ラテ飼育格闘日記(86)

朝の散歩から大汗をかく時期になった。室内にいるときには適度な冷房で快適な生活をしている反動からか、外に出るととにかく体力を消耗する。そんな時期だからこそワンコとの散歩に不可欠な七つ道具をご紹介しよう。


とにかく暑い。いいたくないけど暑い...。特に夕方の散歩は冬の時期より2時間ほど散歩に出る時間帯を遅くしているが、最近は午後6時になっても晴天のときには日差しが強く体力を消耗する。 
こんな時期、ラテとの散歩は見映えよりいかに楽に出歩けるかにウエイトを置いた出で立ちになる。オトーサンはコーディネートなど考えるより、いかに涼しくて体力を消耗しないで済むかの工夫をしなければならない。だから襟元にはタオルを巻き、キャップ内側には体感温度を2度下げるシートを貼り、サングラスをかけてのお出かけとなる。まあ、どんなにお気に入りのジーンズにシャツを着込んだところで出向くところはいつもの公園だし、ラテはもとより幾匹かの愛すべきワンコたちにオヤツをねだられたりして汚れるわけだからお洒落もクソもない(失礼...笑)。 
それにオトーサンにとってジーンズにワンコたちの足跡が付くのは勲章みたいなもので嬉しいのである。 

まあオトーサンのことはともかく、この時期はワンコにとっても辛い時期なのだ。悪くすれば熱射病にかかることもあるし、場合によっては命にかかわることもあるから注意をしてあげなければならない。したがって気温の高い時期に室内の冷房の優先順位は当然のことながらラテのいるリビングである。 
人間のように薄着をしたり、肌から発汗できる生き物とは違うワンコは構造的に暑さに弱い。ともかく体温を下げるラジエターの役割はご承知のように舌を出してハアハアとする呼吸の他、僅かだが肉球とか肛門の回り程度しかないのがワンコなのだから、我々の体感する以上に暑さに弱いことを知ってあげなければならない。 
そんなワンコだから、ラテとの散歩に携帯するアイテムも冬の時期とはかなり変わった物を持ち歩くようになる。 
今回はこの時期ラテとの散歩時に不可欠な「オトーサンの七つ道具」をご紹介してみよう。 

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※今回ご紹介する散歩に不可欠なオトーサン七つ道具


最初は「うんち処理袋/ポイ太君」と「臭い消し袋」だ。これらについてはワンコを飼っている人には説明不要かも知れないほど知られている品である。 
「うんち処理袋/ポイ太君」はその名の通り、愛犬が落としたウンチを手を汚さず手軽に処理できるもので、ビニール袋と水洗トイレに流せる紙袋とで構成されている。 
ビニール袋越しにペーパーでウンチを処理し、くるっと裏返しにするとビニール袋の中にペーパーで包まれたウンチが収まるわけで、袋を縛って持ち帰り、ペーパーごとウンチをトイレに流すことが出来る。無論ビニール袋は別途処理することになる。 
「臭い消し袋」は前記したようなウンチが入った袋を収納するものでいろいろな商品が出ているようだ。現在私が使っているのは不織布でできた袋に消臭ならびに殺菌効果処理をほどこしたもので2,3ヶ月効果が持続するという。 
特にこの時期は臭いが気になるし、バッグなどにウンチ袋を入れるとバッグそのものが臭くなってしまう。また帰りがけにコンビニに立ち寄って買い物をする場合もあるわけで、ワンコの飼い主としては嫌な臭いを封じ込めるのはマナーでもあるのだ。 

さて「TreatKeep」は携帯用の餌入れである。オトーサンは散歩に必ずオヤツを持ち歩く。ここぞという褒めどき、あるいは訓練の場合などに小さなオヤツをあげるわけだが、公園などで集う友達ワンコたちにもお裾分けするためでもある。ラテ自身もお馴染みの飼い主さんたちに愛想を振りまいてオヤツをいただくことも多いのだ(笑)。ただしワンコのオヤツの中にはいわゆる生ものやそれに近いものも多い。 
例えば煮干しとかビスケットという類ならポケットに詰め込んでも大した問題にもならないが、それがチーズや肉類のチップなどでは油などでシミができたり、臭いが付いてしまうことがある。かといってビニール袋やタッパウェアなどに入れ込むと出したいときに出せないでタイミングを逃してしまうこともあるから不便なのだ。 
そこで「TreatKeep」だが、これは米国製のアイデア商品でありプラスチック製の小さな箱形にできている。取り出し口は片手で簡単に開けられベルトなどに付け70cmほど伸びる伸縮自在のリールがついている点が特徴だ。これなら汚れたら洗うこともできるし、服が汚れず臭いも付かないので愛用している次第。 

