オリジナル時代小説「首巻き春貞」第十一巻(長幼之序)公開

「首巻き春貞」第十一巻をお届けする。いやはや、初めての時代小説ということで「首巻き春貞」を発表したのが2017年6月だったから1年4ヶ月で11巻までに至ったことになる。無論筆者自身、これほどはまり続くとは思ってもみなかったが、面白いもので物語が次の物語を誘発してくれ、主人公たちが勝手に動いてくれる感がする…。


春貞book_11

第1巻スタート時の時代設定は小石川養生所が開設された享保7年(1722年)12月のことだったから本編で早くも21年の年月が経過したことになる。
したがって史実の人物であれ創作の人物であれ死んでいく者がいて新しい誕生もある。

ここにきてつくづく思うことは例えフィクションであり筆者が生み出した人物を死に至らしめる難しさだ。
難しいというより感情移入をしてしまうためにできれば殺したくない(笑)。
もともと本作は時代小説とはいえできるだけ殺伐な話題やストーリーは避け、心安らかに読んでいただくことを念頭にいれて書き始めたが、現実は過酷で厳しく飢饉もあれば大水害も起こる。
それらは時代考証的に曲げることができないしスタートから21年も経てばそれだけ皆歳を取ることは避けられない。
したがって死なせないで済むはずもなくしぶしぶ死に様を考えなければならない。

また反対に時代に沿った新しい登場人物も必要だ。
本編では若干24歳の田沼意次がちらりと登場するし老中松平乗邑を悪役として登場させた。
そしてタイトルの「長幼之序」でご想像いただけると思うが8代将軍吉宗が隠居を考えるときがきた…。
果たして後継者は誰ですんなりと決まるのか。
史実は曲げられないもののミッシングリングを想像で埋めることができるのが時代小説を書くひとつの醍醐味に思えてならない。
ともあれ「首巻き春貞」長幼之序、お楽しみいただければ嬉しい。

「首巻き春貞」第十一巻(長幼之序)




オリジナル時代小説「首巻き春貞」第11巻「長幼之序」公開覚書

プロの小説家が作品を世に問う場合は当然ながらそれを読む読者という存在をどこかで意識しなければならない…というか意識するものだろう。しかし私が昨年6月に「首巻き春貞 小石川養生所始末」を公開したとき、不遜な物言いかも知れないが想定した読者の第一は自分であった。


そもそも小説で身を立てようとか金儲けをしようという気はあるはずもなく第一無料公開したところでどれほどの方が目を通してくださるかは大変心許ないものがあった。それに執筆動機のひとつとして自身のボケ防止も含まれている。したがってまずは1冊無事に書き終えることが第一のミッションだったし、自身が面白いと思うものでなければならなかった。

その第一巻を書き終えようとするとき私の頭の中にはすでに第二巻目のストーリーが浮かんできた。しかしその時点ではまずまず二巻やせいぜい三巻目で息切れするのではないかと考えていたことも事実だった。
何しろ1冊分を考えた場合、400字詰め原稿用紙で換算するなら330枚以上にもなる。無論全部の升目を埋めるという意味ではない。
ともかく原稿用紙を埋めていくにはアイデアとか熱意といったものが不可欠だが、それらは気力と体力にも大きく影響を受ける。
齢70歳にもなる自分にそれだけの意欲が持続できるものなのかは自分でもやってみなければ分からなかった。

首巻き春貞NO11

※オリジナル時代小説「首巻き春貞」第11巻「長幼之序」近日公開予定


若い時には歳のせいにするのは格好も良くないしどこか逃げ腰のニュアンスも感じられて好きではなかったが、実際に自分が歳を取ってみると加齢の残酷さは身にしみてくる。
いくら若いつもりでいても体が動かない。足腰は椅子から立ち上がろうとするだけで出来の悪いロボットみたいにギシギシと音を立てるし膝はかなり痛むときがある。そして根底には約20年ほど付き合っている糖尿病も抱えている。

