ラテ飼育格闘日記(63)
先日NHKの教育テレビで「犬ってすごい!」という番組が放映された。海外で製作されたものだが最新の情報を交え、犬とはどのような生き物なのかについて興味深い取り組みをしていた。
犬とひと言でいってもご承知のように多種多様な犬種が存在する。下は体重が1Kg未満のチワワから、上は100Kgを超えるマスティフといったワンコがいる。しかしすべてのワンコは「カニス・ファミリアリス」という学名を持つ遺伝子レベルではひとつの種である。大きさだけでなく、外見や気性などなどこれほど変化に富んだ種は他にないという。
ではなぜこれほどまでに多種多様なワンコが存在するのか?
それは我々人間が作り上げたからだ。現在の犬種の80%は130年前までは存在しなかったという。

※NHKの教育TVで放映された「犬ってすごい!」のタイトル。凄い手抜きに思えるが番組自体はなかなか面白かった(笑)
番組冒頭ではイノシシを追い払いうために創り出されたという究極の狩猟犬ドゴ・アルヘンティーノが登場する。ドゴ・アルヘンティーノは狼のようにチームを組んで仕事をするがその勇敢さは人間が作り上げたものだ。イノシシを追うその姿は凶暴そのものだが、家に戻って子供の足元でうずくまる姿はまさしくペットである...。
番組は人間が新しい犬種を作り出した格好の例としていかにしてドゴ・アルヘンティーノが作り出されたかを興味深く解説する。
続いてワンコの特異な能力を解説する。麻薬や爆発物を探し出すといった能力はよく知られているが、初期癌を発見する能力に注目が集まっているという。その類のことはスタンレー・コレン著の本にも紹介されていたが、それによれば、飼い主の奥さんのからだにあった黒いアザに飼い犬が噛みつく姿を見て念のためと精密検査をした所、それは発見が遅れたら命にかかわる悪性の皮膚癌だったという話だ。
同種の話は最近テレビのニュースでも伝えられたので記憶されている方もいるかも知れない。それはワンコでなく猫だが、病院で飼っているその猫が死亡する患者の前では身体を丸めて横になるという話し...。したがって病院の職員は猫の様子を見て直ちに患者の家族を呼び寄せるという。まあ、話の真意はよくわからないが見映えは元気でも死期が近づくと人間の臭いが違ってくるのかも知れないし、先の例では人間には分からないが皮膚癌の部分の臭いがワンコにとっては特別なものなのかも知れない。
ワンコの嗅覚が優れていることはよく知られているが、そのメカニズムも面白い。まさしく我々は視覚で世界を立体視し分析および認識するが、ワンコは同じことを嗅覚で認知しているものといえる。
人間は長い間さまざまな犬種を作り出すためにワンコの生体に手を加えてきたが、すでにワンコのゲノムすなわち遺伝子情報はすべて解読されている。そして番組では新しい種を作り出してきた弊害も紹介している。なぜなら純血種同士の交配の結果、特定の犬種には特定の疾病が生じるケースがあるとのこと。番組中で紹介されたブル・テリアは生後9ヶ月のときから自分の尻尾を追い回してくるくると回りっぱなしになる病気にかかったが、その原因は人間にあるという。
そもそもブル・テリアは1830年代にブルドッグとイングリッシュ・テリアを交配して作り出された。そして数年後により大きくするためにポインターが加えられる。その過程で狩猟本能に機縁するこうした病が発生することになったと考えられているそうだ...。現在は薬で症状を抑えているというが、見ていて胸が痛くなる。
さて番組で一番興味深かったのは狼と犬との比較である。番組中では犬の祖先は狼であると言い切っているが、実際にはそんなに単純なものではないらしい。それはともかく人に飼い慣らされた狼でも犬との差は大きなものがあることがあらためて分かって興味深かった。
その違いをひと言でいうなら、犬はよい意味で人間異存の生き物だということだ。飼い主という存在を常に認識してその一挙一動を観察し、そこから情報を得ようとする。

※雪だるまと戯れるラテ
番組では檻の中に餌を入れてそれを狼と犬とでどのような対応をするかを追った。餌は檻の中で固定されて動かず、狼は餌を得ることが出来ない。あれこれやってもダメなので狼は次第にいらいらしてくる。後は諦めるしかないわけだが犬は同じ環境下におかれてもその対応がまったく違うのだ。なぜなら犬も狼と同じように檻の回りで餌を得るためにあれこれ努力するが、ダメだと判断すると人間の側まで歩み寄り、見上げて餌をくれという哀願の眼差しをする。
愛犬家なら、ワンコが自分の脇でこちらを見上げて哀願の目つきをされれば思わずおやつのひとつもあげたくなるというものだ。無論ワンコは目的を達成する(笑)。
こうしてワンコと人間は太古の昔から生活圏を一緒にして生きてきたわけで、まさしく人類最古の友なのだ。

