ラテ飼育格闘日記(58)

ラテの夢を2日続けて見た...。初日の内容はまったく記憶が曖昧模糊として思い出せないもののオトーサンの気持ちを疲れさせるものだったことは確かだ。そして2日目の夢はこれまた曖昧だが何かの出来事でラテと離ればなれになった夢だった。 


夢の話などしてもあまり意味はないかも知れないが、オトーサンの深層心理に何らかの不安材料が巣くっていたのかも知れない。初日の夢はそのほとんどを思い出せないが、確実なのはハッピーな夢ではなかったことだ。ラテに関することでオトーサンが心配しているといった夢で、いわゆる寝覚めのよくない夢だった。 
これに比べると2日目の夢は少し覚えている。何かの事件がありオトーサンはラテと離ればなれになってしまうのだ(笑)。オトーサンはラテと別れた場所付近を探し回り、やっと木製の大きな門みたいなところにつながれているラテを発見する。そのラテの毛が明るいオレンジ色に輝いていたこともはっきり記憶に残っている。巡り会った2人は抱き合って喜ぶが、その温もりとオトーサンの左肩に乗ったラテの表情が夢とはいえ妙にリアルに思い出せる。ラテは喜びと安心感からかうっすらと涙を流していたと思う...。 

まあ、これは夢の話だからしてその後何にも無ければ忘却の彼方に忘れ去られるわけだが、今回はちょっと正夢っぽいことがあったので思い出した次第。 
後付の理窟になってしまうが、何か異変の前兆と思われることがあった。それはラテが我が家に来て初めて散歩を一回休んだことだ。これまで時間的な前後はあっても朝晩の散歩は台風でも休んだことはなかった。それが1月7日の午後になって雨がぱらつき、夕方の散歩に出かける時刻には本降りとなっていた。しかし雨でも散歩を休まないのがオトーサンとラテの契約である(笑)。とはいえ正直にいえば、この数週間オトーサンの足首と膝に痛みがあり、風呂でマッサージしたりしながら我慢して散歩を続けてきた。だから本音は一日、いや一回くらい休みたいな...そうすれば足の疲れも取れるかもしれないなどと頭のどこかで考えていた。 

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※散歩の途中で眺めた新春に相応しい朝焼けの赤富士


簡単なレインコートを着せて玄関のドアを開け外に出る。しかしラテの行動がどこかいつもと違うと思ったら、いま閉めたドアの隙間をクンクンし、片手をかけているのだ。「あれっ、行きたくないのかな」と思いながらオトーサンが施錠前のドアを少し開けるとどうしたことかラテは進んで玄関に入ってしまった(笑)。 
ラテはどうやら出たくない意思表示だし、雨も降っているし、オトーサンの足も痛い。ということで初めて散歩の一回ぬかしを決め込んだのだった。なんて親思いの娘だと思いながらも首を傾げたオトーサンだった...。 

翌日の朝は勿論、夕方の散歩もラテは元気よく飛び出した。しかしラテにとってこれまで経験したことのないアクシデントが待っていた! 
いつもの公園にはお馴染みのワンコたちが集まってきた。ラテも相変わらず飼い主さんたちの間をご機嫌伺いに回りつつ、オヤツをいただいていたりする。しばらくするとこれまで遊んだことのないワンコがリードもなくラテの前に現れた。遊び仲間ではなく以前にもガウガウと威嚇をしあったワンコだからラテのリードを引こうとした間一髪噛み合いになった。ラテのリードを引いたものの相手はフリーだったので制御ができなかった。逆にリードを引いたためにラテは思い通りの防御も反撃もできなかったと思われる。問題は引き離したときラテは「クーン」と声を上げた...。見ると左前足を上げておりその先端には明らかな出血があった。ラテにとって遊び中の甘噛みではなく本当に噛まれるという初体験となった。 

オトーサンはウェットティッシュを取り出してラテの足先を包み、取り急ぎの泥や血をぬぐったが軽く握ると血が垂れてくる...。見ると肉球のひとつが割れ、その上部にも傷があり出血は足先の甲からが多いことが分かった。変な言い方だがその真っ赤な血を見て、あらためてラテはオトーサンと同じ生き物なのだという思いを強くした! 
こんなことはオトーサンとしても初めての体験だったが、ここは冷静に処置しなければならない。ともかく血が止まるかどうかを確認し念のため動物病院に直行しようと決心する。心配してくださるお仲間に挨拶してからラテを抱き上げたが、彼女の傷ついた前足は新調のダウンジャケットの肩に触れ血が付着する(嗚呼...)。そのまましばらく抱いて歩くが娘の重さはとても病院まで抱き続けることなど無理である(笑)。そっとラテを下ろすと噛まれた足をかばいながらも歩き始めたのでともかく病院に向かった。 
ワンコは我慢強いと聞くが、ラテはその後ひと言も発せずもくもくと歩いている。しかしオトーサンが差し出すニボシには見向きもしない。やはり痛いのだろうか。 

病院までゆっくりと20分ほど歩いたが、おかしなものでラテは病院のドアを開けると嫌がりもせずに入っていく。予防注射のときや下痢の時、健康診断のときなどなどこれまですべて入り口で座り込み入りたくないという意思表示をしたが今回は素直に入っていく...。やはりこの娘にはどこに何するために来たのかが分かっているものと思われる。 
レントゲンを撮ったが幸い骨に異常はなかった。甲の傷回りの毛を剃って手当をしてもらう。そして抗生物質の注射をされる。その間ラテは多少もがくが、医者を威嚇したりすることがないばかりかひと言も発しない。押さえてくれた担当の女性が「いいこねぇ」と言ってくれるほどだった。 
薬の出るのを待っていたとき、ラテが診察台の上で立ち上がりオトーサンに抱きついてきた。勿論オトーサンはしっかりと抱いてあげたが、左肩に置かれたラテの顔を見るとその目が潤んでいた...と瞬間...あの夢を思い出したのである! 
まあ、夢や記憶は正確に覚えていると言うより再構築されるものだという説もあるから、文字通りの真実は自分でもわからない。しかしオトーサンは夢の中で抱き合ったラテといま現実に抱っこしているラテの感触とがまさしくオーバーラップし、ちょっとした衝撃を受けたのだった。 

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※いつものカフェでは野鳥が足元近くまで飛来する(上)。そのテラスで美味しい臭いに眼を細め鼻を鳴らすラテ(下)


ラテの怪我はワンコ同士のやることだから目くじらを立てることではないが、今後は噛まれないようオトーサンが一層注意しなければならないし、逆に他のワンコを傷つけることなどないように心がけたいと思う。 
今日もラテは前足を引きずりながら歩いている。そしてお座りのときには問題の左前足を上げたままだ...。まるでずっとお手をしているように(泣)。

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員