ラテ飼育格闘日記(46)
歴史的にも太古から人間の生活に密着しているワンコだが、こと"犬" という意味合いは決して良いニュアンスとして使われていないケースが多い。なぜなのだろうかと不思議に思った...。
イヌは、人と暮らし始めた最も古い動物であると知られている。番犬としては勿論、狩りや運搬などなど人の生きていく上で重要な役割を果たしたことも定説になっている。そして飼い主に忠実な生き物として多くの小説や伝説の主人公となった反面、聖書にはブタと共に不浄の動物として描かれている...。
「人間の最良の友」とも言われるように、その忠実さから飼い主の危機を助けたといった逸話も多いものの反面「犬死」「負け犬」「犬畜生」「飼い犬に手を噛まれる」といった言葉が使われる。さらに忠実さの逆恨みなのだろう...権力の手先やスパイの意味で「いぬ」と蔑称の言葉として使われる。その他「犬の遠吠え」「犬も喰わない」「犬畜生」などといった使われ方があり、良い意味の語を探す方が難しいくらいだ。
また諺にも犬は登場する。よく知られている「犬も歩けば棒に当たる」以外にも「一犬虚に吠えれば万犬吠える」「飢えた犬は棒を恐れず」「犬骨折って鷹の餌食」などがある。
しかし面白いと言っては何だが、犬のイメージが悪いのは決して日本の特徴ではないことだ。冒頭の聖書の他にも例えば英語では雌犬を表す "bitch" という語は女性への罵倒語として使われるそうだ。

※ソレちゃんのオカーサンがラテのために手作りしてくれた首輪をつけてすまし顔のラテ
ではなぜ前記したように「人間の最良の友」とも言われるワンコがこうした侮蔑の意味に用いられたのだろうか。
繰り返しになるが、ひとつには人の歴史が始まって以来の文字通り古い付き合いであり、常に身近にいることが直接的な原因ではないのだろうか...。犬を知らない人はいないし、事実人の生活に最も密着している動物なのだから、何かの例えや話題として取り上げても即相手に意味が通じるはずだ。しかしそれだけでは悪いイメージと連動する原因とはならない。
確かにワンコは狂犬病という人にも命取りになる恐ろしい病気をまき散らす可能性もあるし、ワンコそのものが直接原因ではないとしても結果として人を襲い傷を負わせたり命を奪うこともあり得る。また残飯を漁ってゴミをまき散らすようなことも昔は多かったはずだし野犬の多くは見るからに薄汚いワンコが多かったに違いない...。

※休日の朝、散歩を終えて公園を後にする仲間たち
また日本では縄文時代の遺跡からも埋葬された犬が発見されているという。一方で昔は野犬も多く現代では想像もつかないだろうが、人の死体を食い荒らす場面も見られたに違いない。また嗅覚や聴覚が人とは比べものにならないほど発達しているワンコは古来から人の感知できない超自然な存在を知ることが出来る神秘的な動物として見られ、そこから人の死を予感することができると信じられて死と結びつけられることもあった...。
ワンコを飼っている人はお分かりだが、ワンコが真面目な顔をして何もない一点を見つめたり、空間を眼で追う姿を見せるときがある。実は小さな虫だったりが原因だとしても神秘的な感じもする。
さらに日本では歴史でも習った「生類憐みの令」により過剰にワンコ(実は犬だけではなかった)が保護された時代があり、庶民は大いに苦しめられたという話があり、庶民の憎しみの対象がワンコに向いたのではないかという感じもする。しかし近年はそうした歴史の見直しも行われつつあり、悪法といった面ばかりが目立った「生類憐みの令」だが、幕府側の実際の意図は別のところにあったとか、庶民が生類憐みの令違反で厳罰に処された事例はほとんどなかったという説もある。ともあれ当時の庶民たちに大きな話題を提供したことは確かであり、ことさらワンコが問題の矢面に立たされたのかも知れない。実際に「幕府の犬」とか「犬侍」といった侮蔑の言葉としても使われる。
そもそもワンコを好んで飼う人たちはともかく、現実問題として犬を嫌う人たちも多い。全人口のうち「犬嫌い」のパーセンテージを知ることはできないが(笑)、嫌いでかつ身近な生き物をマイナスイメージの諺や語句として使うことはある意味で自然な成り行きではないだろうか。
私も愛犬家の仲間入りをして10ヶ月経ったが、いやはやラテの可愛いこと...(笑)。こんなに可愛い生き物を悪者にする語句や諺などは決してワンコが好きな人たちから生まれるはずはないとも思うが...。
いずれにしてもワンコそのものには何の悪意も思惑もないわけで、人間の勝手でこうした扱いを受けてきたことはユーモアというより我々人間の身勝手さを示すものでしかないと感じる。
それにワンコには「犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ」という諺もある。昨今の殺伐とした人間社会で繰り広げられる目をそむけたくなるような事件は皆人間のやらかすことだ。
ワンコから見たら我々人間の方がよっぽど危険な生き物、恩知らずな生き物と映っているに違いない。

