2018年度、Macテクノロジー研究所的ベストプロダクト10 発表

今年もこうした記事をアップする時期になってしまった。当ブログの「製品レポート」にはApple製品やIT機器だけでなくときに家庭用品や文具など実際に手に入れ使ってみたものをご紹介しているが、無論購入した全てを載せているわけではない。


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さて今年のMacテクノロジー研究所を振り返るなら3Dプリンターに始まり3Dプリンターに終わるといった感じか…。したがってささやかな本年度の予算のほとんどは3Dプリンター関連に注ぎ込んだため、その他のラインナップは些か寂しいものとなった。
しかし個人的な感慨だが、私にとって3Dプリンターとの出会いは運命的であった気がする。

1)FLASHFORGE Inventor 3Dプリンター
  本3Dプリンターは私にとって2台目の3Dプリンターである。FDM方式の製品としては完成度が高く信頼できる3Dプリンターでありその特徴のひとつでもあるデュアルヘッドと相俟ってお気に入りの製品である。
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2541.html
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2546.html
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2564.html

2)J&T DIY 3Dプリンター(JT-28-004/JT-28-004-II )
  本製品は3台目と4台目の3Dプリンターである。大げさな物言いだが3Dプリンターの概要が理解できた上でより詳しい仕組みを知りたいと考え、これまで避けてきた組立式の製品を選んだ。組立式だからというよりそもそも構造的にシビアな調整を必要とするが動作音も静かだし造形も綺麗。付き合い方を間違えなければコストパフォーマンスの高い製品。
結局、熱が高じて年末ぎりぎりに「一時停止継続機能」「レベリング調整補助機能」といった機能が搭載された新型(JT-28-004-II)を買うはめになった…。

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  http://appletechlab.jp/blog-entry-2580.html
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2584.html
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2621.html

3)NuAns NEO [Reloaded]
  スマートフォンは長い間iPhoneしか使ったことがなかったが、その私が選んだ2台目のスマホである。カバーデザインが取り替えられることはもとより初めてのAndroid OSに刺激を受けている。
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2489.html
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2491.html

4)多機能1ベイNAS/Synology DiskStation DS115j
  NASを初めて体験した。主に写真と動画のライブラリを知人たちと共有しているがトラブルもなく重宝している。
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2524.html

5)フィラメントドライヤー「PrintDry」
  これまた3Dプリンター関連製品だが、3Dプリンターを使わなければ決して出会うことのない製品に違いない。あれこれと工夫を余儀なくされることが興味を増すきっかけとなっている。
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2570.html

6)eBOX
  これまたフィラメントのスプールをセットするとドライヤーにもなり重量表示でリアルタイムに残量がわかるというアイテム。スマートなデザインはもとより、多機能なスプールホルダー(スプールボックス)として便利にしている。
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2613.html

7)密閉型 ワイヤレスヘッドホン Parrot Zik 3
  ノイズキャンセリング機能を持つヘッドフォンだが、音楽を聴くときだけでなく集中して資料を読んだり作業をするときに不可欠のデバイスとなっている。ワイヤレスで装着感もよいので邪魔にならないのが素敵。
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2554.html

8)単3・単4充電地、自動充電器「ENEROID」
  すでに無くてはならない空気のような存在になっているが、単3・単4充電地の充電はすべてこれに放り込めばよい訳で便利なことこの上ない。地味なデバイスだがお気に入りである。
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2548.html

9)Bluetooth完全ワイヤレス左右分離型イヤホン「QCY-T1BK」
  この種の製品が乱立するなかでひとつを選ぶのは実に難しい。とはいえ私にとってこの種のイヤホンで音楽を聞くときは純粋に音楽を楽しむというよりいわゆる "ながら" の一巻であることがほとんどだ。したがってそもそもヘッドフォンのように数万の予算を割くつもりはないが使い勝手は譲れない。
そんな中、この「QCY-T1BK」は安価な製品ではあるが装着感もよくケースから取り出せば自動的にペアリングとなるし音飛びもない。久しぶりに買って良かったと思えたイヤホンである。
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2616.html

