ラテ飼育格闘日記(71)
女房が足がつって痛いと言い出したのは大分以前のことだったが、突然その足を引きずるようになってしまった。医者から戻ったその足には何とギブスをしていた...。実は軽い肉離れだったというが、原因はラテの散歩しか考えられない。
ウィークディの朝晩の散歩はオトーサンの役目である。自由業だからこそ出来ることではあるが、仕事でどうしても都合がつかない場合以外あるいは希にラテ自身が外に出たくないという意志でも見せない限り、台風であろうと雪が降ろうと出かけることになる。まあワンコに散歩は不可欠だと考えているし、ウンチは外でしかしないからでもある。なによりもオトーサンは自分から言い出してラテを飼い始めたのだからその責任と義務をまっとうしなければならないと思っているわけだ。
それに野村獣医科病院長の野村潤一郎著「犬に関する100問100答」によれば、ワンコは暇なとき90%は飼い主との散歩のことを考えているという。後の10%は食べ物のことらしい。いずれにしてもそれだけ楽しみにしている散歩を放り出すわけにはいかないではないか。

※散歩道は桜が散ってピンクの絨毯が続いている
ところで一般的に「散歩」と聞けば、風景でも見ながらゆっくり歩くというイメージがあるかも知れないが、実はワンコとの散歩は思ったより体力的に過酷である。オトーサンとラテが1年以上かかって作り出した散歩コースメニューはいくつかある。ただしそれらを朝晩こなすとなれば有に7,8キロは歩くことになる。それもラテのリードを引きながらだからなかなか大変なのだ。
しかしラテにしても我が家に来た時期と比べればリードを引くことも大変少なくなりオトーサンとしては楽になったと思っている。
ラテは家を飛び出た時や前方にワンコや雀などがいるとアドレナリンが出るのだろうか(笑)、リードを引っ張ることがあるが通常はオトーサンの右や左に付いてまずまず大人しく歩くのが常である。
とはいえ時には道ばたの草花を摘んだり、落ちているものを咥えたり、風に舞う桜の花びらを追いかけたりするからまだまだ安心するわけにはいかない。それにひとたび公園に入り、仲間のワンコたちと気が合えば当然のことながら走り回ったりレスリング同然の取っ組み合いをする。5メートルほどのリードは付けたままだがラテが走ればオトーサンも走らなければならない。また仲間がいないときには持参のボールを使って遊んだりもするが、これまたかなりの体力を必要とする。大体が一度の散歩は時間にして1時間半から2時間に及ぶからオトーサンの足には湿布が絶えない(笑)。

※桜の木々を背景に笑顔で遊ぶラテ
ただし土曜日と日曜日あるいは祭日になると散歩のリードは女房担当になる。オトーサンはデジカメを手にして歩き回るだけなので多少楽が出来るわけだ。
さてワンコを飼っている方はよくご存じだが、ワンコという頭の良い生き物はリードを持つ相手によって態度が変わる。オトーサンとの散歩のときには優等生でもリードを持つのが女房だとその引き方が俄然強くなるようだ。第一ラテの女房に対する態度や接し方を観察しているとオトーサンとはまったく違う。女房が帰ってきたときの喜び方はオトーサンの場合の比ではないし、見ていて微笑ましいほどだ。しかしその喜びようを単純に「ママが帰ってきたから嬉しい」と受け取ってよいかといえばなかなかそう単純なものではないらしい...。
ラテ側から見たらオトーサンは群れのリーダーだとしても女房は仲間か、もしかしたらラテは自分が保護しなければならない相手と思っているのかも知れない。だからリードを引くのは自分がリーダーシップを取ろうとする現れなのだろうか、女房のリードとなるとかなり勝手な動きをするためその制御はなかなか大変なのである。そしてラテにつられて本来走らなくてもよいところを走ったりしている。
問題は肉離れの原因である。彼女がスポーツをする人間ならそうしたことが原因なのかもと思うだろう。しかし女房はスポーツと名が付くものはまったくやらない人間であり、脹ら脛が肉離れになる原因は考えるまでもなく毎週の散歩しかあり得ない...。
いま思えばしばらく前から寝ていて足がつると言い出した。しかし会社の健康診断では幸い異常な箇所はなく、単なる疲れだと軽く考えていたが突然脹ら脛が硬直し痛くてまともに歩けなくなってしまったのである。足を引きずりながら医者に行ったが、帰りには...嗚呼...ギブスをはめられ包帯ぐるぐる巻きになった足を引きずって戻ってきた。

