ラテ飼育格闘日記(110)

2009年1月1日の朝は午前5時過ぎに起きた。本音は元旦でもあるし朝寝坊したいところだが、昨年同様ラテと日の出を拝もうというわけだ。とはいえ、無論ラテは日の出うんぬんなど知る由もなく、ただただ散歩に行けるのでルンルンである。

 

気温がマイナスに下がっている薄暗い中を暖かい服を着て使い捨てカイロを持ち、懐中電灯を照らしながら目的の公園へと急ぐ。その公園はかなり高地にあるので一部手前にある陸橋や木々の影になるものの朝日が昇るのがしっかりと確認できる場所なのである。

あらかじめ日の出の時刻を調べてみると6時50分前後とのことなので空が白み始めるところから眺めたいと早めに自宅を出た。
そんなオトーサンたちの都合などかまわないラテは途中の立木や街灯などなど垂直のものに片っ端から近づいてクンクンしたりオシッコをかけたりしている(笑)。本来なら出来るだけラテのクンクンを邪魔しないようにと考慮しているオトーサンだが、遠方の空はそろそろ明るくなりかけてきたので急がなければと足を速めたが、ラテはいきなりウンチだ...。

latte110_04.jpg

※正月はなにかと騒がしいものだがラテはマイペースである(笑)
 

それやこれやで到着した広い公園は人っ子一人いない...一番乗りであった。

しかししばらくすると向こうに人影が見えてきた。近づいてくるその人たちは柴犬のクロちゃんとお母さん、そして少し歩調が遅れてお父さんではないか...。そのクロちゃんのお父さんに向かってラテは吠え始める(笑)。

簡単に新年のご挨拶などをしていると、ラテ最愛のワンコであるマキちゃんがお母さんと息子さん2人と共に登場。
ふと公園を見渡すとチラホラ数人の方たちもいて段々と賑やかになってきた。
ラテはマキちゃんはもとよりだが2人のお兄ちゃんたちが大好きなのでもう興奮して大変である。

そろそろ天空が明るくなり遠方がオレンジ色になりかけたころ、なんとビーグル犬のハリーちゃんがお母さんとお父さんと共に走ってくるではないか。
ラテの喜びは頂点に達し、早速ハリーちゃんの後ろ足に攻撃をかけて遊ぼうと挑発している。
ラテにとってはまさしく盆と正月が一度に来たような日となった(笑)。
ただし日が昇る前はかなり寒く、デジタルカメラを持つオトーサンの指先の感覚がなくなってくるし腱鞘炎部位が痛み出す。

latte110_01.jpg

latte110_02.jpg

※朝日が遠くの木立の向こうから昇り始める(上)。それを仰ぎ見るワンコのお仲間たち(下)。しかし何故かラテはオカーサンに抱っこされている(爆)


しかしオトーサンはポケットに手を入れておくわけにはいかない。元旦のこのシーンを記録しておきたいと、Xactiで珍しく動画撮影も始めた...。
液晶画面を覗いていたとき、オトーサンはふとラテが我が家に来る数年前までの正月を思い出した。
女房と素敵な温泉で過ごした正月もあったし、私の両親と女房との4人と京都のホテルで過ごした新年もあった。それらは良い思い出として心に残っているが、ラテが来てからは正月はもとより家族旅行はしたことがない。

勿論ラテをペットホテルなどに預けて行くことはできるわけだが、きっと心配になって旅先で安穏とはしていられないと思うからでもある。
皆それぞれの生活があり、それぞれの心配や苦労もあるわけだが、愛犬を含む家族と共に健康だからこそこうして集まることができるわけだ。

家族で旅行に出かける正月も素敵だが、こうした平凡な正月もなかなか得難いものだとオトーサンは笑顔で雑談されている皆さんを液晶画面越しに眺めながらちょっと感動していたのである...。
朝日をいっぱいに浴びるとありがたいもので凍り付くような身体が少しずつ温まってくる。
興奮気味のラテを引っ張りながら、オトーサンたちは「2009年元旦ワンコと共に朝日を見る会」...そんな命名などはなかったが...(笑)をお開きとし帰宅を急いだ。

ところで...そういえばこの地に来て今年で3度目の正月だが一度も初詣に行っていない...。
女房の提案でラテとの散歩がてらに近隣の神社に行ってみようということになり、午後3時頃に再びオトーサンたちはラテと共に外出することに...。
ラテはいつもより早めに外へ出られることに喜びながらもまさか初詣に行くとは知らないわけで、どちらかというとオトーサンたちの足が向いた方向はワンコの美容室あるいは動物病院の方向だからか、少し腰が引き始める(笑)。
「大丈夫だよ、今日は病院ではないから」と声をかけながらリードを引くがラテはへっぴり腰だ。

 自宅から15分ほどだろうか...普段は人っ子一人いないような諏訪神社という小さな神社がある。いやもっとこぢんまりした神社もあるが初詣は賑やかでないとサマにならないからとその諏訪神社に向かった。
通りの角を曲がると点灯した提灯がぶら下がっていて数人の人たちがそちらに向かい歩いている。やっと初詣の雰囲気が出てきたと思ったが、こぢんまりした社にはさすがに氏子が御神酒を配っていたり破魔矢を売っていたりしているものの参詣人はまばらで数えられるほど。何とも寂しい...。

これまで例えば明治神宮はもとより、京都の有名どころの神社仏閣へ初詣に出かけたことが多々あるが、本殿に近づくのが怖いほどの人人人...だったがこちらはスカスカである(笑)。

しかしまあ、参詣人が少ないということは神様も一人当たりにより気を配っていただけるのかも知れないなどと罰当たりなことを考えながら社殿に近づく。

latte110_03.jpg

※近隣にある諏訪神社は参拝客もまばらであった...

 
そう、問題はラテを連れたまま鳥居をくぐってよいのかと心配になった。いや、別に神様は怒らないだろうが大手の神社仏閣の中には「ペット禁止」の立て札がこれ見よがしに立っている場合も多いからだし、神殿の柱にオシッコをかけてしまってはまずいとも思って躊躇し、オトーサンがラテと共に鳥居の外で待ちまずは女房がお参りすることにした。
ただしラテが遠ざかる女房を心配したのか、はてまた慣れない場所に動きを止められているからか不安そうに「クーン」となく。

と...後ろから2匹の小さなワンコを連れた家族連れが何の躊躇もなく鳥居をくぐっていくし、それを見ていたはずの氏子たちも特に注意をしないようす...。
それではとオトーサンもラテのリードを短めに持って鳥居をくぐり、破魔矢を持った女房とラテの記念写真を撮った。
何はともあれ、今年も家族全員健康で仲良く過ごせますように...と願いながらラテの頭を突くと、最高の笑顔を返してくれた。
元旦の1日はこうしてラテと共に始まり、ラテと共に終わるのであった。

関連記事
広告
ブログ内検索
Macの達人 無料公開
[小説]未来を垣間見た男 - スティーブ・ジョブズ公開
オリジナル時代小説「木挽町お鶴御用控」無料公開
オリジナル時代小説「首巻き春貞」一巻から外伝まで全完無料公開
ラテ飼育格闘日記
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

mactechlab

Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員