ラテ飼育格闘日記(94)
少々感傷的な願望だということは百も承知だが、ラテを文字通り我が子のように可愛がっていると我が家に来る前の様子を無性に知りたくなる。それは幼犬の時代に経験したことが現在の性格や行動に大きく影響しているはずだからでもある...。
我々人間も幼少期の育ち方が大人になってからその性格形成に大きく影響することはよく知られている。
最新の学説によれば同様にワンコも幼児期のあり方がその後の性格に大きく影響することが知られるようになった。したがって良心的なブリーダーは当然このことを認識した上で生まれた子犬を必要以上早く母親や兄弟たちから引きはないよう注意をしているという。
新刊「理想の犬の育て方」(文集文庫)で著者のスタンレー・コレンは幼犬にとっていかに社会化期の学習が重要なのかを分かりやすく解説している。

※スタンレー・コレン著の新刊「本理想の犬の育て方」(文集文庫刊)
ワンコが将来いわゆる家庭犬として迎えられて人間たちと一緒に生活していく上で大切なことは多々ある。それはワンコとしての自分の本性に関わること、そして人や他のワンコとの接触の仕方を学ぶ社会化の問題、そして最後に感情の押さえ方を学ぶことだ。
重要なポイントとしてそれらは生後3週から12週という限られた期間に会得できないければ後から矯正することが非常に難しいとされるらしい...。
この「飼育格闘日記」にも度々登場した一般的なワンコの育児書類にはまだまだ古い考え方...すなわちワンコはオオカミの血を引いているために飼い主を群れのリーダーとして認識するかしないかによりその行動に大きな違いが生じると説明されている。しかしオトーサンの経験からも言えることはワンコは人と犬を区別して対処できないほど馬鹿な生き物ではない。したがって家犬はワンコ仲間との接し方と共に人間社会でどのように接しふるまったらよいかを学ぶ必要があるわけだ。
ともかく生後3週から5週間の間は第一社会化期とよばれ、子犬が子犬であることを学ぶと同時に種の異なる動物とも仲良くなれる時期だという。この頃に例えば猫との接触を図り、猫と一緒に育てられると猫的な行動をとるようになるワンコもいるらしい。
ともかく第一社会化期に幼犬を親兄弟から引き離してしまうと自分が犬であることを学習できないで終わってしまう。こうしたワンコはその後に犬仲間と上手くやっていけずトラブルばかり起こすことになる。
例えば前足を延ばし伏せて頭を低くし、逆にお尻を高くするポーズは「遊ぼう!」というポーズだが、これを犬社会で学ばないで育つと当然のことながら相手が出しているこのサインを攻撃や威嚇のポーズと判断し喧嘩を誘発してしまうこともあるわけだ。またいわゆる甘噛みができるようになることも大切で、こうした行為は幼児期にワンコ同士との接触の中で覚えていくものだという。
さて、ラテを我が子のような気持ちで育てているオトーサンとしては我が家に来た生後(推定)6ヶ月以前のラテを知りたいと考えることは親心として当然なことだとご推察いただけるものと思う...。
雑種の場合でもその母犬が分かっている場合もあるだろうし、一般的にペットショップで手に入れた場合には血統書の証明としてその両親の素性はきちんと分かっているはずだ。そして良心的なブリーダーに育てられたとすれば極悪な環境で幼犬時代を過ごすと言ったことはないに違いない。しかしラテのようにノラ犬として保護されたような場合はその両親はもとよりどのような環境で幼犬時代を過ごしたのかはまったく分からない...。
ただし生後3ヶ月程度のときにボランティアの方に保護され、我が家に来るまでそのお宅で育てられたことははっきりしているから問題は誕生後の3ヶ月という空白が分かれば嬉しわけだが、それは我ながら無理な相談に思える...。
とはいえ現在のラテの性格・性向を観察することでどのような生後3ヶ月を過ごしたのか...という想像はできるような気がするのだ。
その空白の期間(大げさだが)、すなわち幼犬時代のあり方がその後の性格形成に大きくかかわっているとすれば、現在知り得る情報から逆にラテがどのような状態で育ってきたのかを想像することも可能ではないかと思い始めた次第...。
野良犬だからしてすべて幸せであったはずもないが、オトーサンとしてはどんな生活をしていたのかを知りたいと思ってきた...。

※オカーサン(女房)大好きのラテ。いい顔してます!
