ラテ飼育格闘日記(56)

2007年の「ラテ飼育格闘日記」もこの回で最終編となる。内容はともかく一回も欠かさず一年過ごしてきたが、これも読んでいただく方々からの励ましによるものだ。あらためて御礼を申し上げると共に来年の「ラテ飼育格闘日記」もどうぞよろしく! 


12月10日はラテが我が家に来た大切な記念日である。だからと言うわけではないが2ヶ月ぶりにラテを美容室に連れて行き、トリミングやシャンプーをはじめ、爪切りや耳掃除、歯磨き、そして肛門線絞りといったフルコースを済ませてきた。 
真夏には暑いだろうとボディの毛を極端に短く刈り込んでみたら、何だか安毛布みたいなイメージになったラテだったが(笑)、毛が伸びてくるにつれ黒い毛で覆われて一見シェパード風となかなか立派になってきた...とはいえラテは女の子なのだが(笑)。 

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※すっかり紅葉も終わり公園回りの木々も寒々とした感じになってきた


さて、先日の夕刻いつもの公園に散歩に行ったが、ラテはこれまでには見せなかった妙な行動をとり始めた...。 
その日は朝が雨だったため、あまり満足な散歩ができなかったからと夕刻の散歩はいつもの時間より早めに家を出ることにする。駅前まで行き、カフェで30分ほどコーヒーとデニッシュで楽しんでから公園に向かった。公園にはすでに馴染みのワンコたち数匹がいるのでオトーサンは「これは良かった」と思った。良かったとは勿論ラテの遊び相手が複数いたからであり、いつものように走り回ったり取っ組み合って遊ぶだろうと期待したからだ。 
何と言ってもワンコは身体を動かさないことには散歩の意味も半減する。ただ単にオトーサンと歩いているだけでは運動量が足りないわけだ。とはいえ、ワンコたちだって体調もあれば思惑もあるのだろう、何が何でも顔を合わせれば取っ組み合ったりするわけではない。いわゆる気が乗らない日もあれば時間が経たないとスイッチが入らない日もあるようだ。しかしそれは遅かれ早かれといった問題なのだが、その日のラテは何だか変なのである...。 

公園にはラテお気に入りのワンコたちもいるし、お気に入りの男の子たちも多く、それらの子供たちからも「ラテ!ラテ!」と可愛がってもらう。しかしワンコと遊ばないのだ。 
初めはあまり気にしなかったが、ラテはオトーサンの背中に前足をかけ、明らかに「抱っこ」の要求をする...。たまたま甘えてそうした行動を取ることもあるからオトーサンは機嫌良くラテを数分抱っこしてから下ろし「遊びな!」と声をかけるがそれこそ数分も経たないうちにまたまたオトーサンの背中に体重を乗せてくる。 
「いつもと違って変だな」と思いシッポを見ると見事に下がっているのだ。ご承知のようにワンコのシッポは様々な感情を表す。尾を高く上げてゆらすのは優位の姿勢だし、尾を下げるのは服従を意味するだけでなく不安や弱気を表すと考えて良い。そして後ろ足の間に巻き込んでいるなら「恐怖」を感じていると見なければならない。いまラテが繰り返し抱っこをせがんでいるのは守って欲しいということなのだ...。 
しかしラテはもともと弱気なワンコではない。自分が嫌いなワンコに対しても一応は威嚇の意味で大いに吼える。吼えることもせずラテに恐怖感や不安感を感じさせる原因が何なのか、オトーサンは知りたいと思ったし知らなければならないと考えた。 

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※お陰様でラテも健やかに育っている。感謝!


しかしである。周りにいるのはいつものワンコたちであり、たまたま喧嘩した過去があったとしても昨日今日の話ではなく、ましてやラテがシッポを巻いて怖がるほどの喧嘩はやったことがないのだ。しかしラテは誰もいない方へリードを引く...。明らかに公園から去りたいといった感じなのだ。 
「ラテちゃんどうしたの?」とアポロのお母さんも声をかけてくださるが、ラテはまったく元気がない...。いつもなら体当たりし、飛びついて遊び合うアポロやハリーたちにも背を向けるありさま。しまいには「身体の具合が悪いのか?」と心配になってくる。 
オトーサンは嫌がるラテをワンコたちの群れの間に引き戻したが、どのワンコに対しての反応なのか断定できるまでには至らなかった...。というより、そもそもワンコに対しての恐怖なのか、人に対するものなのか、あるいは満月だったからか...さえ分からない(笑)。 

翌日の朝、その日は休日だったので別の公園に向かったが、すでに遊んでいた数匹を相手にいつものように遊び始めた。一安心したオトーサンだったが、その日の夕方に出向いた例の公園でラテはまたまたしょんぼりモード犬となってしまった...。 
早めに出向いたため公園には当初誰もいなかった。したがってラテはいつものようにボールで遊んでいたが、とあるワンコが入ってくるといきなりリードを引いて公園の外に出ようとする。無論シッポは下がっている。だとすればそのワンコが原因だと考えざるを得ないが、そのワンコはラテが公園デビューしたときからいた先輩ワンコである。しかしこれまで親しく遊んだこともない反面、喧嘩をしたりましてや脅かされたこともない。そうした相手を何で今更怖がるのか...。勿論私の知る限りそのワンコに罪はない(笑)。 

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※散歩を終え、早速愛用のマッサージチェアでウトウトするラテ


数日そんなことを繰り返していたが、ある日そのワンコが近づいてきたとき、ラテのシッポは下がっていなかった。反対にクンクンとお尻の臭いをかいでいる...。「あれ、このワンちゃんが原因ではなかったのか?」とも思ったが翌日はまたそのワンコの近くにボールが転がっても尻込みして取りに行かない...。「思春期の娘は難しい...」とオトーサンは頭を抱えながらも、頻繁に抱っこをせがむラテに目を細めてしまうのであった(笑)。 

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員