※大好きなボール遊びに興じるラテ
ラテはといえば、珍しくオトーサンの部屋で大人しくボールを噛みながら遊んでいる...。ひとしきりキーボードを叩いていたその手を休めてラテの方を見ると、ラテと眼が合った。その顔は遊んでもらえるだろうと思ったのだろうか、穏やかな笑顔と共に誘いのお手を始めた...(笑)。
イヌは、人と暮らし始めた最も古い動物であると知られている。番犬としては勿論、狩りや運搬などなど人の生きていく上で重要な役割を果たしたことも定説になっている。そして飼い主に忠実な生き物として多くの小説や伝説の主人公となった反面、聖書にはブタと共に不浄の動物として描かれている...。
「人間の最良の友」とも言われるように、その忠実さから飼い主の危機を助けたといった逸話も多いものの反面「犬死」「負け犬」「犬畜生」「飼い犬に手を噛まれる」といった言葉が使われる。さらに忠実さの逆恨みなのだろう...権力の手先やスパイの意味で「いぬ」と蔑称の言葉として使われる。その他「犬の遠吠え」「犬も喰わない」「犬畜生」などといった使われ方があり、良い意味の語を探す方が難しいくらいだ。
また諺にも犬は登場する。よく知られている「犬も歩けば棒に当たる」以外にも「一犬虚に吠えれば万犬吠える」「飢えた犬は棒を恐れず」「犬骨折って鷹の餌食」などがある。
しかし面白いと言っては何だが、犬のイメージが悪いのは決して日本の特徴ではないことだ。冒頭の聖書の他にも例えば英語では雌犬を表す "bitch" という語は女性への罵倒語として使われるそうだ。

※ソレちゃんのオカーサンがラテのために手作りしてくれた首輪をつけてすまし顔のラテ
ではなぜ前記したように「人間の最良の友」とも言われるワンコがこうした侮蔑の意味に用いられたのだろうか。
繰り返しになるが、ひとつには人の歴史が始まって以来の文字通り古い付き合いであり、常に身近にいることが直接的な原因ではないのだろうか...。犬を知らない人はいないし、事実人の生活に最も密着している動物なのだから、何かの例えや話題として取り上げても即相手に意味が通じるはずだ。しかしそれだけでは悪いイメージと連動する原因とはならない。
確かにワンコは狂犬病という人にも命取りになる恐ろしい病気をまき散らす可能性もあるし、ワンコそのものが直接原因ではないとしても結果として人を襲い傷を負わせたり命を奪うこともあり得る。また残飯を漁ってゴミをまき散らすようなことも昔は多かったはずだし野犬の多くは見るからに薄汚いワンコが多かったに違いない...。

※休日の朝、散歩を終えて公園を後にする仲間たち
また日本では縄文時代の遺跡からも埋葬された犬が発見されているという。一方で昔は野犬も多く現代では想像もつかないだろうが、人の死体を食い荒らす場面も見られたに違いない。また嗅覚や聴覚が人とは比べものにならないほど発達しているワンコは古来から人の感知できない超自然な存在を知ることが出来る神秘的な動物として見られ、そこから人の死を予感することができると信じられて死と結びつけられることもあった...。
ワンコを飼っている人はお分かりだが、ワンコが真面目な顔をして何もない一点を見つめたり、空間を眼で追う姿を見せるときがある。実は小さな虫だったりが原因だとしても神秘的な感じもする。
さらに日本では歴史でも習った「生類憐みの令」により過剰にワンコ(実は犬だけではなかった)が保護された時代があり、庶民は大いに苦しめられたという話があり、庶民の憎しみの対象がワンコに向いたのではないかという感じもする。しかし近年はそうした歴史の見直しも行われつつあり、悪法といった面ばかりが目立った「生類憐みの令」だが、幕府側の実際の意図は別のところにあったとか、庶民が生類憐みの令違反で厳罰に処された事例はほとんどなかったという説もある。ともあれ当時の庶民たちに大きな話題を提供したことは確かであり、ことさらワンコが問題の矢面に立たされたのかも知れない。実際に「幕府の犬」とか「犬侍」といった侮蔑の言葉としても使われる。
そもそもワンコを好んで飼う人たちはともかく、現実問題として犬を嫌う人たちも多い。全人口のうち「犬嫌い」のパーセンテージを知ることはできないが(笑)、嫌いでかつ身近な生き物をマイナスイメージの諺や語句として使うことはある意味で自然な成り行きではないだろうか。
私も愛犬家の仲間入りをして10ヶ月経ったが、いやはやラテの可愛いこと...(笑)。こんなに可愛い生き物を悪者にする語句や諺などは決してワンコが好きな人たちから生まれるはずはないとも思うが...。
いずれにしてもワンコそのものには何の悪意も思惑もないわけで、人間の勝手でこうした扱いを受けてきたことはユーモアというより我々人間の身勝手さを示すものでしかないと感じる。
それにワンコには「犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ」という諺もある。昨今の殺伐とした人間社会で繰り広げられる目をそむけたくなるような事件は皆人間のやらかすことだ。
ワンコから見たら我々人間の方がよっぽど危険な生き物、恩知らずな生き物と映っているに違いない。

※大好きなボール遊びに興じるラテ
ラテはといえば、珍しくオトーサンの部屋で大人しくボールを噛みながら遊んでいる...。ひとしきりキーボードを叩いていたその手を休めてラテの方を見ると、ラテと眼が合った。その顔は遊んでもらえるだろうと思ったのだろうか、穏やかな笑顔と共に誘いのお手を始めた...(笑)。