以下はあくまで推理遊びに過ぎないが、まずは基本に戻ってラテが保護されたときの様子を振り返ってみた。
先のボランティアの方によれば雨の日、ある方のベランダの下にうずくまっていたそうだが、栄養状態は良くなかったもののガリガリに痩せていたわけではなく、長い間放浪した様子もなかったという。そして人間を極端に怖がったりもしなかったらしい。
これらの点は多くの不幸なワンコを世話している方の観察眼なので信頼できる情報と考えて良い。
オトーサンが里親会でラテに会ったのはそれから2ヶ月経った生後5ヶ月と推定される時期だが、今から考えるとその里親会に連れられてきたラテはその場がどのような機会の場所なのかを本能的に知っていたと思えるほど良い子だった(笑)。
約2時間ほどの間、一回も吠えることなくリードを持つことになったオトーサンのキャップを唾液でベタベタにしながらも口元を舐め、オトーサンがマズルを触っただけでなく口を開けさせ、歯や舌を触っても怒ったり唸ったり噛もうとすることはまったくなかった。
後で思えば犬のくせに猫をかぶっていたとしか思えないが(笑)だからこそ安心してラテの里親になることを決心したわけで、その場で暴れ回ったり吠え続けたりするワンコなら選ばなかったと思う。
その場は「新しい飼い主が決まる...」というか、ラテには「自分の生死にかかわる大切な場」であるといった何らかの感覚にとらわれていたように思えてならないのだ。
そしてその翌月、生後6ヶ月になったと思われるラテが我が家に来たわけだが、その後毎日を一緒に過ごし成長ぶりを観察しているとひとつのことに気づく...。
どういうことか...。そう、ラテは前記した第一社会化期ならびにもっとも幼犬に大切な時期といえる第二社会化期すなわち生後3週から12週という限られた期間はどうやら母犬ならびに兄弟たちと一緒だったと推定できる...。
なぜなら後からでは矯正できにくいといわれるワンコとしての社会化ならびにワンコと人との付き合い方をきちんと区別し接する能力に長けているからである。そして人間への対処方法を学習していたとすれば母犬は直前まで飼い犬だっと考えて良いかも知れない。
だとすれば社会化期の終わり頃、ちょうど生後3ヶ月あたりに捨てられたか、何らかの理由で母犬とはぐれたかで迷い犬となったところをあまり日にちをおかずに保護されたと考えるべきではないだろうか。
こうした推測が正しければ、嬉しいことにラテはオトーサンたちが心配するような野良犬として過酷な日々を長い間過ごしたわけではないことになる。
繰り返すが幼犬にとって一番大切な時期、母犬あるいは兄弟たちと一緒に生活していたとするならまさしくワンコらしい幼犬時期をそれなりに楽しく過ごしていたのかも知れない。
とはいえ最初の頃に気づいたことだが、オトーサンが手を頭の上にかざしたり、足でラテを跨ぐような動きをすると怖がって身を引く行動を示していた...。したがって短期間ではあるが、この野良犬の時代に虐待とまでは言わないまでも人間に叩かれたり、蹴られたりというような体験をし、それがトラウマになっていたのかも知れない。
いまでも気を許した人間は別だが、初対面の人が頭を撫でようとすると威嚇はしないものの怖がってか、すっと頭を引いてしまうことがある。

※朝露一杯の芝生で一休みするラテ。お腹は冷えないのか?
