ラテ飼育格闘日記(85)
2歳を過ぎたラテは毎日接しているオトーサンから見ても明らかに大人へと変身していくのが分かる。日々の行動や趣向が少しずつ変化しそれらにどのように対処したらよいか...オトーサンも毎日考え続けているのだ。
ワンコも当然のことながら個人差はあるだろうが、2歳あたりを契機にして行動が落ち着いてくる場合が多いという。あれだけ駆けずり回っていたのが遊ばなくなったり、物事に対しても一見興味を持たなくなったようにも見えるらしい。
ラテが我が家に来てしばらくの間、そのパワーの凄さにオトーサンは対処の仕方もわからず正直「えらいことをしてしまったか...」と思ったものだが、散歩の途中でお会いする飼い主さんらから「元気なうちが華ですよ。大人になり大人しくなってしまうとその頃が懐かしいものです」といわれ「そんなものなのか...」と不思議に思っていたが、最近は何となくそうしたことが感覚として分かってきたように思う。
いや...ラテはまだ仲間と取っ組み合いをして遊ぶし、木の葉が風に舞えば追いかける幼さを持っているが、全体的には随分と落ち着いてきたことを感じる。
ひとつには年齢というより我が家に来て一年半以上経つわけだから、ラテなりに周りの環境はもとより我が家の生活パターンやオトーサン達の性格なども分かってきたはずだ。そして見るもの聞くものがすべて新しいといった毎日ではなくなってくるのだから、その行動も自然に落ち着いたものになるに違いない。
例えば最初の一年間ほど、あれほど苦労した “咬み癖” が、あれは何だったのかと思うほどなくなった...。電気マッサージチェアの木製ハンドルはボロボロにされたのでタオルを巻いているが、いまでは忘れたように見向きもしない。またこれまでスリッパを何足壊したことか。
物の本では「甘噛みを放置していると大変だ。何故なら成犬になると甘噛みは確かになくなるがそれは本噛みに変わることになる」などと心配を煽るようなことも書いてあったが、幸いラテに本噛みされたことはいまだにないし、いまでも女房が履いているスリッパを狙うこともあるもののそれは単なる遊びに変わっている。どういうことかというと、女房が脱いだスリッパには興味を示さなくなってきたのである。
また散歩のとき、一番困ったのは拾い食いであった。ともかく落ちているものすべて...と思うほど、ゴミ類からタバコの吸い殻、瓶や缶、虫まで何でも口にする困ったチャンだった。最近も臭いの強いものには気を向けるし、草も食べる。そして落ちている小枝なども咥えるが、それらはあくまで遊びでありオモチャとして扱っているようだ。無論現在でも散歩のときには危険なものやバッチイものを口にしないように注意をしているが、以前ほど危ない感じではなくなった。

※女房の一挙一動を追いかけて遊びたがるラテ(笑)
それからワンコを飼うときの一番の問題は吠えることだろう。しかしもともとラテは無闇に吠えることはしないが、それでも出窓のたたきに座り込んで外を行き来する人たちや連れのワンコたちに向かって吠えている。嫌いなワンコや逆に気になるワンコが通ったり、郵便局員や宅配便のお兄さんたちが石段を上がってくると吠えるがオトーサンはそれがワンコなんだとあまり抑制するつもりはない。
変わった点といえば、ラテが出窓から覗いているとき、オトーサン自身がその前を通ったりするとラテは猛烈に吠えたり哀願の鳴き声を上げていた。やはりオトーサンが離れていくのは不安なのだろう。
近くのコンビニから5,6分で戻ると窓ガラスに顔を押しつけるようにしてまた吠えたものだが、最近はちょっと違うのである。オトーサンがわざと手を振りながら出窓の下を通って外出しても視線は心配そうにこちらを追い続けるが感心に吠えなくなった。これは出かけても間違いなく戻ってくることを学習し確信したからなのだろう。しかしまだまだ多少は心配しているようで、戻ってラテのいる部屋に入ると尻尾を振って歓迎してくれる...。