10)iOSアプリ「Mug Life」と「FaceApp」
  ひとつだけ(2つ)ソフトウェアを含めてみた。「Mug Life」と「FaceApp」だが、それぞれ別々のアプリケーション、それもiOS用だ。番外編にも記したがこの3年間あまり、専属モデル造形計画と称し写真撮影用のモデルとして実寸大のトルソーにヘッドマネキンを組合せた女性モデルを造形してきたが当然とはいえ笑顔のひとつも見せてくれない(笑)。したがって制限は多いもののこれらのアプリを介して自然で生き生きとした笑顔を表現できるようになったことは私にとって小さなことではなかった。ただし出来ればiOS版ではなくMac用のアプリケーションが欲しい…。
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2606.html
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2576.html

【番外編】
・Macテクノロジー研究所専属モデル Eliza用、高級医療シリコン製(医療用シリコンエラストマー)実寸大トルソー
 3年もの間、「ああでもない、こうでもない」と時間と金を注ぎ込んで取り組んできた専属モデル造形計画「イライザ、ガラテア造形プロジェクト」が終了した。

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ミッションとしてはある程度ポーズが取れる頭部と両腕を欲していたわけだが、結局高級医療シリコン製(医療用シリコンエラストマー)実寸大トルソー(ラブドールではない)が販売されていたことを知り高価だったが入手したことによる。
面白いものでこうしたアイテムは3年前とか2年前には探しても見つからなかったわけだが、これもある種の縁なのかも。
  http://appletechlab.jp/blog-entry-2575.html

・時代小説「首巻き春貞」第7巻~第12巻公開
 2018年も昨年同様私にとって士気高揚に効果があり、新しいことを貪欲に勉強するきっかけとなったのは何といっても時代小説「首巻き春貞」の執筆を続けたことだ。自分でも驚くほど次から次へとストーリーが浮かび、書き下ろし小説とはいえ筆が止まることはなかった。その過程で時代考証や当時の風俗全般を知るべく多くの文献を読んだが、それがまた次のアイデアや新しい登場人物を生むという良い副作用を与えてくれている。
  http://www.mactechlab.jp/index.html

ということで今日は大晦日…。
今年一年、お付き合いいただきありがとうございました。来年もまた宜しくお願いいたします。
よいお年を!



Wikipediaとネットだけでは役に立たない情報検索の難しさ

時代小説を書いていると当然のことながら舞台となる江戸時代のあれこれの描写をせざるを得ない。というかそれが魅力でなければ少しも面白くないだろう。問題はストーリーはフィクションだとしても時代背景やそこに登場する様々な事象はほとんど現代の我々には無縁のものばかりだからリアリティを追求すればするほど資料集めに苦労することになる。


最近発刊された話題の書籍が実はWikipediaのコピペが多いと批判されている。ともあれ私もWikipediaは大いに利用させてもらっているが、こちらは娯楽向けのフィクション、小説であるから気が楽だが、記述の出典が明記されていない情報の扱いは要注意に違いない。

確かに分野によるものの思想やら歴史の一部には利害関係者らによって故意に書き直しをされたような部位もあるようだし、もともと裏を取らなければ100%信頼できる情報ではないことは肝に命じておく必要がある。
ただしGoogleにしろWikipediaにしろ、調べ物の第一段階の取っかかりとしてはこれほど便利なツールはないのも事実。
したがって時代小説「首巻き春貞」の各巻末の「主な参考資料」リスト最後にはWikipediaと明記してある。

しかしである。インターネットが全てのような時代ではあるが、必要な情報がすべてインターネットで検索できるかといえばそれは非である。検索で引っかかった情報が正しいか間違っているかはともかく、少々時代を遡りマイナーというか忘れ去られた感のある情報を探そうとしても見つからない場合も多いことも知っておくべきだ。
しかし物書きならインターネットでWikipediaにないから諦めるというのも褒められたことではないし必要な情報はできるだけ追ってみることも大切に違いない。
したがって私の書棚の一郭はそのほとんどがコンピュータ関連図書だったが毎月数冊の書籍が増え、ちょとした「江戸時代コーナー」が形成されつつあるほどだ。