最後の興味はラテの母犬がどのようなワンコだったのか...だが、こればかりはどうにも調べようがない(笑)。
ラテの姿からその両親の犬種を正確に確定するのはできない相談だが、多分に両親共に雑種だったと思われる。目の色やマズルなどを見るとシェパードの血が入っているようにも思えるし、身体全体をぶつけ合って遊ぶ様子などはボーダーコリーみたいだし、前足の斑などを考えるとセター系の血も混じっているようにも思える。そして毛並みや耳の形状そして尻尾の様子を見るとシェルティーが混ざっているのは確実な感じもする。その動作は全体的に牧羊犬の血が濃いような気がしてならない...。
冒頭で記した「理想の犬の育て方」によれば、ワンコには犬種により特筆すべき性向もあるようだが、雑種の場合はその外観が似ている犬種の性向が最も強く出ると考えてよいらしい。
ラテの性格をより深く知りたいと、こんなラチもないことを考えて楽しんでいるオトーサンなのである。
我々人間も幼少期の育ち方が大人になってからその性格形成に大きく影響することはよく知られている。
最新の学説によれば同様にワンコも幼児期のあり方がその後の性格に大きく影響することが知られるようになった。したがって良心的なブリーダーは当然このことを認識した上で生まれた子犬を必要以上早く母親や兄弟たちから引きはないよう注意をしているという。
新刊「理想の犬の育て方」(文集文庫)で著者のスタンレー・コレンは幼犬にとっていかに社会化期の学習が重要なのかを分かりやすく解説している。

※スタンレー・コレン著の新刊「本理想の犬の育て方」(文集文庫刊)
ワンコが将来いわゆる家庭犬として迎えられて人間たちと一緒に生活していく上で大切なことは多々ある。それはワンコとしての自分の本性に関わること、そして人や他のワンコとの接触の仕方を学ぶ社会化の問題、そして最後に感情の押さえ方を学ぶことだ。
重要なポイントとしてそれらは生後3週から12週という限られた期間に会得できないければ後から矯正することが非常に難しいとされるらしい...。
この「飼育格闘日記」にも度々登場した一般的なワンコの育児書類にはまだまだ古い考え方...すなわちワンコはオオカミの血を引いているために飼い主を群れのリーダーとして認識するかしないかによりその行動に大きな違いが生じると説明されている。しかしオトーサンの経験からも言えることはワンコは人と犬を区別して対処できないほど馬鹿な生き物ではない。したがって家犬はワンコ仲間との接し方と共に人間社会でどのように接しふるまったらよいかを学ぶ必要があるわけだ。
ともかく生後3週から5週間の間は第一社会化期とよばれ、子犬が子犬であることを学ぶと同時に種の異なる動物とも仲良くなれる時期だという。この頃に例えば猫との接触を図り、猫と一緒に育てられると猫的な行動をとるようになるワンコもいるらしい。
ともかく第一社会化期に幼犬を親兄弟から引き離してしまうと自分が犬であることを学習できないで終わってしまう。こうしたワンコはその後に犬仲間と上手くやっていけずトラブルばかり起こすことになる。
例えば前足を延ばし伏せて頭を低くし、逆にお尻を高くするポーズは「遊ぼう!」というポーズだが、これを犬社会で学ばないで育つと当然のことながら相手が出しているこのサインを攻撃や威嚇のポーズと判断し喧嘩を誘発してしまうこともあるわけだ。またいわゆる甘噛みができるようになることも大切で、こうした行為は幼児期にワンコ同士との接触の中で覚えていくものだという。
さて、ラテを我が子のような気持ちで育てているオトーサンとしては我が家に来た生後(推定)6ヶ月以前のラテを知りたいと考えることは親心として当然なことだとご推察いただけるものと思う...。
雑種の場合でもその母犬が分かっている場合もあるだろうし、一般的にペットショップで手に入れた場合には血統書の証明としてその両親の素性はきちんと分かっているはずだ。そして良心的なブリーダーに育てられたとすれば極悪な環境で幼犬時代を過ごすと言ったことはないに違いない。しかしラテのようにノラ犬として保護されたような場合はその両親はもとよりどのような環境で幼犬時代を過ごしたのかはまったく分からない...。
ただし生後3ヶ月程度のときにボランティアの方に保護され、我が家に来るまでそのお宅で育てられたことははっきりしているから問題は誕生後の3ヶ月という空白が分かれば嬉しわけだが、それは我ながら無理な相談に思える...。
とはいえ現在のラテの性格・性向を観察することでどのような生後3ヶ月を過ごしたのか...という想像はできるような気がするのだ。
その空白の期間(大げさだが)、すなわち幼犬時代のあり方がその後の性格形成に大きくかかわっているとすれば、現在知り得る情報から逆にラテがどのような状態で育ってきたのかを想像することも可能ではないかと思い始めた次第...。
野良犬だからしてすべて幸せであったはずもないが、オトーサンとしてはどんな生活をしていたのかを知りたいと思ってきた...。

※オカーサン(女房)大好きのラテ。いい顔してます!