次は「虫除けバンダナ」だ。いま家庭用では「虫こなーず」といった防虫商品が多々登場しているが、同種の防虫効果をほどこしたネットが小さな三角形の布に縫い込まれている使い捨て商品だ。約一ヶ月間効果があるそうだが、この時期蚊を含めて様々な虫たちが回りに飛び交っているし何よりもあちらこちらの草むらに首を突っ込むラテだから、首付近に虫除けがあったらいいなと考えた...。 
問題があるとすれば、実際にどれほどの効果があるのかないのかが分からないことだ(笑)。無論ラテはその効果を語らない...。 

そう、「虫除けバンダナ」が愛犬のためなら、「どこでもベープNO.1」はオトーサン用の超小型蚊取り器機である。電池式で超小型なので腕時計のように使ったりベルトにぶらさげたりでき、臭いも煙も出ないが一人分の空間をバリア出来るというもの。 
昨年から愛用しているものだが、それ自体の効果を疑るものではないものの、歩き走り回るだけでなく風が吹いている屋外でこれまたどれほど守ってくれるのかが分からない。

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※トカゲを追って立ち上がるラテ。ちなみにこの写真はApple iPhone 3Gで撮影


「携帯水飲み容器」は当然のことながらラテに水を飲ませるためのいわば携帯折りたたみ容器である。特にこの暑い時期にはワンコならずとも水分の供給は大変重要になってくる。 
ラテも水飲み場がある公園の場合、飲みたくなるとそちらに足を向けるがそうした設備が見あたらないところで水を飲ませるために便利なものだ。無論そのために一緒にペットボトルに水を入れて持ち歩いているが、これだと友達ワンコと仲良く一緒に水が飲めるのも利点である。 

最後に「巻き取り型リード」だ。多くの飼い主さんたちがこの種のリードを使っていると思うが、走り回るときなどには重宝している。 
ラテとの散歩は通常2メートルほどの布製リードを使っているが、公園に入り仲間のワンコたちと遊び回るためリードにこの「巻き取り型リード」を繋いで使っている。 
「巻き取り型リード」が5メートルまで伸びるので合計7メートルほどラテを離して遊ばせることができるわけだ。ただしその取扱はなかなか難しい。なぜなら駆けずり回るとき、リードが周りにいる人たちはもとより他のワンコたちに絡まないように操作しなければならないし、走ってきたワンコにピンと張ったリードが強く当たると怪我をいる可能性もあるからだ。 
これは操作しているオトーサン側にも言えることで、左手で「巻き取り型リード」を持ち、伸ばしたリードの一部を右手に持ったりすると場合によってはいきなり引かれたリードで手を切ることもある。れまで使っていた細いワイヤー型ではなく平形のテープ状のものを巻き取る形式を買ってみた。 
確かに具合はよいのだが、これまた問題もある。それはこれまで使っていた「巻き取り型リード」と扱い方が真逆なのである。 
どういうことかというと、以前の「巻き取り型リード」はボタンを押しているときにリードがフリーになるタイプだったが、新しく買った「巻き取り型リード」はボタンを押すとリードがロックされるのだ。 
すでにこれまでの「巻き取り型リード」は1年半ほど使い込んできたから身体が覚えているわけで真逆な操作のものに慣れるまでは慎重にならざるを得ない。 
とにかく買い換えた「巻き取り型リード」は、リードロックしてラテの行動を引っ張ろうとして従来のようにボタンを離すと、逆にリードをフリーにしてしまうわけでしばらくは怖くて仕方がなかった...。 
こんな商品でも是非業界で標準化してほしいものである。 

こうした7つ道具の装備(おおげさだが)を携帯して朝晩の散歩を消化しているわけだが、ラテはそんなことは気に留めず元気である。ひたすらオトーサンとの散歩を楽しんでいるが、前を横切ったトカゲを追い、大きな青虫に驚いて足がつってしまったり、トンボに鼻先へ止まられて飛び上がったりしている(笑)。

ラテ飼育格闘日記(85)