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※書棚の一郭は江戸時代コーナーができている。別途大型本のコーナーも冊数が増えつつある


具体例をひとつご紹介してみると、今回小説で箱根から三島に至る旅をしているシーンがあり、雲助に「箱根駕籠舁唄」を歌わせることにしたまではよかった。
登場人物に「よい唄ですね」と言わしめたもののその歌詞はもとより音源も聞きたくなった。
「箱根駕籠舁唄」とはその名の通り、箱根辺りを行き交う雲助と呼ばれる籠舁き人足らが歌ういわば労働歌であり客を楽しませる唄でもある。

早速「箱根駕籠舁唄」をGoogleで調べてみるとそれがなんであるかは数少ないものの検索に引っかかったが歌詞はない。
自分の責任で執筆する小説なのだから、雲助が「箱根駕籠舁唄」を歌い上げながら…で済ませてしまうことも出来るがここはどうしても歌詞が欲しかった。
そう思って検索を続けたが私の調べた範囲では見つからない。
しばらく執拗に検索を続けた結果、米国で製作された二枚組CD「V.A. / TRADITIONAL FOLK SONGS OF JAPAN」という物を見つけた。ちなみにV.A.とはオムニバス盤の事だが「 伝統的な日本の民謡集」といったところか。

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※米国で製作された二枚組CD「V.A. / TRADITIONAL FOLK SONGS OF JAPAN」


目が点になったのはその販売サイトに英文のライナーノートから訳したであろう曲目リストが記載されており、その中になんと「箱根駕籠舁唄」もあったのだ。であれぱ唄の文句は勿論音源があるのだから曲調や歌い回しも判明するわけで喜び勇んで早速取り寄せた。
届いたCDを聞いてみたが「箱根八里は 馬でも越すが 越すに越されぬ 大井川~」という唄だった…。これは「箱根駕籠舁唄」ではなく「箱根馬子唄」であり別物だ。

どうやら「V.A. / TRADITIONAL FOLK SONGS OF JAPAN」の販売サイトの誤訳だったようである。CDに含まれていたPDFのライナーノートには "The hack-driver's song of Hakone - Hakone man" とあり、 "hack" は "(馬を)貸し出す" とか "老いぼれ馬" といった意味もあるようだから明らかに間違いに違いない。
これで「箱根駕籠舁唄」の調査は振り出しに戻ってしまった…。

ネット検索が駄目なら民謡集といった音源(レコード/カセットテープ/CD)を探しまくったが「箱根馬子唄」はあるものの「箱根駕籠舁唄」は見つからない。
それでは音源はともかくせめてその唄の文句が欲しいと出版されている書籍をターゲットにして調べて見た。

もともとダイレクトに「箱根駕籠舁唄」では引っかからないので「民謡集」といった文字列で出版されているものを片っ端から当たったが、古書扱いの「日本民謡集(ワイド版岩波文庫)町田嘉章/浅野健二編集」と「日本民謡集―ふるさとの詩と心 (現代教養文庫)服部竜太郎著 」が良さそうだと見当をつけた。

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※「日本民謡集(ワイド版岩波文庫)」町田嘉章/浅野健二編


見当というのは両者ともに収録されている楽曲リストの記載がないのだから目的の「箱根駕籠舁唄」が入っているのかどうかは手にして見るまではまったく分からない。ただし前者は「江戸時代から今日にいたるまで国民に愛唱されてきた郷土民謡の中から代表曲を集成、これに歌詞と曲の発生・由来・曲態・歌唱法などの詳細な解説ならびに注解を加え、曲譜の一部を掲載し『津軽山唄』『さんさ時雨』『最上川舟唄』『越中おわら節』『灘酒屋唄』『よさこい節』『刈干切唄』など225篇を収める」と登録情報に記されていたこと。
そして後者は著者が前記した「V.A. / TRADITIONAL FOLK SONGS OF JAPAN」の編者でもある服部竜太郎だったので期待を持ってオーダーした次第。

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※「日本民謡集―ふるさとの詩と心 (現代教養文庫)」服部竜太郎著