足だけではない。手もそうだ。
肩こりはともかくとしても腱鞘炎の上に左右の指のいくつかはいわゆるバネ指状態となり曲がらなくなっている。無理に曲げようとすれば激痛が走る。したがって十代のころから親しんできたクラシックギターや近年好んでいたリュートといった弦楽器はまず弾けなくなってしまった。ただし幸いなことにキーボードはこうして打てるので原稿を書くことができている。

それから眼が見えない(笑)。ド近眼と歳相応の老眼はともかくとしても乱視と飛蚊症が加わり,その上に近年白内障と緑内障に悩まされている。一昨年は左目を白内障手術したが近々今度は右目の手術を覚悟しなければならない。
こうした状況下で時代考証の確認はもとより多くの書籍や資料を読まなければならない現状は決して楽ではあり得ない。
なんだか愚痴のオンパレードに聞こえるかも知れないが、愚痴ではなくこれが歳を取るという現実だとして甘んじて受けるしかない。

そんな自分が1年4ヶ月ほどの間に第11巻を書き上げることができたのだから「自分を褒めてあげたい」と思う。
若い時からマイコンやパソコンの世界に足を突っ込み、いわゆるライターとして多くの原稿を書いてきたし書籍も共著を含めれば18冊ほどにもなり文章を書く(入力)ことは体に染み込んでいると思っているが、前記したようにその効率はと考えれば申し上げるまでもなく体力やら気力といったものに左右されがちであり正直若い時と同じというわけには行かない。

しかし先日ふと考えたことがある。若さがこうした新しいものを生み出す原動力だとしても私にとって30代のときに「首巻き春貞」は絶対に書けなかったであろうことを…。
この年齢になったからこその妙というものもあるに違いないし年齢を重ね、読書体験も含めて良くも悪くも多くの経験をしたからこその結果とも言えるのだと思う。
だとすれば歳を重ねていくことはマイナス面ばかりではないことになる。

皆、誰でもが歳を取りいつかは消えて行く。しかしその過程というかポイント、ポイントでしかなし得ないこともあることをあらためて教えてくれたのがオリジナル時代小説「首巻き春貞」の執筆だった。

歳といえば「首巻き春貞」の主人公である松平春貞が第1巻で登場したときから今回公開する第11巻までの間に21年の歳月が過ぎたことになっている。
ということは小説の中でも世代交代は不可欠で年寄りは亡くなり、新しいキャラクタを登場せざるを得ない。
しかしいま一番悩ましいのは主人公の廻りの人たちの死を描くことだ。それらは実在の人物もいれば私の創作した人物もいるが、小説の中とは言え何だか知人が亡くなるような気がしてしばし筆が止まってしまう(笑)。
その「首巻き春貞」第11巻「長幼之序」も後一週間ほどで公開できるよう目処が立った。
ご一読願えれば幸せである。


コンパクトな収納バッグ付き軽量 折りたたみチェアは当たりだった!

小学校の運動会に呼んでいただいたのでデジカメを持って勇んで出かけることにしたが問題は私自身の体力である。だらしがないが歳でもあり、足腰がかなり弱っていることを自覚せずにはいられない。特に膝がダメでまともに正座ができないし場所取りのために敷いてあるシートに座るのが辛い…。


ということでこの際、撮影の合間の休憩時に使おうと小さくて軽くそして扱い易い折り畳み椅子はないかと探してみた。
常用するわけではないのでしばらく持てばよいといった感覚だったが、安価で良さそうな製品を見つけたので買ってみた。
あまり期待はしていなかったが、これがなかなかに使い勝手が良く、実際に役に立ったので簡単な使用感を記してみたい。

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※専用収納バックに収納した例


そもそもがアウトドア用の折り畳みチェアなわけだが、8本のフレームには航空機にも使用される超高強度6061アルミニウム合金が採用されているという。そして座面の生地は防水性の高いオックスフォード布で見かけよりずっとタフな製品である。