2歳を過ぎたラテは毎日接しているオトーサンから見ても明らかに大人へと変身していくのが分かる。日々の行動や趣向が少しずつ変化しそれらにどのように対処したらよいか...オトーサンも毎日考え続けているのだ。 


ワンコも当然のことながら個人差はあるだろうが、2歳あたりを契機にして行動が落ち着いてくる場合が多いという。あれだけ駆けずり回っていたのが遊ばなくなったり、物事に対しても一見興味を持たなくなったようにも見えるらしい。 
ラテが我が家に来てしばらくの間、そのパワーの凄さにオトーサンは対処の仕方もわからず正直「えらいことをしてしまったか...」と思ったものだが、散歩の途中でお会いする飼い主さんらから「元気なうちが華ですよ。大人になり大人しくなってしまうとその頃が懐かしいものです」といわれ「そんなものなのか...」と不思議に思っていたが、最近は何となくそうしたことが感覚として分かってきたように思う。 

いや...ラテはまだ仲間と取っ組み合いをして遊ぶし、木の葉が風に舞えば追いかける幼さを持っているが、全体的には随分と落ち着いてきたことを感じる。 
ひとつには年齢というより我が家に来て一年半以上経つわけだから、ラテなりに周りの環境はもとより我が家の生活パターンやオトーサン達の性格なども分かってきたはずだ。そして見るもの聞くものがすべて新しいといった毎日ではなくなってくるのだから、その行動も自然に落ち着いたものになるに違いない。 
例えば最初の一年間ほど、あれほど苦労した “咬み癖” が、あれは何だったのかと思うほどなくなった...。電気マッサージチェアの木製ハンドルはボロボロにされたのでタオルを巻いているが、いまでは忘れたように見向きもしない。またこれまでスリッパを何足壊したことか。 
物の本では「甘噛みを放置していると大変だ。何故なら成犬になると甘噛みは確かになくなるがそれは本噛みに変わることになる」などと心配を煽るようなことも書いてあったが、幸いラテに本噛みされたことはいまだにないし、いまでも女房が履いているスリッパを狙うこともあるもののそれは単なる遊びに変わっている。どういうことかというと、女房が脱いだスリッパには興味を示さなくなってきたのである。 
また散歩のとき、一番困ったのは拾い食いであった。ともかく落ちているものすべて...と思うほど、ゴミ類からタバコの吸い殻、瓶や缶、虫まで何でも口にする困ったチャンだった。最近も臭いの強いものには気を向けるし、草も食べる。そして落ちている小枝なども咥えるが、それらはあくまで遊びでありオモチャとして扱っているようだ。無論現在でも散歩のときには危険なものやバッチイものを口にしないように注意をしているが、以前ほど危ない感じではなくなった。 

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※女房の一挙一動を追いかけて遊びたがるラテ(笑)


それからワンコを飼うときの一番の問題は吠えることだろう。しかしもともとラテは無闇に吠えることはしないが、それでも出窓のたたきに座り込んで外を行き来する人たちや連れのワンコたちに向かって吠えている。嫌いなワンコや逆に気になるワンコが通ったり、郵便局員や宅配便のお兄さんたちが石段を上がってくると吠えるがオトーサンはそれがワンコなんだとあまり抑制するつもりはない。 
変わった点といえば、ラテが出窓から覗いているとき、オトーサン自身がその前を通ったりするとラテは猛烈に吠えたり哀願の鳴き声を上げていた。やはりオトーサンが離れていくのは不安なのだろう。 
近くのコンビニから5,6分で戻ると窓ガラスに顔を押しつけるようにしてまた吠えたものだが、最近はちょっと違うのである。オトーサンがわざと手を振りながら出窓の下を通って外出しても視線は心配そうにこちらを追い続けるが感心に吠えなくなった。これは出かけても間違いなく戻ってくることを学習し確信したからなのだろう。しかしまだまだ多少は心配しているようで、戻ってラテのいる部屋に入ると尻尾を振って歓迎してくれる...。 

こうしたいわゆる問題行動が減少したこと以上にラテの成長を感じるのは興味の対象が常に新しい事へと向くようになったことだ。例えば毎日の散歩はオトーサン主導で行う。散歩のコースはもとよりどこで一休みするかもオトーサンが決めることになっている。 
最初はラテもリードの引きが強かったが次第にこちらの意図が分かってきたようで、オトーサンの左や右にきちんと着いて歩くようになった。 
犬がいたり猫が横切ったり、カラスが挑発するかのように低空飛行でもするとラテはリードを強く引くが総じて楽な散歩にはなってきた。それが2歳を過ぎる前後からちょっと様子が変わってきたのである。 
それはオトーサンが作った散歩コース...5種類ほどあるのだが、そのコース以外の新しい道、新しい場所へ行きたがるようになり、当然その時にはリードを引くようになった。 