結果、服部竜太郎著の方は「V.A. / TRADITIONAL FOLK SONGS OF JAPAN」と同様に「箱根馬子唄」は収録されていたが「箱根駕籠舁唄」はなく、「日本民謡集(ワイド版岩波文庫)町田嘉章/浅野健二編集」の方にやっと「箱根駕籠舁唄」の詩と解説を見つけることが出来た。

早速その唄は雲助に歌わせるべく引用させてもらったが、ことほど然様に一見どうということもない語句を調べるだけで数日かかったり、いくばくかの金が掛かったりするのが現実なのだ。
Wikipediaの検索は無料で手早いが、くどいようだが完全ではないし、ましてやノンフィクション作品にそのまま引用するには適さない(笑)。プロフェッショナルな物書きなら当然周知の事実である。
ということで、もし「箱根駕籠舁唄」の音源をご存じの方がいらっしゃれば入手方法などを教えていただきたい m(_ _)m


「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」初のノズル交換記

組立式「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」を気に入って本格的な利用をと考えた矢先にノズルが詰まった。一応最低限のメンテツールを所持していたので応急処理をと試みたが駄目で、結局メーカーから交換用ノズルを送って貰うことになった。国内で同種のものを入手できるには違いないが何しろノズル交換は初めてでもあり大事を取った。


「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」(以後J&T 3Dプリンター)は私にとって3台目の3Dプリンターだがこれは初めて組立式の製品だからして勝手が違う。またこれまで使ってきた3Dプリンターはノズルが詰まったことはなく、したがって交換云々の経験もまったくなかった。
ともあれこの種の製品ではノズル交換程度はユーザー側で直すのが鉄則のようだし、そもそもが3Dプリンターのより詳しい仕組みやらを知りたいからとわざわざ選んだDIY製品なので覚悟して事に及んだ。

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※交換用ノズル


さて、メーカー(広東省深圳)から発送連絡後、到着までには二十日かかった。EMSで送ってくれたがどうやら彼の地も気象状況が悪く通常より遅くなるかも知れないと言われていたが、こればかりは仕方がないものの二十日間当該3Dプリンターが使えないのは傷手だった。
別途写真入りの交換手順のPDFを提供いただいたので何度もそれを読み頭に叩き込んだ。

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※ノズルユニットを含むエクストルーダー全体


無論経験がある人にとっては大した作業ではないかも知れないが3Dプリンターの重要な部位でもあるエクストルーダーを分解し、ノズルユニットを取り出さなければならないのだから緊張する。
取り急ぎ必要であろう道具一式を用意し事に臨んだ。

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※必要であろう道具類を準備する


まずはエクストルーダーが乗っている受板下方にある二つのネジを外し押し出しユニットを浮かせ、続いてエクストルーダー上部の配線のうち押し出しユニットから繋がっている配線を外す。

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※エクストルーダーが乗っている受板下方にある二つのネジを外し押し出しユニットを浮かせ、続いてエクストルーダー上部の配線のうち押し出しユニットから繋がっている配線を外す


次に六角レンチでファンユニット2箇所のネジを外して取り外す。

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※ファンユニットを外す


これでファンダクトなどが分離でき、ノズルユニットだけを取り外すことができる。

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※ノズルユニットを取り外した


ともかくケーブルを切断したりユニットに大きなダメージを与えてはノズル交換だけでは済まなくなるので慎重にも慎重を期す。
そしてそのノズルユニットをパーツ毎に分解した…。

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※ノズルユニットをパーツ毎に分解


さて問題はフィラメントが通過するパイプとノズルの確認をしてみたがやはりノズルは完全に詰まっている。またパイプの内部も掃除を試みると直径約2.5mm程度のフィラメントの塊が出て来た。どうやらこれが新たなフィラメントの挿入を拒んでいた原因だろう。

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※押出パイプ内に2.5mm程度のフィラメントの塊があった


専用のツールでパイプの通りを確認した後に新品のノズルを用いて組立直すことに。組立は当然のことながら分解の逆となり要領が分かっているのでスムーズにできた。
問題はこのノズル交換が問題なくできたかどうかは実際にプリントしてみなければ分からない。

