いまや「TV会議」といった言葉は死語だろうが、私はSkypeやFaceTimeといった画期的なテクノロジーが確立される以前からなんとか金を掛けずに遠隔地と通話・会話をできないかを試行錯誤してきた一人である。 それはビジネスの最前線にいた1990年代、超マイクロ企業ながら縁あってというか、本社は新宿で支店が札幌という環境になっていた。 1番の問題は遠隔地故、仕事の進捗状況や社員らの日々の思いが本社にいる私に伝わらない…伝わりにくいことだった。いまこの場に相手がいるなら、即具体的な話しを相手の顔色を読みながらできるが札幌では如何ともしがたい。※Kenko マルチアングル 4K Webカメラ(KZ-DC4K)パッケージ 私にできることは日々なんらかの理由を付けて支店に電話をするだけでく、月1度札幌支店に出張し様子を伺うことだった。 出張も業務を予定通りに進行させるために重要な行動ではあったが、問題は費用が嵩むだけでなく私の時間が束縛されることだった。同時に電話による意思疎通は月額料金がマイクロ企業として無視出来ない高額になり得ることだった。 勿論当時も大規模ないわゆるTV会議システムは存在した。ソニーと取引があったこともあって品川の同社ビル内に備わっていた立派で豪華なTV会議システムを見せていただいたことがあったが、我々には無縁のものだった。 ちなみにP2P技術を使ったSkypeが登場したのは2003年であり、その年の11月に私の会社は解散したので間に合わなかったわけだ…。 しかし怪しいソフトウェアと雑な機器で遠隔地と金を掛けずに通話ができるという技術的な風潮はあったし、個人的に手に入るモノを次々と試しつつ落胆していた日々を送っていたから現在のFaceTimeやZoomの台頭はとても眩しく映るのだ。 さて前置きが長くなったが、久しぶりにウェブカメラを買った。これまで愛用していたIPEVO書画カメラが具合悪くなってきたからだが、今般はケンコー(Kenko)マルチアングル 4K ウェブカメラ(KZ-DC4K)にした。 特別新製品でもないしデザインがこれまた素晴らしいというほどでもないが、4K仕様とそのフレキシブルな使い方ができる点に注目した。※アングルが自在になるのが使いやすい 私の場合、ほとんどのオンライン会議の場合、自身の姿を捕らえるのはM1 iMac 24インチのフロントカメラだ。これは画質もかなり綺麗なので他のウェブカメラの出番はないが、ただひとつアングルを変えるにはiMac本体を動かすことになり現実的ではないのでそういう必要性がある場合はケンコーKZ-DC4Kを使う…。※パソコンとはUSB接続 ただし色味はiMacのそれと違うが画質的には十分だ。 ともあれケンコーKZ-DC4Kの主な出番はオンライン中にいまここにある…机上にある…ガジェットや資料などを見せたい場合にカメラを切替ることで相手に説明できる点で便利だ。※書画カメラとしても必要十分な機能を持っている アングルが自由だし書画カメラとしての撮影エリアも最大A3のサイズをカバーしているので十分なのだ。また一般的な印刷物の場合、小さな文字もきちんと読める解像度を持っているのでオンラインによる資料説明もまずまず実用となる。※手元の資料なども相手に伝えることが出来る KZ-DC4Kの顔となるカメラ部位はどこか映画「2001年宇宙の旅」に登場するHAL9000を思い出すがカメラの上部にはマイクロフォンが、下部にはLEDライトが装備されている。また背面にはオートフォース&反転ボタンとLEDライトボタンがあり明るさを3段階に調節可能だが、照明としては些か弱い。なおカメラヘッド部位は180°まで回転できる。※カメラ部位のフロント(上)と背面(下) 実際にM1 iMackの脇前面辺りに置いてみたがカメラ部位の他はフレーム枠であるからして視覚の邪魔にならないことに気づいた。良い意味で存在感が薄いのだ。 とはいえ全体はアルミ製でしっかりと出来ており、柔な感じはしない。また完全に折りたためば厚さは14mm、重さ365g なのでバッグに入れてノートパソコンと共に持ち歩くにも苦にならないだろう。※折りたたむと厚さ14mmほどの板状になる 最後にスペックをご紹介しておくが、イメージセンサーは1/3.06型CMOS、総画素数:1322万画素、有効画素数:1313万画素、レンズ:f=3.37mm F2.2、焦点距離:23.2mm(35mmフィルム換算)、撮影距離:0.1m~∞、ホワイトバランス:自動、手ブレ軽減機能:なし…といったところだがパソコンとの接続でドライバーは不要である。 なおパソコンの動作環境はmacOSの場合 12.0.1以降、Windowsの場合はWindows(32/64bit)~10(32/64bit)/Windows11 とのことだ。■Kenkoマルチアングル 4K Webカメラ