こうしたいわゆる問題行動が減少したこと以上にラテの成長を感じるのは興味の対象が常に新しい事へと向くようになったことだ。例えば毎日の散歩はオトーサン主導で行う。散歩のコースはもとよりどこで一休みするかもオトーサンが決めることになっている。
最初はラテもリードの引きが強かったが次第にこちらの意図が分かってきたようで、オトーサンの左や右にきちんと着いて歩くようになった。
犬がいたり猫が横切ったり、カラスが挑発するかのように低空飛行でもするとラテはリードを強く引くが総じて楽な散歩にはなってきた。それが2歳を過ぎる前後からちょっと様子が変わってきたのである。
それはオトーサンが作った散歩コース...5種類ほどあるのだが、そのコース以外の新しい道、新しい場所へ行きたがるようになり、当然その時にはリードを引くようになった。

※散歩も一般的には聞き分けもよくよい子に育った
物の本によれば、リードを引くのは飼い主でなければならずワンコにリードを引かれてあちらこちらと歩き回るのはリーダーシップをワンコに託したことになるという。そうしたことにならないためにもオトーサンが散歩コースを決め、それに従わせてきたのだがここのところどうもラテの様子が違ってきた。
先日の朝の散歩時も途中までいつもの道を淡々と歩いていたが、ふと右にある石段へ登りたがる...。オトーサンはそちらを指さし「こっちへ行きたいか?」とラテに問うがラテはハアハアと息を荒くして行きたがるばかり...。
まあ、たまにはいいかと階段を上り始めたが、どうやらラテの目的は階段そのものではなくその左側に沿って上に階段ピラミッドみたいに伸びるコンクリートの壁のようなのだ。階段からそちらに移るには簡単な手すりを超えなければならないので、一計を案じ一端階端を下り、角度が30度程度あると思われるコンクリートの坂を「ラテ、いくぞ!」と声をかけて一緒に駆け上がった。
下の舗道を歩いていた数人の人たちは「なにバカやってんだか...」といった視線を送るが、オトーサンはラテと楽しむことに専念しているので今更他人の視線など気にしないのだ(笑)。ただし怪我をしないようにと注意をしたつもりだが、3メートルほど登って平らな部分に落ち着き、しばらくしてまたラテと共に駆け下りた。
舗道に下り、ラテと眼を合わせるとラテは何とも言えないよい表情をしている。そしてオトーサンの右足に鼻先を密着してきたので、屈んで顔を強く撫でてあげるとマズルを開けて喜んでいる。
明らかにこれまで体験したことのないこと、それも自分がやってみたいことをオトーサンと共有した喜びを表情で表しているようだ。

※散歩の後、疲れたのか床の涼しいところを見つけて爆睡する
とはいえラテの思う通りに歩いていてはいつ帰宅できるか分からないし危険な場所に入り込むことになるかも知れず、注意をしなければならない。しかしまず安全だと思う場所であるとき、少しはラテの意志を尊重してあげようかと思っている。
確かにラテは活発で利発だと親ばか承知で確信しているが、間抜けというか滑稽な部分も持っている。
先日のことだが朝、女房の出勤に合わせてラテと一緒に家を出た。ガードレールに沿って少々上り坂の舗道を歩いていたとき、ラテはしゃがみ込んでオシッコを始めた。朝一のオシッコでもあり申し訳ないことに量が多い...。そこが坂道だったためにラテは自分の後ろ足をオシッコで濡らし、坂道を流れていくオシッコを振り返った...。振り返ったまま歩き始めたラテだったが途端に「ゴーン」という音と共に頭をガードレールの支柱にぶつけたのである。
「ワンコがよそ見して頭をぶつけるかぁ!?」とオトーサン達は大笑いしてラテをはやし立てるとラテもばつの悪そうな顔をしている。笑ってばかりいては可哀想だからと「痛くなかったか?」と頭を撫でるとその頭をオトーサンの足にすり寄せてきた...。