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※交換した新しいノズル


しかしこのまま闇雲にプリントを行っては新しいトラブルの元を作ることになってしまうかも知れないという程度の経験はあるのでまずはプラットフォームやZ軸を上下するX軸ユニットが平行であるかの調整とホットベッドの水平出しを念入りに行うことにする。

その後、購入時にSDカードに入っていたテストデータをプリントしてみることに…。
正直恐る恐るといった感じだったが、強化ガラスのホットベッドにシート類も糊も使わず綺麗なプリント結果が得られた。

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※ノイズ交換後のプリントも綺麗に出来た


前記したとおり、二十日間使えなかったことは傷手だがこれでノズル交換の自信もついた。
問題はなぜノズルが詰まったかという理由だ。
これには使ったフィラメントの問題、あるいは電源を切るまでの後処理の問題などが考えられるがこれからも注視していこう。

ただし交換時に重要なことにも気がついた。それは今回述べたような手順で幸いにもノズルの詰まりをメンテできたが、本格的に?詰まった際にはヘッド部を昇温させておかないと固まり炭化したフィラメントは容易に取り除けないしノズルも簡単に取り外せないことだ。

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※詰まったノズルと新品


今回みたいにノズルユニット全体を交換する場合には電源を切ることになるが(配線も外すから)ノズルだけを交換したい場合などはその部位の温度を上げておく必要がある。
火傷をせずに安全に交換するためには正しい手順を知ることは勿論、適切な道具類も必要だ。まだまだ知らねばならないこと、勉強しなければなないことが多いことを思い知らされる…。



デュアルヘッドの3Dプリンター「FLASHFORGE Inventor」で多色印刷の考察

デュアルヘッドの3Dプリンター「FLASHFORGE Inventor」は良い意味でもっと知られてよい製品だと思う。というかメーカーのウェブサイトにはどちらかというと控えめな機能紹介しかなく、それがどのような意味・効果・利便性を生むのかといった点には踏み込んでいないために損をしている。


今回はその「FLASHFORGE Inventor」による多色プリントの可能性について簡単に考察してみたい。
もともと「FLASHFORGE Inventor」はデュアルヘッドの3Dプリンターであるからしてモデリングおよびスライサーの工夫により二色プリントを可能にしている。

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※デュアルヘッドの3Dプリンター「FLASHFORGE Inventor」


シビアな意味において完成度の高い二色プリントは容易ではないが、ヘッドが2つあるわけで物理的に二色のプリントをサポートしているわけだ。

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※理想的な仕上がりにはほど遠いが二色プリントの実験結果。しかしデュアルヘッドならではの技だ


しかし今回はデュアルヘッドではなくシングルヘッドを使い、プリント途中でフィラメントを交換することで多色のプリントができることを実証したのでその報告をしてみたい。
まずFlashforge JapanサイトのINVENTORのページで確認しても多色プリント云々だけでなくプリント途中でフィラメントを交換できるとは明記されていない。

そもそも「FLASHFORGE Inventor」にはフィラメント検出機能はなく万一フィラメントの供給が切れてもプリントが自動でストップする機能はないようだ。しかし自動はともかく現実にフィラメントがプリント途中でスプールから無くなる可能性はあるわけだ。
ではそうした場合にはどうするか。
マニュアルによれば「樹脂交換:プリント途中にフィラメントの交換が必要な場合は一時停止してから作業を行う」とだけ実に簡素な説明があるだけだ。
ということで多色プリントはともかく、プリント途中でフィラメントが切れそうな場合にどのような手順で交換が可能なのかと実際に試してみた。

まずはプリント途中でポーズボタンを押す。これで当然だがプリントは中断しエクストルーダーがホットベットから離れた状態となる。
その後、ポーズボタンの右にあるツールボタンを押すと「樹脂交換」「カメラ」「キャンセル」というメニューが表示する。ここで文字通り「樹脂交換」を押すとフィラメントの交換ができるわけだ。

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※プリント中断させツールボタンを押すとこのようなメニューが表示