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※収納バックから取り出すとこんな感じ


折りたたんだ際の長さは約34センチほどで、閉じた最大幅は約7センチだ。このパイプは簡単に開き、床に置いてみると座面までの高さは約27センチで座面の縦横幅はそれぞれ22センチほどになる。
寸法で見る限り少々頼りない感じがするが、実際に座ってみると十分な高さだし座面の面積は大人でも問題はない。
それに静止耐荷重が100Kgだというのだから驚く。要は必要十分な強度である。

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※組立て広げた例


だとしても持ち運ぶ場合に重ければ負担となるが本体の重量は僅か300gであり、専用の収納バックに収めても400gと軽量であるのも嬉しい。
感覚としては少々大ぶりの折りたたみ傘といった感じだ。

この軽さとサイズなら愛犬との散歩で少々時間がかかる場所に向かうときにも携帯すればこれまでのように歩き続け、立ちっぱなしは避けられ、愛犬が休んでいるときにはこちらも座っていられるし、収納するのもあっと言う間にできるので苦にならない。
ともあれ玩具感覚で手に入れた製品だったし冒頭に記したように常用するつもりはなかったが、安価でもあり惜しげもない。これからも携帯椅子として活用するシーンは増えそうだ。






ウッディ・アレン脚本・監督の映画「カフェ・ソサエティ」雑感

DVD化を待っていたウッディ・アレン脚本・監督の映画「カフェ・ソサエティ(CAFÉ SOCIETY)」(劇場公開日:2017年5月5日)を観た。ウッディ・アレン監督の映画とえば「ミッドナイト・イン・パリ」にすっはりハマってしまった私だが、だからこそ新作のラブ・コメディにも期待を持った。


「ミッドナイト・イン・パリ」がその名の通りパリが舞台だったのに対し、「カフェ・ソサエティ」の舞台はニューヨークとハリウッドだ。相変わらずその美しいカメラワークで街並みを堪能できるが、年代は1930年代のニューヨークでありハリウッドなのが興味のあるところ。
映画は二人の女と一人の男のもつれた恋を通し、人生の選択という誰もが味わうであろう出来事をテーマにしている。

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あらすじだが、主人公のボビーが現状の生活に満足できず、もっと刺激的で胸のときめく人生を送りたいと叔父であるフィルを頼ってハリウッドにやってくる。
ニューヨーク生まれのボビーにお上りさんというのも変だが、ボビーにとって華やかで人を蹴落としてまでも名を残そうとする男女が渦めくハリウッドは右も左も分からない別世界だった。
叔父のフィルは映画業界の大物エージェントとして成功し財をなした人物だが、叔父のところで雑用係として働き始めたボビーは叔父の秘書ヴェロニカ(愛称ヴォニー)に恋をしてしまう。

付き合い始めたヴォニーとの結婚を夢見るようになるボビーだったが、実はヴォニーには恋人がいた。
ボビーはハリウッドに嫌気が差し、故郷のニューヨークに戻り成功しつつあったとき彼の前にもう一人のヴェロニカが現れる…。

本作の見所は大別して二つと思っている。
ひとつは1930年代のハリウッドおよび社交界の有様だ。ちなみにタイトルの「カフェ・ソサエティ」とは1930年代に夜ごと都会のお洒落なレストランやクラブに繰り出すというライフスタイルを実践したセレブリティのことだというが、そこに登場する人たちの言動はもとより衣裳や髪型などは興味深い。
事実映画にはシャネルが提供した衣裳や本物のダイヤモンドあるいはホワイトゴールで作られた貴重な装身具が豊富に使われているのも見所である。

二つ目はなんといっても二人のブェロニカの美しさだ。
私は演じた女優、クリステン・ジェイムズ・スチュワートとブレイク・クリスティーナ・ライブリーについて予備知識がなかったが、その美しさには魂を奪われた(笑)。その何とも美しくそして違いがはっきりとした二人のブェロニカをうっとりと眺めているだけでも得がたい映画だ…。