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※散歩も一般的には聞き分けもよくよい子に育った


物の本によれば、リードを引くのは飼い主でなければならずワンコにリードを引かれてあちらこちらと歩き回るのはリーダーシップをワンコに託したことになるという。そうしたことにならないためにもオトーサンが散歩コースを決め、それに従わせてきたのだがここのところどうもラテの様子が違ってきた。 
先日の朝の散歩時も途中までいつもの道を淡々と歩いていたが、ふと右にある石段へ登りたがる...。オトーサンはそちらを指さし「こっちへ行きたいか?」とラテに問うがラテはハアハアと息を荒くして行きたがるばかり...。 
まあ、たまにはいいかと階段を上り始めたが、どうやらラテの目的は階段そのものではなくその左側に沿って上に階段ピラミッドみたいに伸びるコンクリートの壁のようなのだ。階段からそちらに移るには簡単な手すりを超えなければならないので、一計を案じ一端階端を下り、角度が30度程度あると思われるコンクリートの坂を「ラテ、いくぞ!」と声をかけて一緒に駆け上がった。 
下の舗道を歩いていた数人の人たちは「なにバカやってんだか...」といった視線を送るが、オトーサンはラテと楽しむことに専念しているので今更他人の視線など気にしないのだ(笑)。ただし怪我をしないようにと注意をしたつもりだが、3メートルほど登って平らな部分に落ち着き、しばらくしてまたラテと共に駆け下りた。 
舗道に下り、ラテと眼を合わせるとラテは何とも言えないよい表情をしている。そしてオトーサンの右足に鼻先を密着してきたので、屈んで顔を強く撫でてあげるとマズルを開けて喜んでいる。 
明らかにこれまで体験したことのないこと、それも自分がやってみたいことをオトーサンと共有した喜びを表情で表しているようだ。 

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※散歩の後、疲れたのか床の涼しいところを見つけて爆睡する


とはいえラテの思う通りに歩いていてはいつ帰宅できるか分からないし危険な場所に入り込むことになるかも知れず、注意をしなければならない。しかしまず安全だと思う場所であるとき、少しはラテの意志を尊重してあげようかと思っている。 
確かにラテは活発で利発だと親ばか承知で確信しているが、間抜けというか滑稽な部分も持っている。 
先日のことだが朝、女房の出勤に合わせてラテと一緒に家を出た。ガードレールに沿って少々上り坂の舗道を歩いていたとき、ラテはしゃがみ込んでオシッコを始めた。朝一のオシッコでもあり申し訳ないことに量が多い...。そこが坂道だったためにラテは自分の後ろ足をオシッコで濡らし、坂道を流れていくオシッコを振り返った...。振り返ったまま歩き始めたラテだったが途端に「ゴーン」という音と共に頭をガードレールの支柱にぶつけたのである。 
「ワンコがよそ見して頭をぶつけるかぁ!?」とオトーサン達は大笑いしてラテをはやし立てるとラテもばつの悪そうな顔をしている。笑ってばかりいては可哀想だからと「痛くなかったか?」と頭を撫でるとその頭をオトーサンの足にすり寄せてきた...。 

ラテ飼育格闘日記(84)

2歳を過ぎたラテはお陰様で元気である。しかしこの梅雨空では公園で仲間と遊べない日も多く少々ストレスが溜まっているのではないかと思う。だからというわけでもないが、この子の嫉妬はなかなかのものなのである。 


