ラテ飼育格闘日記(324)

前回のラテ日記で「何故に種の違う...人間とはまったく顔つきの違うこの生き物のどこがこれほど愛らしいのか...」と書いたが、いま犬と人間の深い関係についての本を読んでいる。題して「ヒトはイヌのおかげで人間になった」という些かショッキングな本だが内容は大変真面目で素敵な一冊だ。


地球上に多くの生物が存在するが、ワンコと人間との絆が特別なものだという点について異議を唱える人はまずいないだろう。
ワンコは人類最古の友ともいわれるが、なぜ人間とワンコとの絆が特別なのか...。それを膨大で緻密なリサーチと大胆な仮説で追ったのが本書である。

はるか4万年も前、狼と人は出会い、互いに教え合い、学び合うという関係を築いた。そして手をたずさえるように共進化し、狼は犬に、ヒトはホモ・サピエンスになった...というのが本書のテーマである。
ワンコと人が愛する能力を身につけたのは,両者の10万年かそれ以上の長きにわたる関係に負うところが大きいというわけだ。
一見突飛な話に聞こえるかも知れないが、多くの動物の中でワンコは人間にとって特別な存在であることは間違いない。

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※ジェフリー・M・マッソン著「ヒトはイヌのおかげで人間になった」飛鳥新社刊表紙と帯


ワンコという動物は同じ種だけでなく猫や鳥などとも友達になれる資質を持っているし、なによりも我々人間を愛する力が強いのは驚くことではないだろうか...。
申し上げるまでもなく、狼ほどのパワーはないかも知れないがラテだってその気になれば一緒に寝ているオトーサンに大怪我どころか噛み殺すだけの能力を持っている。しかしオトーサンはラテを恐ろしい生き物だと思ったことは一度もないし安心して添い寝している。
ラテの立場だってある意味で同じだ。日々「ああしてはいけない、こうしてはいけない」と小うるさい人間のオトーサンの横で安心しきってお腹を出し爆睡している。この信頼感なくしてワンコとの生活は成り立たないだろう。

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※オトーサン、アタシを呼びました?


それに例えば自分の赤ん坊をベッドに置いたまま、ワンコに子守をさせるケースも世の中には多いと聞くが、ワンコ以外に安心して子供を任せられる動物が他にいるだろうか(笑)。YouTubeを検索すればワンコが子供をあやしたり、時には泣き叫ぶ幼児にオヤツを持って行ったりという微笑ましい例が満載で珍しいわけではないことが分かるだろう...。
無論ワンコにだって例外があることは事実だが、テレビ番組で人間同様の知能を持つと騒がれたチンパンジーでさえ、成長したことが原因なのか、係の人間(女性)を襲い怪我をさせたというニュースはまだ記憶に新しい。
しかし一般的にワンコは人間が好きだ。それは幼犬時代だけでなく成犬になっても変わらない。
ワンコを知らない人にそうした事実を言うと必ずといってよいほど「それは餌を貰えると思うからだ」という意見が返ってくるがまったく間違った認識である。

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※視線の先は一緒


確かにあの人の側に行くとオヤツを貰えるという事実はよく学習している。そして例えば女房と一緒にラテを散歩に連れ出し公園に行けば数匹のワンコたちが女房を目指して駆け寄ってくる。しかしそうした事実を認めた上でもなお無償の愛情と思わせる行動に出るのがワンコの愛らしさだ。いや、それは間違いなく愛情だとオトーサンは思う。
出会うと好んで膝に乗り、ラテが抱きつかんばかりにして顔を舐めに行く数人の飼い主さんたちは餌でラテを釣ろうとしているわけではない。それを十分知っているにもかかわらず、ラテは会えたのが嬉しくまた撫でて声をかけてくれるのが嬉しくて飛びつくのだ。
第1子供たちはワンコの餌など持ち合わせていないが、初対面の女子たちにもラテは満面の喜びを表しながら近づく。

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※砂場で一暴れしながらオトーサンに笑顔を見せる


またラテは “謝る” という行為も見せる...。
先日の夜、いつものように私の隣で寝ることになったラテだったがオトーサン側に前脚を投げ出したので可愛いからとそっと触った途端に「嫌っ!」という感じで引かれてしまった。少々気を悪くしたオトーサンは懲りずに前脚を探ろうとしたら何ということか我が娘はマズルにシワを寄せ「ウ〜」と低く唸っている。
明らかに嫌だという意志だ。もしかしたら肉球でも痛めたかと思ったオトーサンは、それなら後ろ脚でいいやと(オイオイ...笑)後ろ脚を触ろうとしたした途端「ガウ!」とオトーサンの手に歯を当てにきたではないか。
オトーサンも慣れているので速攻で手を引いたし、もともとラテも本気でオトーサンを噛もうとしたわけではないがまともに歯に当たれば出血することは必定だ...。

さすがにオトーサンも「オトーサンに向かって...こいつめ!」と頭にきたが張り倒すわけにもいかず無視作戦に出た。その直後から目を合わさず声もかけないようにする。まるで今のことはなかったかのように振る舞った。
起き上がったラテはそのまま気持ちを落ち着かすように女房の布団を一回りしてから、オトーサンの布団を跨いで近づき、面白いことにふて腐れていたオトーサンの口元を2度連続でペロッとやって自分の寝床で再び横になった...。
普段オトーサンには口にオヤツでも入っていない限りチューなどしないラテなのだが、明らかに「ガウ!」の行為は行き過ぎだったと反省したに違いない。
人間の思考とは些か違うかも知れないが、そのシチュエーションを考慮すればラテは少なくとも自分の行為を繕うためにオトーサンの口元を舐めたとしか考えられない。

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※素敵な夕焼け空の下、ラテと帰宅を急ぐ...


事ほど左様にワンコは我々人間の感情を常に観察し、読んでいる生き物だ。そして我々が喜んでいるのか、あるいは悲しんでいるのかをも敏感に察知している。
オトーサンたちが楽しそうに笑っていればラテも上機嫌なことが多いし、女房がテレビドラマを観ながら涙を流していれば心配してその顔を舐めにいくラテである。また反対に我々人間もワンコの行動や態度をある程度推察できるからこそ一緒に生活できるのだろう。
そうした我々人間とワンコは擬人化うんぬん以前に種が違う生き物であるにも関わらず心の交流ができ、真に友達になれる間柄なのである。

「ヒトはイヌのおかげで人間になった」という本は、そうした人とワンコとの絆が他の生き物と比較してもなぜ強いのかを明らかにしてくれる素敵な一冊である。
オトーサンの頭の中が整理できたら、また機会を見てもう少し詳しくご紹介したいと考えているがワンコ好きな方にはお勧めの一冊だ。

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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員