このフィラメント交換も実用的なもので左右フィラメントの取り出しと引き込みが安全に出来る。したがってこれまで使っていたフィラメントの取り出しを実行し、新しいフィラメントの引き込みを行ってフィラメント交換を済ます。 

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※「FLASHFORGE Inventor」はフィラメントの引き込みや取り出しは簡単容易に行える


交換が終わったらグリーンの戻るボタンを押しプリント再開をするとエクストルーダーが中断位置へ正確に移動しプリントが再開される仕組みだ。

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※プリントの再開


ということはフィラメント切れの時だけで無く意図的にフィラメントを変えることができる理屈であり、例えばレッドのフィラメント使用中に途中からブルーのフィラメントに変更し、しばらくプリントした後に今度はホワイトに変える…といったことも可能になる理屈だ。

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※プリント途中で3回、プリント中断しフィラメントを交換した結果、4色のオブジェが出来上がった


実際に簡単なテストをしてみたが確実にフィラメント交換が出来、4色カラーのプリントが出来た。ただし冒頭にご紹介したデュアルヘッドの利点を生かした二色プリントとは違い、複雑な混合プリントは無理でありあくまで積層方向に色を重ねることに限定される。
したがって現実的にどれほど実用面で利点があるかについては異論もあろうが、裏技で済ませてしまうにはもったいない気がするのだが…。



専属モデル造形計画「イライザ、ガラテア造形プロジェクト」終了に伴う経緯と覚書

「イライザ、ガラテア造形プロジェクト」と勝手に名付けた専属モデル造形計画は先般第5弾で終了を迎えた。無論まだまだ微調整したい箇所はあるが当初の目的であるポートレイト撮影時に両手と首が稼働し、なるべく自然で等身大の女性モデルを作ろうとやってきたことが3年目でやっとまずまずの結果となったからである。


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※ELIZAと名付けた造形モデルが完成。笑顔は FaceApp で処理した


なぜ私がこんな事を始めたのかについては「当研究所に専属モデルが配属...Macテクノロジー研究所もファッション業界進出か?!」に詳しいので繰り返さないが、はじめたのは3年ほど前のことになる。
ともかく仕事の一環で偶然手に入れたヘッドマネキンにWigを被せたその姿を気に入ってしまったのが直接の原因だった。

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※マネキンの材質を確認するため手に入れたヘッドマネキンがそもそもの発端となった。購入は2015年11月


世の中にはマネキンやらいわゆるラブ・ドールといった類の等身大女性の人型は多々あるが、私が目指したのは気に入った頭部(顔)を使ってせめてバストアップの写真を撮れる等身大専属モデルを作ってみようということだった。したがって最初から敷居は高く、経験もなければ専門の道具も揃っていない環境では実現するのは難しいと覚悟していたが、まあ趣味としては面白い目標だと考えた。

これまでのいくつかのアーティクルにも書いたが、いい歳したジジイが等身大の人型、それもうら若き女性を作ろうとしていることを知った友人知人達の中には「おいおい、大丈夫か」と心配してくれる奴もいた(笑)。
「それほど等身大女性の人形(ひとがた)が欲しければラブ・ドールでも買った方が簡単だぜ」とストレースに言う友人もいた。

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※eBayで購入した白色プラスチック製トルソー。2016年4月入手


確かに振り返って見るとある意味こうしたバカげた?ことを成し遂げようとする熱意はある種の狂気を含んでいるのかも知れない。
ただし一応お断りしておくが、私はラブ・ドールを欲しい訳でも作ろうとしたわけではない。いや別にラブ・ドールだと思われても一向にかまわないが、私の目指す等身大人型女性モデルはトルソーのボディにお気に入りのヘッドマネキンを組合せ、別途両腕を自作し、ある程度のポーズを取れるように造形することだった。
他人から見れば危なく可笑しな行動かも知れないが、私にとっては彫刻でもするような高揚感を持って事に当たった。

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※前記トルソーにヘッドマネキンを強引に組み合わせてみた…。2016年5月