そういえば「ブェロニカ」という名は私に聖ブェロニカの逸話を思い出す。
ブェロニカは、十字架を背負いゴルゴタの丘へと歩くキリストを憐れみ、額の汗を拭くよう自身の身につけていたヴェールを差し出した女性の名だ。
キリストはそれで汗を拭き、ヴェールを彼女へ返した。するとヴェールにはキリストの顔が浮かび上がっていたという。こうした伝承から、絵画などに表される聖ヴェロニカは聖顔布を手にした姿で表されるのが普通だ。
しかし「カフェ・ソサエティ」に登場する二人のヴェロニカは私の心のヴェールにその美しい表情をプリントしてくれた。
俗な男としてどちらのヴェロニカが好みだと聞かれても正直答えられない。それほど二人のヴェロニカはそれぞれ個性豊かで美しい。

さて映画の出来として個人的な感想をいえば正直「ミッドナイト・イン・パリ」には及ばないと感じたが、「カフェ・ソサエティ」は大人のおとぎ話を美しく見せてくれる秀作ではあると思う。またアレン監督が自らナレーションを務めていることも楽しい。
お洒落で夢のような映画であった…。




映画「最高の人生のはじめ方」を観て

原題「The Magic of Belle Isle」がなぜ「最高の人生のはじめ方」になるのかは、「最高の人生のみつけ方(邦題)」にあやかったこと、共にモーガン・フリーマンが主演していることや監督が同じくロブ・ライナーだからということなんだろうが、実にややこしい…。


たまたま無料の動画サイトで広告に悩まされながらも「最高の人生のはじめ方」(2012年)を見始めたらすっかり気に入ったのでレンタル落ちのDVDを買ってゆっくりと鑑賞した。
歳のせいというより個人的に深刻な物語や後味が悪い映画は好みではない。映画くらい、フィクションの世界くらいは心安らかな一時を味わえないでどうするんだ…という気持があって、ラブコメディにしても後味がよい作品を好んで鑑賞している。
ちなみに "Belle Isle" とはアメリカのミシガン州デトロイトにあるデトロイト川の中央に位置している島だという。
DVDパッケージに記されているあらすじに沿ってまずは概要をご紹介しよう。

The Magic of Belle Isle

モンテ・ワイルドホーン(モーガン・フリーマン)は著名な小説家。しかし今は妻を亡くし、アルコールに溺れ、事故で車椅子の生活を余儀なくされ、創作活動への意欲も失い、孤独な日々を過ごしている。
「人生をやめたい」というモンテに、思い悩んだ彼の甥のヘンリーが避暑地で夏を過ごさせ、何とかして執筆への意欲を取り戻させようと働きかける。
向かった場所が "Belle Isle" だった。
そして運命とも言えるその場所で、彼は魅力的なシングルマザーであるシャーロット(ヴァージニア・マドセン)および三人の娘たちと交流を持つようになる。
彼女たちのひたむきさに触れるうちに、モンテの心に変化が訪れ始める。
人生の物語を書き直すのに、遅すぎることなど決してないというメッセージが心に響く。
笑いと涙で続く珠玉の物語…。
というわけだ。

見所はモンテが子供たちと接しながら心を開いていく様子と言うまでもないがシャーロットに思いを寄せ、彼女もまたモンテに引かれていくその過程だ。ジイサンのモニテと美しいシングルマザーの二人が激しく愛し合う…ということでなく、少しずつ次第に心引かれていく演技は自然で観る者に心地よく伝わってくる。

そういえば近年「最高の人生の見つけ方」「ラストラスベガス」「RED」などなどモーガン・フリーマンが出ている映画を結構観ているが、どのような役柄においてもその自然さが素晴らしい。
無論本作品の魅力はそのモーガン・フリーマンの演技と共にヴァージニア・マドセンの魅力も遺憾なく発揮されていることにあるだろう。さらに犬がとぼけた味を出しているのも楽しい。

「最高の人生のはじめ方」は、子供たちと一緒に観るのも良いだろうが、決して子供だましの作品ではない。
私にとって一度きりではなく、時折観たくなる部類の映画だった。



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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。ゆうMUG会員