていることをトレースしたという感想を持った。
とにかく活動的なワンコは当然のことながら学習能力を高めるチャンスも多いわけで、我々が考えている以上にワンコたちは毎日賢くなっているのではないだろうか。
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