ワンコも当然のことながら個人差はあるだろうが、2歳あたりを契機にして行動が落ち着いてくる場合が多いという。あれだけ駆けずり回っていたのが遊ばなくなったり、物事に対しても一見興味を持たなくなったようにも見えるらしい。
ラテが我が家に来てしばらくの間、そのパワーの凄さにオトーサンは対処の仕方もわからず正直「えらいことをしてしまったか...」と思ったものだが、散歩の途中でお会いする飼い主さんらから「元気なうちが華ですよ。大人になり大人しくなってしまうとその頃が懐かしいものです」といわれ「そんなものなのか...」と不思議に思っていたが、最近は何となくそうしたことが感覚として分かってきたように思う。
いや...ラテはまだ仲間と取っ組み合いをして遊ぶし、木の葉が風に舞えば追いかける幼さを持っているが、全体的には随分と落ち着いてきたことを感じる。
ひとつには年齢というより我が家に来て一年半以上経つわけだから、ラテなりに周りの環境はもとより我が家の生活パターンやオトーサン達の性格なども分かってきたはずだ。そして見るもの聞くものがすべて新しいといった毎日ではなくなってくるのだから、その行動も自然に落ち着いたものになるに違いない。
例えば最初の一年間ほど、あれほど苦労した “咬み癖” が、あれは何だったのかと思うほどなくなった...。電気マッサージチェアの木製ハンドルはボロボロにされたのでタオルを巻いているが、いまでは忘れたように見向きもしない。またこれまでスリッパを何足壊したことか。
物の本では「甘噛みを放置していると大変だ。何故なら成犬になると甘噛みは確かになくなるがそれは本噛みに変わることになる」などと心配を煽るようなことも書いてあったが、幸いラテに本噛みされたことはいまだにないし、いまでも女房が履いているスリッパを狙うこともあるもののそれは単なる遊びに変わっている。どういうことかというと、女房が脱いだスリッパには興味を示さなくなってきたのである。
また散歩のとき、一番困ったのは拾い食いであった。ともかく落ちているものすべて...と思うほど、ゴミ類からタバコの吸い殻、瓶や缶、虫まで何でも口にする困ったチャンだった。最近も臭いの強いものには気を向けるし、草も食べる。そして落ちている小枝なども咥えるが、それらはあくまで遊びでありオモチャとして扱っているようだ。無論現在でも散歩のときには危険なものやバッチイものを口にしないように注意をしているが、以前ほど危ない感じではなくなった。

※女房の一挙一動を追いかけて遊びたがるラテ(笑)
それからワンコを飼うときの一番の問題は吠えることだろう。しかしもともとラテは無闇に吠えることはしないが、それでも出窓のたたきに座り込んで外を行き来する人たちや連れのワンコたちに向かって吠えている。嫌いなワンコや逆に気になるワンコが通ったり、郵便局員や宅配便のお兄さんたちが石段を上がってくると吠えるがオトーサンはそれがワンコなんだとあまり抑制するつもりはない。
変わった点といえば、ラテが出窓から覗いているとき、オトーサン自身がその前を通ったりするとラテは猛烈に吠えたり哀願の鳴き声を上げていた。やはりオトーサンが離れていくのは不安なのだろう。
近くのコンビニから5,6分で戻ると窓ガラスに顔を押しつけるようにしてまた吠えたものだが、最近はちょっと違うのである。オトーサンがわざと手を振りながら出窓の下を通って外出しても視線は心配そうにこちらを追い続けるが感心に吠えなくなった。これは出かけても間違いなく戻ってくることを学習し確信したからなのだろう。しかしまだまだ多少は心配しているようで、戻ってラテのいる部屋に入ると尻尾を振って歓迎してくれる...。