※嗚呼...なんじゃこれ!
肉離れとなれば2,3日で完治するものではない。これではしばらくの間、土日もラテの散歩はオトーサンの役割にならざるを得なくなりオトーサンの体力配分も考えなければならない。
ただしラテとの散歩は無論プラス面も主張しておかなければ不公平になるだろう。プラス面とは単に面白いとか楽しいということではなく、女房はラテが我が家に来てから1年4ヶ月になる現在、体重が7キロ減量できたとのこと。これは大きいではないか。それも無理してダイエットし体重を急激に減らしたのではなく少しずつ減量していったわけだから健康にもよいはずだ。しかしそのツケが今回の肉離れになってしまったようだ。
さて、女房が医者に行ったのは土曜日だった。そして翌々日の月曜日、女房は通勤のため早めに家を出た。何故ならギブスをはめた足ではいつもの三分の一以下のスピードでしか歩けないからだ。女房が辛いのは勿論だが、その歩くスピードに合わせてオトーサンとラテが歩くのもなかなか辛いものがある。オトーサンはまだしもラテはリードを引っ張るのではないかと思ったが、こちらの歩幅に合わせかつ女房の歩き方がいつもと違うからだろう、いたわるようにスカートにまとわりついたり顔を見上げている。
感動したのはその翌朝の出来事である。その日は朝から強い雨と風が吹いていた。この悪天候の中、ギブスを巻いた足で駅まで歩くのは大変だが、こればかりは仕方がない。オトーサンは傘を差してラテのリードを引きつつ女房のサポートをするという覚悟で準備を始めた。女房の支度ができたのでオトーサンはラテにレインコートを着せて連れ出そうとリードを持って「ラテ!散歩だよ」と声をかけた。普通なら喜んで飛んでくるのに出てこない...。どうしたかとリビングをのぞき込むと、何とラテはすでにハウスに入り込んで寝そべっているではないか。明らかに「散歩に出たくない」という意思表示なのである。
雨だからということもあるのだろうが、雨でも喜んで出かけるのが普通なのだ。
ラテの顔をのぞき込んだオトーサンには「私は留守番してるからゆっくり2人で行ってらっしゃい」と言っているように思えた。愛犬に気を使わせたようで強い雨風を受けながらもオトーサンは駅までの道のり笑みが絶えなかった。
ウィークディの朝晩の散歩はオトーサンの役目である。自由業だからこそ出来ることではあるが、仕事でどうしても都合がつかない場合以外あるいは希にラテ自身が外に出たくないという意志でも見せない限り、台風であろうと雪が降ろうと出かけることになる。まあワンコに散歩は不可欠だと考えているし、ウンチは外でしかしないからでもある。なによりもオトーサンは自分から言い出してラテを飼い始めたのだからその責任と義務をまっとうしなければならないと思っているわけだ。
それに野村獣医科病院長の野村潤一郎著「犬に関する100問100答」によれば、ワンコは暇なとき90%は飼い主との散歩のことを考えているという。後の10%は食べ物のことらしい。いずれにしてもそれだけ楽しみにしている散歩を放り出すわけにはいかないではないか。

※散歩道は桜が散ってピンクの絨毯が続いている
ところで一般的に「散歩」と聞けば、風景でも見ながらゆっくり歩くというイメージがあるかも知れないが、実はワンコとの散歩は思ったより体力的に過酷である。オトーサンとラテが1年以上かかって作り出した散歩コースメニューはいくつかある。ただしそれらを朝晩こなすとなれば有に7,8キロは歩くことになる。それもラテのリードを引きながらだからなかなか大変なのだ。
しかしラテにしても我が家に来た時期と比べればリードを引くことも大変少なくなりオトーサンとしては楽になったと思っている。
ラテは家を飛び出た時や前方にワンコや雀などがいるとアドレナリンが出るのだろうか(笑)、リードを引っ張ることがあるが通常はオトーサンの右や左に付いてまずまず大人しく歩くのが常である。
とはいえ時には道ばたの草花を摘んだり、落ちているものを咥えたり、風に舞う桜の花びらを追いかけたりするからまだまだ安心するわけにはいかない。それにひとたび公園に入り、仲間のワンコたちと気が合えば当然のことながら走り回ったりレスリング同然の取っ組み合いをする。5メートルほどのリードは付けたままだがラテが走ればオトーサンも走らなければならない。また仲間がいないときには持参のボールを使って遊んだりもするが、これまたかなりの体力を必要とする。大体が一度の散歩は時間にして1時間半から2時間に及ぶからオトーサンの足には湿布が絶えない(笑)。