2021年10月に初めてレーザー加工機を手にしてからこの度4台目を迎えた。今回手にしたのはパーソナルユーザーだけでなくスモールビジネスの現場でも使え、機能や使い勝手もこのクラス最高・最良に属する xToolのM1という製品である。今回はその xTool M1 の魅力の概要をご紹介してみたい…。※xTool M1の化粧箱は附属品も含むのでかなり大きい xTool M1は、レーザー加工とブレードカッティングという2種類の加工を1台で実現できる革新的な製品だ。ということはこれまでレーザー加工機では扱うことができなかった素材を刃(ブレード)で切断することができるようになった。また、高解像度カメラとAIヴィジョンアルゴリズムを利用した独自開発のソフトウェアが、従来のレーザー加工機では実現できなかった革新的な機能を提供してくれる。 製品をレーザー加工機単体として見ても、その出力や精度は業界トップクラスの水準を満たすものであり、xTool M1は、家庭でのDIYからオフィスでの業務活用まで、あらゆる用途において活用できる製品といえよう…。※仕事部屋の一郭に設置した xTool M1 本体サイズは 557×453×230mm で重量は約 9.8kgだ。完全にユニット内は隠されており上部の蓋を閉じていればレーザー加工中に光源を覗いても安全だというし、そもそも可動中に蓋を開けると動作が停止される。 なお加工エリアはレーザーの場合は385×300mmでブレードの場合は365×300mmだ。 まずは最初に概要を知っていただくため、主なスペックを簡単にご紹介してみる。なお製品にはレーザー出力が5Wと10Wの二種類があるが、私が手に入れたのは10Wのそれであり以下スペックも出力ワットが違うだけで後のスペックは5W製品でも同じ…。 ① 組立済み ② CO2レーザーでは無く半導体レーザー ③ レーザー出力は10W ④ レーザー加工の他、ブレードカッティング機能搭載 ⑤ 安全な密閉型設計 ⑥ AIカメラ内蔵 リアルタイムプレビュー。位置合わせを視覚化できるだけでなく。専用ソフトXCS(xTool Creative Space)で多くの素材の加工を一度に完成させることができる。 ⑦ オートフォーカス オートフォーカスをクリックするだけで、xTool M1が素材を処理する準備が整い、複雑な手作業から解放される。 ⑧ ワンパスで3mmのアクリル、10mmの木板を切断可能 ⑨ 動作精度は0.01mm、0.08mmまで圧縮されたレーザースポットの高精細仕様。 ⑩ ソフトウェアは専用のXCS(xTool Creative Space) といったところだが、こうして文字に書くと通り一遍な機能のように思えるかも知れないが、これまで使ってきた組立式のフレーム型レーザー加工機と比べると専用ソフトのXCSを含め大げさで無く雲泥の違いを見せつけられる。 繰り返すがAIカメラを内蔵し、レーザー加工だけでなく1.5mm厚までの革も綺麗に切断できるブレード機能まで搭載されている。そして安全性に優れた密閉型デザインだが、機能満載だけに筐体サイズは些かデカイ!※愛犬の写真をレーザー刻印してみたが、それこそ写真と見間違うほど立体感のある結果になった さて、レーザー加工機で一番面倒だと思っていたことは位置決めだ…。このエリアに刻印しますよ…といったプレピュー機能はあったにせよ思う位置にセッティングするのは気を使うものだ。しかしxTool M1なら庫内の任意の位置に置いた物品を内蔵カメラがリアルタイムにパソコン上に映し出し、ユーザーはその映像の上に刻印したいテキストなりグラフィックなりを置けば良い。 さらに同じものを複数作りたいときもXCS(xTool Creative Space)なら庫内の任意の位置、角度で置いた例えばネームタグだとしても、同じテキストやグラフィックスをその1つに置き”スマート・フィル” アイコンをクリックすれば自動的に他のネームタグ上にも配置してくれる。コピー&ペーストさえ使う必要はない!※位置決めは見たままだしスマート・フィル機能で瞬時に同じデータを複数枚のアイテム上に自動配置してくれる。