以下はあくまで推理遊びに過ぎないが、まずは基本に戻ってラテが保護されたときの様子を振り返ってみた。
先のボランティアの方によれば雨の日、ある方のベランダの下にうずくまっていたそうだが、栄養状態は良くなかったもののガリガリに痩せていたわけではなく、長い間放浪した様子もなかったという。そして人間を極端に怖がったりもしなかったらしい。
これらの点は多くの不幸なワンコを世話している方の観察眼なので信頼できる情報と考えて良い。
オトーサンが里親会でラテに会ったのはそれから2ヶ月経った生後5ヶ月と推定される時期だが、今から考えるとその里親会に連れられてきたラテはその場がどのような機会の場所なのかを本能的に知っていたと思えるほど良い子だった(笑)。
約2時間ほどの間、一回も吠えることなくリードを持つことになったオトーサンのキャップを唾液でベタベタにしながらも口元を舐め、オトーサンがマズルを触っただけでなく口を開けさせ、歯や舌を触っても怒ったり唸ったり噛もうとすることはまったくなかった。
後で思えば犬のくせに猫をかぶっていたとしか思えないが(笑)だからこそ安心してラテの里親になることを決心したわけで、その場で暴れ回ったり吠え続けたりするワンコなら選ばなかったと思う。
その場は「新しい飼い主が決まる...」というか、ラテには「自分の生死にかかわる大切な場」であるといった何らかの感覚にとらわれていたように思えてならないのだ。
そしてその翌月、生後6ヶ月になったと思われるラテが我が家に来たわけだが、その後毎日を一緒に過ごし成長ぶりを観察しているとひとつのことに気づく...。
どういうことか...。そう、ラテは前記した第一社会化期ならびにもっとも幼犬に大切な時期といえる第二社会化期すなわち生後3週から12週という限られた期間はどうやら母犬ならびに兄弟たちと一緒だったと推定できる...。
なぜなら後からでは矯正できにくいといわれるワンコとしての社会化ならびにワンコと人との付き合い方をきちんと区別し接する能力に長けているからである。そして人間への対処方法を学習していたとすれば母犬は直前まで飼い犬だっと考えて良いかも知れない。
だとすれば社会化期の終わり頃、ちょうど生後3ヶ月あたりに捨てられたか、何らかの理由で母犬とはぐれたかで迷い犬となったところをあまり日にちをおかずに保護されたと考えるべきではないだろうか。
こうした推測が正しければ、嬉しいことにラテはオトーサンたちが心配するような野良犬として過酷な日々を長い間過ごしたわけではないことになる。
繰り返すが幼犬にとって一番大切な時期、母犬あるいは兄弟たちと一緒に生活していたとするならまさしくワンコらしい幼犬時期をそれなりに楽しく過ごしていたのかも知れない。
とはいえ最初の頃に気づいたことだが、オトーサンが手を頭の上にかざしたり、足でラテを跨ぐような動きをすると怖がって身を引く行動を示していた...。したがって短期間ではあるが、この野良犬の時代に虐待とまでは言わないまでも人間に叩かれたり、蹴られたりというような体験をし、それがトラウマになっていたのかも知れない。
いまでも気を許した人間は別だが、初対面の人が頭を撫でようとすると威嚇はしないものの怖がってか、すっと頭を引いてしまうことがある。

※朝露一杯の芝生で一休みするラテ。お腹は冷えないのか?
最後の興味はラテの母犬がどのようなワンコだったのか...だが、こればかりはどうにも調べようがない(笑)。
ラテの姿からその両親の犬種を正確に確定するのはできない相談だが、多分に両親共に雑種だったと思われる。目の色やマズルなどを見るとシェパードの血が入っているようにも思えるし、身体全体をぶつけ合って遊ぶ様子などはボーダーコリーみたいだし、前足の斑などを考えるとセター系の血も混じっているようにも思える。そして毛並みや耳の形状そして尻尾の様子を見るとシェルティーが混ざっているのは確実な感じもする。その動作は全体的に牧羊犬の血が濃いような気がしてならない...。
冒頭で記した「理想の犬の育て方」によれば、ワンコには犬種により特筆すべき性向もあるようだが、雑種の場合はその外観が似ている犬種の性向が最も強く出ると考えてよいらしい。
ラテの性格をより深く知りたいと、こんなラチもないことを考えて楽しんでいるオトーサンなのである。