WWDC 2016基調講演に寄せて
今回のWWDC基調講演は久しぶりといってはなんだが、ソフト屋の1人としてWWDCらしいWWDCだったという印象と共にAppleの強いメッセージを感じた。あらかじめの告知デザインも振り返ってみればソフトウェア以前にプログラミングを思い起こさせるフォントやデザインだった...。内容は文字通りテンコモリであり多義に渡るが、ここでは個人的に興味のあるMacに関わる情報の概要をお伝えしたい。

ティム・クックCEOは登壇してすぐ先日のオーランドのテロ犠牲者のため黙祷を行った。黙祷で始まるキーノートというのもこれまでなかったが、世情と無関係ではあり得ない米国ならずとも世界有数の企業となった責任と自負を感じさせた。
またストリーミングビデオをご覧になるとすぐに分かるがカメラが執拗に追う来場者に若い人たちの姿が目立った。これは350名もの学生を基調講演の席に招待したからだという。それもVIP待遇といってよい前列に近い席のようだ。
WWDCはデベロッパーのための祭典であることは間違いないが、Appleがそうした若い世代にユーザーとしてもまた近未来の開発側としても期待している現れだに違いない。
さて基調講演は4つのOSに沿って紹介された。その内容は事前にアナウンスされていたように「てんこもり」だったが、すべてOSにかかわることで一部に期待感があった新しいMacBook Proなどのハードウェア発表はなかった。発表は大別してwatchOS、tvOS、OS XそしてiOSの順に発表された…。
まずはwatchOS、そしてtvOS と続くが個人的に一番の興味はOS Xが macOSに名称変更されたことだ。これまた他のOS、すなわちwatchOS, tvOS, iOSといつた表記に統一感をもたらせるためだが、もともと "10" の意味を持たせた "X" だったから今後の表記が難しくなったことも変更理由の大きな点だろう。
結局Mac OSからMac OS Xになり、OS Xと改名されたものの小文字表記になったとはいえ macOS というあるべき名称に戻ったわけで、発表直後会場から大きな拍手が湧き起こったことでもデベロッパーに歓迎されていることがわかる。
macOSでみるべき点だが、起動時にiPhoneかApple Watchを身につけていればパスワード入力なしのアンロックが可能になったこと。そして噂どおりSiriがMacに搭載されたことだが、さらにSiriはそのAPIがデベロッパーに解放された。
SiriのAPI公開はiOSの紹介の場で発表されたものだが、MacでSiriが使えることを強く希望していたひとりとして、この発表が一番嬉しかった。
そしてmacOSやiOS解説の中で "ディープラーニング" という言葉が出てきたが、Siriを中心にしてAppleもより完成度の高いAIを目指していることを予測させるものだった。ちなみに先月私は「ゆうMUG」で「Apple創業40周年/Appleを理解し未来を紐解く~Appleはどのような企業なのか?」をテーマに講演させていただいたが、その中で今後もAppleが光輝き続けるためのキーワードは「どのような製品を開発しようとも AI だ」と明言した。その裏付けができたようでAppleの姿勢を好印象をもって眺めた…。
またユニバーサル・クリップボードすなわちiOSデバイスから画像などをコピーし、macOSデバイスにペーストできる機能も便利に違いないし、あとApple PayがWebからも使えるようになる...。
ただし紹介の仕方、見せ方はどうしてもこうなってしまうのだろうが「ね、いいでしょう」的な形になり最後の方になると機能そのものには歓迎だが、少々食傷気味になった(笑)。
ともあれAppleがやるべきことを粛々と進めていることはひしひしと伝わってきたなかなか良いWWDC基調講演だったと感じている。
この新しいOSの正式リリースは今年の秋と発表されているが、待ち遠しい!
■Apple Special Event. June 13, 2016.

ティム・クックCEOは登壇してすぐ先日のオーランドのテロ犠牲者のため黙祷を行った。黙祷で始まるキーノートというのもこれまでなかったが、世情と無関係ではあり得ない米国ならずとも世界有数の企業となった責任と自負を感じさせた。
またストリーミングビデオをご覧になるとすぐに分かるがカメラが執拗に追う来場者に若い人たちの姿が目立った。これは350名もの学生を基調講演の席に招待したからだという。それもVIP待遇といってよい前列に近い席のようだ。
WWDCはデベロッパーのための祭典であることは間違いないが、Appleがそうした若い世代にユーザーとしてもまた近未来の開発側としても期待している現れだに違いない。
さて基調講演は4つのOSに沿って紹介された。その内容は事前にアナウンスされていたように「てんこもり」だったが、すべてOSにかかわることで一部に期待感があった新しいMacBook Proなどのハードウェア発表はなかった。発表は大別してwatchOS、tvOS、OS XそしてiOSの順に発表された…。
まずはwatchOS、そしてtvOS と続くが個人的に一番の興味はOS Xが macOSに名称変更されたことだ。これまた他のOS、すなわちwatchOS, tvOS, iOSといつた表記に統一感をもたらせるためだが、もともと "10" の意味を持たせた "X" だったから今後の表記が難しくなったことも変更理由の大きな点だろう。
結局Mac OSからMac OS Xになり、OS Xと改名されたものの小文字表記になったとはいえ macOS というあるべき名称に戻ったわけで、発表直後会場から大きな拍手が湧き起こったことでもデベロッパーに歓迎されていることがわかる。
macOSでみるべき点だが、起動時にiPhoneかApple Watchを身につけていればパスワード入力なしのアンロックが可能になったこと。そして噂どおりSiriがMacに搭載されたことだが、さらにSiriはそのAPIがデベロッパーに解放された。
SiriのAPI公開はiOSの紹介の場で発表されたものだが、MacでSiriが使えることを強く希望していたひとりとして、この発表が一番嬉しかった。
そしてmacOSやiOS解説の中で "ディープラーニング" という言葉が出てきたが、Siriを中心にしてAppleもより完成度の高いAIを目指していることを予測させるものだった。ちなみに先月私は「ゆうMUG」で「Apple創業40周年/Appleを理解し未来を紐解く~Appleはどのような企業なのか?」をテーマに講演させていただいたが、その中で今後もAppleが光輝き続けるためのキーワードは「どのような製品を開発しようとも AI だ」と明言した。その裏付けができたようでAppleの姿勢を好印象をもって眺めた…。
またユニバーサル・クリップボードすなわちiOSデバイスから画像などをコピーし、macOSデバイスにペーストできる機能も便利に違いないし、あとApple PayがWebからも使えるようになる...。
ただし紹介の仕方、見せ方はどうしてもこうなってしまうのだろうが「ね、いいでしょう」的な形になり最後の方になると機能そのものには歓迎だが、少々食傷気味になった(笑)。
ともあれAppleがやるべきことを粛々と進めていることはひしひしと伝わってきたなかなか良いWWDC基調講演だったと感じている。
この新しいOSの正式リリースは今年の秋と発表されているが、待ち遠しい!
■Apple Special Event. June 13, 2016.
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