専用ソフトウェアXSCの画面 ブレードカッティングの刃の交換もユニットの取り外し・取り付けがマグネットで簡単だし、ベクターデータをXCSに読み込んでサイズと位置決め、そして材質や厚さを決めれば即カッティングができる。さらに材料の厚さも通常はボタン一つで自動計測してくれる。※熱転写用フィルムをブレードでカッティングし、オリジナルTシャツも作ってみた ただし、ソフトウェアは一般的なレーザー加工機で利用されているLaserGRBL、LightBurnとは互換性がない。専用のXCS(xTool Creative Space)が用意されているが、なかなかよく出来ている。勿論Windows版だけでなくMac版も用意されている。※M1 MacBool Air用のスリーブ(合成皮革)にレーザー刻印した例 なるべく大まかに…と記してみたが機能満載、出来ることが広いので具体的な使い方や特徴については別途発信していきたい。
これまで愛用していたiPhone XRからこの度iPhone 14 Proに機種変更した。オンラインのApple Storeに注文してから約一ヶ月ほど待たされたが10月9日にやっと届いた。iPhoneそのものは日本上陸のときからのユーザーなので基本的な目的意識としては見た事もない新製品を手にすることと比べれば新鮮味が欠けるものの…やはり心待ちしていたことは確か(笑)。 iPhone 14 Proはスペースブラックにしたが、化粧箱開けたときの中身を見た瞬間「セクシー」というか大人の色気を感じる…。写真やウェブで見る色味とは当然とは言え些か違うわけだが、どこかその不思議なブラック空間に吸い込まれるような気持ち。 そしてこの待ち期間中に数個のケースや保護フィルム、MugSafe関連製品などを集めて到着を待ち受けていた(笑)。 とはいえ、今更開封の儀でもないので早速机上に旧機種のXRと並べ、直接Wi-Fiを使ってデータ転送を試みることにした。その前にSIMをiPhone 14 Proへ移したが、データ転送そのものはトラブルなく完了した。 後は格安SIMとして使っているiiJmioのサイトから機種変更のための接続設定を行う…。具体的にはAPN構成プロファイルをダウンロード・インストールするだけ…。 その後念のためネットへの接続はもとより、通話の送受信などを確認して機種変更の手続きは終わった…。と思っていたら二日後に「変だな」と気づいた事がある。 それはiPhoneに届いたとあるメッセージがiMacのメッセージには届かないとか、アクセスの際にiPhoneの電話番号を2段階認証に設定しているサイトから確認のメッセージが届かないことに気づいた。 翌日AppleCareに問い合わせたがあれこれと設定をし直したりネット接続をやり直したりしたが埒が明かない…。結局5度目の問い合わせの際に電話口に出たサポート担当者が詳しい方でやっと原因にたどり着いたのだった。理由が分かればどうということもないわけだが、そこに至るまでが長かった(笑)。 AppleCareへ連絡する前に確認した事だが、iMacのメッセージアプリを起動し環境設定からiMessageのタブを見ると着信に使用するメルアド/電話番言のリストから電話番号が消えていることがわかった。しかしこのときにはこれが原因だとしてもなぜそうなのかについての答えは浮かんでこなかった。 またiPhoneの「設定」「メッセージ」の「送受信」を確認するとメルアドはリストアップされているものの電話番号部位にチェックはされてなく「確認中…」であることもわかった。 少し冷静になって考えつつ情報を集めた、無論最終的な解決のためのヒントは5度目のAppeCareへの問い合わせでやっと分かったのたが、要はiMessageとSNSの仕組みをどこか混同していたのがそもそも問題の理由に近づけなかった原因だった。 メッセージアプリの中にiMassageのタブがあったりと、どこかでiMessageという機能はSNS(メッセージ)の一機能であるかのように感じていたのだが、本来SNSとiMessageは別物であることを忘れていた。 要はなぜメッセージはメルアドだけでなく電話番号でもアクセスし得るのだろうか…。テキスト世界のシステムに本来電話番号は異質なはずでは無いか。 AppleCareのサポート担当者からの説明に遠い記憶が甦ってきた。メチャ簡単に言うならその本来メッセージに異質な電話番号というデータを橋渡しするのがiMessageという機能なのだった。 ということはiMessageが正常に機能していないことになる。