飼い犬の多くは飼い主に対し、他のワンコたちがすり寄ってくると来るとすれば嫉妬するに違いない。負けじと飼い主の足元にすり寄ったり、場合によっては相手のワンコを威嚇する場合もあるだろう。 
ラテが公園に集うワンコたちといがみ合うケースのほとんどはオヤツの取り合いとある種の嫉妬からくる行動だ。オヤツの取り合いも考えれば嫉妬の一種なのかも知れないが...。 
例えばオトーサンがオヤツを取り出すとする。その周りにいたワンコはもとよりだが「ガサガサ」とバッグや紙袋などを取り出すそのしぐさや音を敏感に察知し、あっという間に数匹のワンコが集まってくる。その様は幼稚園の先生の回りに集まる園児のようで微笑ましい。しかし他愛もないことだが場合によってはここで争いが起こることもある。 
数匹その場にいるとすればオヤツをあげる順番もなかなかに気を使う。一度食べたワンコがまた並ぶこともあるし、後ろでじっと待っているワンコもいれば自己主張して吠えたり飛びつこうとするワンコもいる。無論ダックスフンドとかチワワような小型犬とゴーデンレトリーバーのような大型犬が一同に介すのだから微笑ましい反面、オヤツの挙げ方を間違えると喧嘩の原因になってしまう。問題はその一群の中にラテもいることだ(笑)。 

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※真剣なラテの表情も愛おしい


どうしても人間側としては礼儀というほどでもないにしろ、他のワンコを優先する行動を取りがちになる。他のワンコに行き渡ってから最後にラテにオヤツをあげることになるのだが、このオトーサンの行動にラテは異議を申し立てることが多い。 
問題は回りのワンコたちとの力関係も大きく左右する。仲の良い...というか遊びにおいても一目置いているコーギー犬のアポロちゃんや大好きなマキちゃん、そして取っ組み合いの遊びを見せるビーグル犬のハリーちゃん達となら先にオヤツを差し出してもラテはまったく文句を言わないが、隣に他のワンコたちがいるとオヤツを取られるという感覚なのだろうか「ガウッ」と威嚇するのである。したがってそこに新参のワンコでもいようものなら猛烈に吠えたりして大変なのだ。 
これはオヤツに限ったことではなくペットボトルの水でも同様である。ラテに水を与えているとき、先のアポロちゃんが相伴にあずかりにくるとラテはアポロに譲って大人しく待っているし、マキちゃんなら一緒に飲む。しかし近くにいた見知らぬあるいは最近会ったばかりのワンコが一緒に水を飲もうとするとこれまた猛烈に威嚇する。 
ワンコの世界もこれでなかなかシビアなのだ。 

嫉妬というか奪い合いの対象はオヤツと水だと書いてきたがもっとも面白いのは人間を対象とした場合だ。外面のよいラテは可愛がってくださる飼い主さんの足元にすり寄り、寝そべったり時にはお腹を出したりする。オトーサンに対してもこんな姿はなかなか見せないのに他のワンコのオカーサンとチューチューしている所を見るとオトーサンの方が妬きたくなってくる(笑)。 
その至福の時に飼い主さんのワンコが戻ってくるとあろう事かラテがその幸せを取られたくないからか、飼い主さんのワンコに対して「ウ~」と歯をむき出したりする。おいおいお前は誰の子だ! 

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※ラテは見かけ以上に重いんです(笑)


面白いといってはなんだが、ラテの嫉妬はオトーサンと女房の関係においてもかなりシビアなものがある。 
通常、ラテはオトーサンに対して総じて愛想が悪いというか自ら近寄ってこない(笑)。膝に乗ってきたり、足元にすり寄ってきたりするケースは残念ながらほとんどないのである。 
オトーサンが居眠りしたりすると口元を舐めたりもするし、散歩の途中で抱っこをせがむこともあるが、オトーサンは怖い存在なのか家の中で進んで抱きつくようなことはほとんどない。仕方がないのでオトーサンがラテにすり寄り「チューしろ!」と迫ったりするがラテはするべきか、しないか...身体をよじって考えた結果その場にひっくり返ったりして誤魔化す(笑)。 
しかし女房に対してはよく尻尾をブルンブルン振って飛びつくし、口元を舐めにいくし、履いている靴下を引っ張ったり着ているものを引っ張ったりとまあまあよく遊ぶ。オトーサンはそれを横目でみながら少し寂しい思いをするのである。 
ただし興味深いのは例えばラテの視線がこちらを向いているとき、オトーサンが女房の肩を抱いたりするとラテは猛烈に飛びついてくる。それも私に対してではなく女房に抗議をするのである。どうやら女房は仲間、ライバルといったポジションにあるようだ。日常一番気にして女房の一挙一動を追いかけているラテだが、いざとなればライバル視するという微妙な間柄のようなのだ。 