こうしたいわゆる問題行動が減少したこと以上にラテの成長を感じるのは興味の対象が常に新しい事へと向くようになったことだ。例えば毎日の散歩はオトーサン主導で行う。散歩のコースはもとよりどこで一休みするかもオトーサンが決めることになっている。
最初はラテもリードの引きが強かったが次第にこちらの意図が分かってきたようで、オトーサンの左や右にきちんと着いて歩くようになった。
犬がいたり猫が横切ったり、カラスが挑発するかのように低空飛行でもするとラテはリードを強く引くが総じて楽な散歩にはなってきた。それが2歳を過ぎる前後からちょっと様子が変わってきたのである。
それはオトーサンが作った散歩コース...5種類ほどあるのだが、そのコース以外の新しい道、新しい場所へ行きたがるようになり、当然その時にはリードを引くようになった。

※散歩も一般的には聞き分けもよくよい子に育った
物の本によれば、リードを引くのは飼い主でなければならずワンコにリードを引かれてあちらこちらと歩き回るのはリーダーシップをワンコに託したことになるという。そうしたことにならないためにもオトーサンが散歩コースを決め、それに従わせてきたのだがここのところどうもラテの様子が違ってきた。
先日の朝の散歩時も途中までいつもの道を淡々と歩いていたが、ふと右にある石段へ登りたがる...。オトーサンはそちらを指さし「こっちへ行きたいか?」とラテに問うがラテはハアハアと息を荒くして行きたがるばかり...。
まあ、たまにはいいかと階段を上り始めたが、どうやらラテの目的は階段そのものではなくその左側に沿って上に階段ピラミッドみたいに伸びるコンクリートの壁のようなのだ。階段からそちらに移るには簡単な手すりを超えなければならないので、一計を案じ一端階端を下り、角度が30度程度あると思われるコンクリートの坂を「ラテ、いくぞ!」と声をかけて一緒に駆け上がった。
下の舗道を歩いていた数人の人たちは「なにバカやってんだか...」といった視線を送るが、オトーサンはラテと楽しむことに専念しているので今更他人の視線など気にしないのだ(笑)。ただし怪我をしないようにと注意をしたつもりだが、3メートルほど登って平らな部分に落ち着き、しばらくしてまたラテと共に駆け下りた。
舗道に下り、ラテと眼を合わせるとラテは何とも言えないよい表情をしている。そしてオトーサンの右足に鼻先を密着してきたので、屈んで顔を強く撫でてあげるとマズルを開けて喜んでいる。
明らかにこれまで体験したことのないこと、それも自分がやってみたいことをオトーサンと共有した喜びを表情で表しているようだ。

※散歩の後、疲れたのか床の涼しいところを見つけて爆睡する
とはいえラテの思う通りに歩いていてはいつ帰宅できるか分からないし危険な場所に入り込むことになるかも知れず、注意をしなければならない。しかしまず安全だと思う場所であるとき、少しはラテの意志を尊重してあげようかと思っている。
確かにラテは活発で利発だと親ばか承知で確信しているが、間抜けというか滑稽な部分も持っている。
先日のことだが朝、女房の出勤に合わせてラテと一緒に家を出た。ガードレールに沿って少々上り坂の舗道を歩いていたとき、ラテはしゃがみ込んでオシッコを始めた。朝一のオシッコでもあり申し訳ないことに量が多い...。そこが坂道だったためにラテは自分の後ろ足をオシッコで濡らし、坂道を流れていくオシッコを振り返った...。振り返ったまま歩き始めたラテだったが途端に「ゴーン」という音と共に頭をガードレールの支柱にぶつけたのである。
「ワンコがよそ見して頭をぶつけるかぁ!?」とオトーサン達は大笑いしてラテをはやし立てるとラテもばつの悪そうな顔をしている。笑ってばかりいては可哀想だからと「痛くなかったか?」と頭を撫でるとその頭をオトーサンの足にすり寄せてきた...。