要はiPhoneのデータ移行後に起こった iOS APN構成プロファイルが正常に完了されていないのではないか…という疑惑が持ち上がった。いや、無論このAPN構成プロファイルのダウンロードおよびインストールはやったはずなのだ…。しかしあらためて「設定」「一般」「VPNとデバイス管理」の項を確認すると構成プロファイルの表記がないではないか! そこで再度iOS APN構成プロファイルのダウンロードおよびインストールをし、半日ほど待っていたら前記したメッセージアプリのiMessageタブに電話番言も登録されていた! とまあ、原因は今となっては不明だが、やったつもりが途中で戻ってしまったか、勘違いで済んだと思ったのかはともかく正常な手続きが終わっていなかったのだ。 そのiPhone 14 Proはご承知のようにカメラの進化はもとよりダイナミックアイランド、常時表示そしてiOS16で進化したロック画面のカスタマイズなどなど見るべき点も多い。特にXRからの機種変更者としてはやはりカメラの素晴らしさに喜んでいる。 iPhoneはすでに我々にとっては単なる趣味のガジェットではなくライフラインを構成する重要で大切なアイテムである。日常生活にとってなくてはならないモノだが、ふと嫌な考えが頭をかすめた…。 それは「このiPhone 14 Pro が私にとって最後のiPhoneなのかも…」ということだ。それは今年の春から二度の入院はもとより、加齢から来る他体力低下を自覚せざるを得ない身から出た思いだ。 そもそも一昔前のようにiPhoneも新機種が出る度に買い換えていた時代とは違い、その基本機能としては今のところ必要十分な性能を持っているからそうそう買い換えの必要なアイテムではなくなっている。 事実iPhone XRからこのiPhone 14 Proに替えるまでは4年という間がある。したがって己の年齢を考えると、後4年後…5年後も新製品のiPhoneを楽しめる気力と気概、体力を保持できているかは些か心許ないからである。 そう考えると眼前にあるiPhone 14 Proは益々愛しくなってくる…。
ひさしぶりに、本当に久しぶりにApple AirPodsを買った。初代のAiriPods以来だが、今回購入したのは発表されたばかりのAirPods Pro 2だ。そういえば一昔前には私もご多分に漏れずスピーカーやレコードプレーヤーに凝ったり、ドルビーがどうのこうのと五月蠅いことを言い拘っていたが、いつのころからかただただ自分の好きな音を求めるだけになってきた…。 申し上げるまでもなく音の良し悪しは機器による計測の違いは明確だとしてもそもそもが私的な体験である。友人のAが「良い」という音が私にとって良いかどうかは別問題であるからして音響機器の選択は難しい。 とはいえ振り返って見ればモノラルの玩具みたいなレコードプレーヤーにソノシートを乗せて聞いたのが私の音楽体験の始まりだし、もっと遡れば鉱石ラジオから流れる微かでノイズが入った音が耳に馴染んでいたし、それらはろくな音では無かったはずだ。しかしそのとき、音が悪いといった考えは頭の中には生まれてこなかった。 また近年は加齢のため普段己で自覚していないものの確実に高音領域は意識として聞こえなくなっているはずだ。 要はそんな育ちの耳で音が良いとか悪いとか宣うのは些か気がひけるが、オーディオ歴も古いことでもありご勘弁を願いたい…。 まず結論めくが、そもそもAirPodsに限らないもののAppleの製品は単にデザインやスペックだけを取りだしての評価は正しいとはいえない。何故ならAirPods Pro 2にしてもAppleは音の良さだけで無く我々の日常体験を豊かにしようとする方向性を重要視しているからだ。 AirPods Pro 2はそれ単体で語るのではなく当然のことだがiPhoneとかApple Watchと共に語るというか…使うことに意味がある。それらのガジェットとシームレスに楽しく便利で日常生活に不可欠なガジェットとして存在することこそAppleの願いだといえるはずだ。 そういえばAirPods Pro 2はMugSafe対応の充電器でも充電可能であり、あのAirTag同様に万一見つからない場合でも「探す」アプリでその位置をいつでも探知できる。 とはいえAirPods Pro 2 はイヤホンとして見るべき点はないという意味ではない。