※桜の木々を背景に笑顔で遊ぶラテ
ただし土曜日と日曜日あるいは祭日になると散歩のリードは女房担当になる。オトーサンはデジカメを手にして歩き回るだけなので多少楽が出来るわけだ。
さてワンコを飼っている方はよくご存じだが、ワンコという頭の良い生き物はリードを持つ相手によって態度が変わる。オトーサンとの散歩のときには優等生でもリードを持つのが女房だとその引き方が俄然強くなるようだ。第一ラテの女房に対する態度や接し方を観察しているとオトーサンとはまったく違う。女房が帰ってきたときの喜び方はオトーサンの場合の比ではないし、見ていて微笑ましいほどだ。しかしその喜びようを単純に「ママが帰ってきたから嬉しい」と受け取ってよいかといえばなかなかそう単純なものではないらしい...。
ラテ側から見たらオトーサンは群れのリーダーだとしても女房は仲間か、もしかしたらラテは自分が保護しなければならない相手と思っているのかも知れない。だからリードを引くのは自分がリーダーシップを取ろうとする現れなのだろうか、女房のリードとなるとかなり勝手な動きをするためその制御はなかなか大変なのである。そしてラテにつられて本来走らなくてもよいところを走ったりしている。
問題は肉離れの原因である。彼女がスポーツをする人間ならそうしたことが原因なのかもと思うだろう。しかし女房はスポーツと名が付くものはまったくやらない人間であり、脹ら脛が肉離れになる原因は考えるまでもなく毎週の散歩しかあり得ない...。
いま思えばしばらく前から寝ていて足がつると言い出した。しかし会社の健康診断では幸い異常な箇所はなく、単なる疲れだと軽く考えていたが突然脹ら脛が硬直し痛くてまともに歩けなくなってしまったのである。足を引きずりながら医者に行ったが、帰りには...嗚呼...ギブスをはめられ包帯ぐるぐる巻きになった足を引きずって戻ってきた。

※嗚呼...なんじゃこれ!
肉離れとなれば2,3日で完治するものではない。これではしばらくの間、土日もラテの散歩はオトーサンの役割にならざるを得なくなりオトーサンの体力配分も考えなければならない。
ただしラテとの散歩は無論プラス面も主張しておかなければ不公平になるだろう。プラス面とは単に面白いとか楽しいということではなく、女房はラテが我が家に来てから1年4ヶ月になる現在、体重が7キロ減量できたとのこと。これは大きいではないか。それも無理してダイエットし体重を急激に減らしたのではなく少しずつ減量していったわけだから健康にもよいはずだ。しかしそのツケが今回の肉離れになってしまったようだ。
さて、女房が医者に行ったのは土曜日だった。そして翌々日の月曜日、女房は通勤のため早めに家を出た。何故ならギブスをはめた足ではいつもの三分の一以下のスピードでしか歩けないからだ。女房が辛いのは勿論だが、その歩くスピードに合わせてオトーサンとラテが歩くのもなかなか辛いものがある。オトーサンはまだしもラテはリードを引っ張るのではないかと思ったが、こちらの歩幅に合わせかつ女房の歩き方がいつもと違うからだろう、いたわるようにスカートにまとわりついたり顔を見上げている。
感動したのはその翌朝の出来事である。その日は朝から強い雨と風が吹いていた。この悪天候の中、ギブスを巻いた足で駅まで歩くのは大変だが、こればかりは仕方がない。オトーサンは傘を差してラテのリードを引きつつ女房のサポートをするという覚悟で準備を始めた。女房の支度ができたのでオトーサンはラテにレインコートを着せて連れ出そうとリードを持って「ラテ!散歩だよ」と声をかけた。普通なら喜んで飛んでくるのに出てこない...。どうしたかとリビングをのぞき込むと、何とラテはすでにハウスに入り込んで寝そべっているではないか。明らかに「散歩に出たくない」という意思表示なのである。
雨だからということもあるのだろうが、雨でも喜んで出かけるのが普通なのだ。
ラテの顔をのぞき込んだオトーサンには「私は留守番してるからゆっくり2人で行ってらっしゃい」と言っているように思えた。愛犬に気を使わせたようで強い雨風を受けながらもオトーサンは駅までの道のり笑みが絶えなかった。