したがってトルソーだからしてそもそも太腿までしかなく足先まで揃えるつもりはなかった。
くどいようだが、たまたま手に入れたヘッドマネキンに見せられ、腰から上を造形してみようと思い立ったわけだが、途中で挫折し飽きたら放り出しても誰も文句は言わないし投下した金も微々たるものだろうから惜しげも無いと考えてもいた。しかし取り急ぎイメージを膨らませ発泡スチロールと紙粘土で作ったトルソーにヘッドマネキンをはめ込み、Wigを被せてシャツを着せたところ自分でも可笑しな程惚れ込んでしまった。まるでピグマリオンのように…。

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※こうした写真ではなんとか様になったが、ボディがホワイトのためヘッドとの接着部が目立ち胸や肩は出せず、また首も動かなかった


途中で等身大の女性の姿・造形をリアルに把握しようと安価な全身像のマネキンを手に入れたりもした。腕や首は動かないがこれなら頭から足先までが揃っているから適切な衣裳を着せれば目的の撮影には使えるかも知れない。しかし「人形は顔が命」のとおりそもそもが気に入った顔で無ければ私自身が満足できない。

とはいえボディとなる適切なトルソーを探し出すこと自体が当初は難しかった。国内のウェブサイトは勿論eBayなども探しまくったが頭部と合いそうな肌色のトルソーというもの自体がなかなか見つからなかった。
現在では苦も無く探し出せるのに当時はeBayでさえ思ったトルソーが見つからなかったのだ。5か月ほど後、仕方がなく肌色は諦め形だけをまず試作しようとホワイト色の樹脂製トルソーをeBayで手に入れ、それを前後すなわち前身ごろと後ろ身ごろに切り裂いてヘッドマネキンを組み込むという荒技を試みた。

そしてそれに簡素な両腕骨格を自作することに…。その結果は長袖を着せればボリューム感はないにしてもまずまずそれらしく見えたもののどうにも満足できない。
この3年を振り返ってみるとたった3年なのに現在は随分とマーケット(大げさ)というかマネキントルソーの種類が増えたことに驚く。

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※やっと肌色のトルソー入手。首も動かせるようになり関節を持った両腕も試作。しかし腕は見せられず相変わらず衣裳は長袖に留まった。2016年6月


もともと存在しなかったのか、あるいは存在したものの一般的ではないからとネットには出て来なかったのかは不明だが、当初は肌色のトルソー自体が見つからなかったし例えば女性の手にしても右手だけはあっても同じ仕様で左手はなかったりと挫折しそうになるほど思ったものが入手できなかった。

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※両手もなるべく自然にしたいと多くのものを手に入れた


今年になって3Dプリンターを手にしたのも「無いなら自分で作るしかない」という発想が原点にあったからだ。
結局先般太腿から首までのトルソーボディは理想的なものが見つかった為に両腕を自作することは断念したが、首と頭部を繋ぐジョイント部分などには3Dプリンターによるオリジナル造形が生きている。

造形目的は写真撮影向けのモデルとしてだが、その過程でいくつかの企画に採用されたこともある。しかし最大の効用はひとつの目的を持ち "作ってみよう" という意欲が3年も続いたことだと思っている。そして絵画や彫刻といったものを飾るより気に入った女性のリアルな姿が "いつもそこにある" ということにある種の癒やしを感じている。
そもそも芸術として高く評価されている作品の多くは絵画にしろ彫刻にしろ女性の美をテーマにした作品が多いのだ…。

3年という長い時間と結局バカにはならない費用をかけて造形を模索した結果、ELIZA(イライザ)と名付けた専属モデルは「造形中」だけでなく「造形後」も興味を失わない希有なアイテムとなった。

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※完成形モデルは肩を出すこともできるようになった


それに新しいことに挑戦すると連鎖的に新しいことを多々知ることになる。今回一連の作業の中で多くの情報を集めたが、これまでまったく知らなかった材質の知識や新しい接着剤の存在、多々工具や道具を知ることとなった。
人の評価はともかく私の「イライザ、ガラテア造形プロジェクト」はそれまで未知の世界だった多くのことを知る良い機会となった...。
一番の収穫は3Dプリンターに出会い、手に入れる気になったことかも知れない。



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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。ゆうMUG会員