※このラテのおかしな目つきはオトーサンに叱られつつも、上空を舞うハトの大群に気持ちが向かってしまったから...(笑)
そう、オトーサンはテレビ番組を見終えたので階下のリビングルームへラテの様子を見に行った。ラテは大ぶりの電動マッサージチェアにうずくまって寝ていたが、オトーサンの気配に気づいて頭だけこちらに向ける...。その顔は眠そうでいかにもリラックスしたものだったがそのまま「アン!」といった甘えた声を発した。
オトーサンは腕を回してラテの頭を抱え込むとラテはそのまま静かに目をつむってまたまた寝始めた...。オトーサンは腕を抜くのをはばかられ、しばらくそのままラテの寝顔を眺めていた...。
犬とひと言でいってもご承知のように多種多様な犬種が存在する。下は体重が1Kg未満のチワワから、上は100Kgを超えるマスティフといったワンコがいる。しかしすべてのワンコは「カニス・ファミリアリス」という学名を持つ遺伝子レベルではひとつの種である。大きさだけでなく、外見や気性などなどこれほど変化に富んだ種は他にないという。
ではなぜこれほどまでに多種多様なワンコが存在するのか?
それは我々人間が作り上げたからだ。現在の犬種の80%は130年前までは存在しなかったという。

※NHKの教育TVで放映された「犬ってすごい!」のタイトル。凄い手抜きに思えるが番組自体はなかなか面白かった(笑)
番組冒頭ではイノシシを追い払いうために創り出されたという究極の狩猟犬ドゴ・アルヘンティーノが登場する。ドゴ・アルヘンティーノは狼のようにチームを組んで仕事をするがその勇敢さは人間が作り上げたものだ。イノシシを追うその姿は凶暴そのものだが、家に戻って子供の足元でうずくまる姿はまさしくペットである...。
番組は人間が新しい犬種を作り出した格好の例としていかにしてドゴ・アルヘンティーノが作り出されたかを興味深く解説する。
続いてワンコの特異な能力を解説する。麻薬や爆発物を探し出すといった能力はよく知られているが、初期癌を発見する能力に注目が集まっているという。その類のことはスタンレー・コレン著の本にも紹介されていたが、それによれば、飼い主の奥さんのからだにあった黒いアザに飼い犬が噛みつく姿を見て念のためと精密検査をした所、それは発見が遅れたら命にかかわる悪性の皮膚癌だったという話だ。
同種の話は最近テレビのニュースでも伝えられたので記憶されている方もいるかも知れない。それはワンコでなく猫だが、病院で飼っているその猫が死亡する患者の前では身体を丸めて横になるという話し...。したがって病院の職員は猫の様子を見て直ちに患者の家族を呼び寄せるという。まあ、話の真意はよくわからないが見映えは元気でも死期が近づくと人間の臭いが違ってくるのかも知れないし、先の例では人間には分からないが皮膚癌の部分の臭いがワンコにとっては特別なものなのかも知れない。
ワンコの嗅覚が優れていることはよく知られているが、そのメカニズムも面白い。まさしく我々は視覚で世界を立体視し分析および認識するが、ワンコは同じことを嗅覚で認知しているものといえる。
人間は長い間さまざまな犬種を作り出すためにワンコの生体に手を加えてきたが、すでにワンコのゲノムすなわち遺伝子情報はすべて解読されている。そして番組では新しい種を作り出してきた弊害も紹介している。なぜなら純血種同士の交配の結果、特定の犬種には特定の疾病が生じるケースがあるとのこと。番組中で紹介されたブル・テリアは生後9ヶ月のときから自分の尻尾を追い回してくるくると回りっぱなしになる病気にかかったが、その原因は人間にあるという。
そもそもブル・テリアは1830年代にブルドッグとイングリッシュ・テリアを交配して作り出された。そして数年後により大きくするためにポインターが加えられる。その過程で狩猟本能に機縁するこうした病が発生することになったと考えられているそうだ...。現在は薬で症状を抑えているというが、見ていて胸が痛くなる。
さて番組で一番興味深かったのは狼と犬との比較である。番組中では犬の祖先は狼であると言い切っているが、実際にはそんなに単純なものではないらしい。それはともかく人に飼い慣らされた狼でも犬との差は大きなものがあることがあらためて分かって興味深かった。
その違いをひと言でいうなら、犬はよい意味で人間異存の生き物だということだ。飼い主という存在を常に認識してその一挙一動を観察し、そこから情報を得ようとする。

※雪だるまと戯れるラテ
番組では檻の中に餌を入れてそれを狼と犬とでどのような対応をするかを追った。餌は檻の中で固定されて動かず、狼は餌を得ることが出来ない。あれこれやってもダメなので狼は次第にいらいらしてくる。後は諦めるしかないわけだが犬は同じ環境下におかれてもその対応がまったく違うのだ。なぜなら犬も狼と同じように檻の回りで餌を得るためにあれこれ努力するが、ダメだと判断すると人間の側まで歩み寄り、見上げて餌をくれという哀願の眼差しをする。
愛犬家なら、ワンコが自分の脇でこちらを見上げて哀願の目つきをされれば思わずおやつのひとつもあげたくなるというものだ。無論ワンコは目的を達成する(笑)。
こうしてワンコと人間は太古の昔から生活圏を一緒にして生きてきたわけで、まさしく人類最古の友なのだ。

※このラテのおかしな目つきはオトーサンに叱られつつも、上空を舞うハトの大群に気持ちが向かってしまったから...(笑)
そう、オトーサンはテレビ番組を見終えたので階下のリビングルームへラテの様子を見に行った。ラテは大ぶりの電動マッサージチェアにうずくまって寝ていたが、オトーサンの気配に気づいて頭だけこちらに向ける...。その顔は眠そうでいかにもリラックスしたものだったがそのまま「アン!」といった甘えた声を発した。
オトーサンは腕を回してラテの頭を抱え込むとラテはそのまま静かに目をつむってまたまた寝始めた...。オトーサンは腕を抜くのをはばかられ、しばらくそのままラテの寝顔を眺めていた...。