先日象徴的なことがあった。女房も前記したようなラテの気持ちをよく知っているから、オトーサンと一緒の時には遊びとしてラテの嫉妬を煽るようなことをする(笑)。例えばオトーサンがラテにオヤツを見せて「お座り、お手!」という。ラテはきびきびした動作でオトーサンの掌に前足を乗せるが、その時女房は面白がって自分もその上に手を乗せる...。その時のラテの慌てようは何とも面白いの一語に尽きる。 
そしてオトーサンが差し出したオヤツを女房が食べる素振りでもすれば、ラテは慌てて女房の口元に自分の歯を当てに行く。無論ワンコに対するように「う~」と唸ったりマズルに皺を寄せ牙をむくようなことは決してしないが、歯が当たっただけでかなり痛い。ともかく女房に対してもライバル意識が旺盛なことがよくわかる。そんなとき、オトーサンはラテが妬いてくれたかと心の中で「ムフフ...」と一人悦に入っているのであった。 

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※女房の口元に飛びつくラテ


なにしろオトーサンたちにとってラテにオヤツをあげながら訓練することはある種の楽しみでもあるわけだが、ラテから見れば食べ物のことであり、本能的には生きるか死ぬかの真剣勝負なのだろう。オヤツを見上げるその目は決して楽しんでいるわけではなく真剣な眼差しなのである。

ラテ飼育格闘日記(83)

先日ラテが体調を壊した。健康診断は別として怪我と下痢以外で病院に行くのはこれが初めてだった。動物病院で「まだ病気になる年齢ではない」と言われたがクシャミが続き、咳払いのような時に喘息のような息づかいをするので心配になってきた...。 


ワンコは散歩の途中などでクンクンとあちらこらち臭いを嗅いで回るが、時にクシャミのような強く鼻息を吹き出すこともある。また嬉しいときなど興奮するとハアハアと息づかいが早くなる。しかし今回どうもいつもと違うのだ...。 
まず頭がぶれるほど「ハックション!」と大きなクシャミが続く。そして咳払いのような「ゴホッ」とか「グフッ」と発したり、口吻を振るわせながら咳き込むことが多発し始めたのである。そして心なしか元気がないようにも思える。 
最初は「まあ、そんなこともあるさ」「軽い風邪かな...」と思っていたが室内だけでなく、散歩の途中でも頻度が高くなり見るからに辛そうなので心配になってきた...。 

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※オトーサンがリビングに入ると大股開きで甘えるラテ(笑)


夕方の散歩に連れ出したとき、いつものコースをたどろうとしたが自宅を出たときから咳き込むようになった。これはまずいと思い、そのままいつもの動物病院へと足を向けた。ラテは途中でうすうすどこに行くのかを理解したらしく道を戻ろうと抵抗する(笑)。それをなだめながら、時には強くリードを引きながら動物病院へ入った。 
幸い10分ほど待っただけで院長の診察が始まった。ただ症状を伝えるのがなかなか難しい。クシャミはそのままで良いだろうが、咳なのか咳払いなのかといったことは当人(当ワンコ)でないのでよく分からない。もしかしたら咽に何か詰まっていてそれが原因かも知れないと院長に説明したが、ラテは緊張からかクシャミはおろか咳ひとつしないのである。 
まず体温を計ったが39.4度で少々高く微熱といった感じらしい。ただし聴診器による検診もしてもらったが異常音などはないとのことでとりあえず安心したが、院長は「先日の健康診断のとき(血液検査)異常はなかったし、病気になる歳ではないですよ」と笑う。ラテはひと言も発せず前足をオトーサンの肩にかけて不安がっている。 
「症状は家の中だけで出ますか?」と問われたが、散歩の途中やいつもの公園で遊んでいるときにもそうした症状が出ることを告げると「それではとりあえずアレルギーとは考えられませんね」とのこと。まあ、アレルギーと言われても我が家でその原因と考えられるのは...ラテ本人くらいしかないのだが(爆)。 

ただし、これまでにない症状が出ていることは確かなので咳止めと抗生物質を3日分処方してもらい様子を見ることにして動物病院を後にした。その間20分程度だったが、ラテは大人しいだけでなく相変わらずクシャミも咳もまったくしないのである。しかし...まったく...作り話のようだが、病院のエントランスをくぐり、ドアを閉めて外に出た途端に「ハァ~クション!」と首を大きく振りながらクシャミをしたのである(笑)。院長の前でしてくれればオトーサンのメンツも立ったのに...と苦笑する。 
その日はこのまま帰宅しようとも思ったが、それではラテが不満だろうと自宅の前を通り越していつもの公園に向かうことにした。院長も通常の散歩は問題ないと言っていたし...。 
時間的には随分と遅くなってしまったが幸い仲間のアポロちゃんの姿が見えた。ラテは体調がいまいちなのか、全速力で駆けるようなことはしなかったものの短いひとときとはいえワンコ同士で絡み合って楽しんだ。 

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※散歩中のひととき、お気に入りの木の枝を離さない


問題は医者からもらった2種類の錠剤をいかにしてラテに飲ますかだ。いや、大げさに聞こえるかも知れないが子供同様好んで薬を飲むワンコは少ないだろう。ただしこれまでラテは食事の中に混ぜておけば苦もなく一緒に食べてくれたので良かったが、まずいことに今回の症例以前にそもそも食欲がない時期に入っている。 
とはいえ、まずはいつものように夕食の中に隠すように入れてみたが、食事を少し食べながらクンクンと上手に錠剤だけを食器の外に放り出してしまった。そして食事そのものにも不信感を持ったのか手を付けないのである。 

こうなればやったことはないが以前本で読んだ「薬の飲ませ方」を実践するしかない。掌にオトーサンの唾液を垂らし、そこに錠剤を浸す。そしてラテの口を大きく開けさせて錠剤を舌の奥に置き、マズルを握りしばらく口を閉じるという方法だ。そして「ごっくん」するまで待つというわけである。 
本には唾液を付けるなどということは書いてなかったが、これはオトーサンの工夫であり小さな思いやりである。その方が「ごっくん」しやすいと思ったからだ。 
この点ラテは口を開けたりしても怒ったりしないから良いのだが、薬は咳止めと抗生剤の2つなので別々に飲ませようとしたものの、一度で何をされるのかがわかったのか2度目からはすでに逃げ腰なのである。それでも口の中に錠剤が残っていないことを確かめて初日の薬の投与は済ませたが、翌日以降同じ事をしようと近づくと逃げ回る(笑)。そこでまたまたオトーサンは新しいアイデアを使ってラテをおびき寄せることに...。 
唾液に浸すのではなく、新しいバージョンはアイスクリームに浸してからラテの口元に近づけると今度は素直に口を開けた(笑)。オトーサンの作戦勝ちである。 

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※大好きな猫(ノラ)に遭遇して興奮するラテだが、猫は臨戦態勢に(笑)


こうして咳止めと抗生剤を3日ばかり服用させた効果か、おかげさまであの咳き込みやクシャミがほとんどなくなった。とりあえず再度医者に行き万一ぶり返したときのことを考えてさらに薬を数日分もらってきたが、薬と言えばこの時期フィラリア予防の錠剤も一ヶ月に一度飲まさなければならないのである。 
咳止めおよび抗生剤との併用は嫌だったので、薬を飲まない日を1日作りその翌日の夕食後にフィラリア予防の薬を飲ませることにしたが、またまたオトーサンは憎まれ役を買わなければならない。 
こうした薬類は万一ラテが誤飲したりしないようにと食器棚の扉の中にしまってあるが、今回フィラリア予防の錠剤を袋から取り出した瞬間ラテはリビングの隅、すなわちオシッコシートの敷いてある場所に逃げた...。何が起きるのかをすでに察知したのだが、状況はまさに雪隠詰めである(笑)。 
オシッコシートの上に座り込んだラテの口を開け、アイスクリームに浸したフィラリア予防の錠剤を咽の奥に入れてマズルを閉じる...。ラテが何回か「ごっくん」をやった後にオトーサンの憎まれ役は終わった。 

さてさて...これで一安心と思っていたら、夕刻の散歩時に右後ろ足を引いている...。どうやら2週間ほど前にガラスの破片を踏んで傷ついた箇所がまた出血したようだ。公園には驚くほどゴミと危険なものが捨てられていることが多いから頭に来る...。 
バカな若者たちが夜間花火で遊んだそのままを散らかし、焚き火の後もそのまま、コンビニの食べ物やその包装を散らかし、挙げ句の果てに飲み物の瓶などを割ってそのままという箇所もある。 
まったくマナー云々以前の問題だが、公園に集うワンコ達の敵は風邪でも病気でもなく、こうした人間どもの不始末を原因とした災難である。ワンコ達がそうして放棄された危険なゴミを食べたりしないように、そして危険な金属やガラスなどが落ちていないかに注意を払うのもオトーサンの役目なのである。 
しんどいことである...。

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員