その次世代のアクティブノイズキャンセリングと適応型環境音除去は一世代前のモデルと比べて最大2倍の雑音を消す機能を搭載し驚くほど周囲の雑音をこれまで以上に低減できるし、今や必然となった空間オーディオの臨場感はこれまで体験しなかったユーザーのリスニング体験を新しいレベルに高めてくれる…。 AirPods Pro 2 の…というかAppleのヘッドフォンやイヤホンのサウンドは一言で言えば奇をてらったものではなくナチュラルに原音再生に近づけようと努力していることがわかる。さらにアダプティブイコライゼーションは、AirPods Proの装着状態に合わせて出力を調整しどの音も本来の周波数で鳴ってくれる。 また、ユーザーの耳の形に一段とマッチしたサウンドを再生するために、パーソナライズされた空間オーディオはiPhoneのTrueDepthカメラと連係し、ユーザーの頭の形をもとにカスタムプロファイルを作成。 さらにアダプティブイコライゼーションは、AirPods Proの装着状態をもとに、ユーザーの耳に合わせて音楽をリアルタイムでチューニング。聴いている音を内向きのマイクが測定しながら曲の低周波から高周波まで調節し、どんな時も細部まで一貫したオーディオを再現してくれる…。 さて、前振りはこのくらいにして届いたAirPods Pro 2 を早速試してみよう…。 AirPods Pro 2を購入したためApple Musicが一ヶ月無料体験できるというので一番気になる空間オーディオとして登録されている音楽をいくつか聴いてみた。 「これは凄い…」という言葉が自然に口から出た。空間オーディオはAirPods MAXですでに体験済みだが、やはり装着感が違う。心地よいとは言えAirPods MAXと比べAirPods Pro 2 はまさしく着けていることを忘れる快適さだ。 気がついたことは低音が良く鳴ることだ…。といってもあくまで自然な感じだ。 そして、ふっと顔を右に向ければサウンドの音源は左側に移る…残る。そしてスネアドラムの音のリアルさに思わずその方向へ視線を向けてしまうほどだ。 空間オーディオは我が身をサウンドに包み、その空間を漂わせてくれる。 タッチコントロールも快適だしノイズキャンセリング機能も文句の無いレベルだ。そして特に外音取り込みモードは自然で驚く。例えば外音取り込みモードにし、自分で歌を歌うなりしながらAirPods Pro 2を耳から外してみると…装着しているときとほとんど変わらない。 要は装着も自然だし違和感が無いからとAirPods Pro 2を装着したままデスク回りで様々な作業をし、背後にある3Dプリンターを動かし、部屋の奥にあるレーザー加工機のセットアップと共に換気装置をONにする。 これだけで約60dbほどの騒音環境に置かれるわけだがAirPods Pro 2をノイズキャンセリングONすれば騒音はほとんど掻き消える…というレベルになるしそのまま音楽を流せば外部からの音は気にならなくなる。 このまま電話にも出られるし、人との会話が必要ならAirPods Pro 2を外さず外音取り込みモードにすればまったく問題なく会話ができる。無論外部音を遮断するのに問題がある場合には外音取り込みモードのまま音楽を流してもよい。 したがってAirPods Pro 2を身に着ける場合、最初にやることはイヤーチップが自分の耳に合っているかを確認することだ。まれにこの種のイヤーチップが体質に合わない方もいらっしゃるだろうが、それ以外の方はイヤーチップ装着状態の機能を使い、両耳がきちんと密閉されているかを確認しよう。 それが終わればAirPods Pro 2を着けて音楽の大海へと漕ぎ出そうではないか。そこにはなにかこれまで体験できなかった新しい世界が待っているかも…という物言いは大げさだろうか。でもそう思わせるほどの楽しさ、素晴らしい体験をさせてくれるのがAirPods Pro 2だ。 ここではH2チップがどうの…といった技術スペックについてはあえて触れなかったが、AirPods Pro 2は小理屈をひねり回す前にまずは自分の耳に装着し理屈無く音楽を楽しめば良いだけのガジェットだと思う。 どのみち我々は世界にある全てのイヤホンとAirPods Pro 2の聞き比べなど出来ようもない。それなら一世代のAirPods Proと比べて…あるいはソニーの○○と比べて…といった話しは橫に置いておき、AirPods Pro 2のサウンドそのものが好きか嫌いかの判断に委ねるだけで良いと思う。 特に空間オーディオはAppleの、AirPods Pro 2ならではの体感なのであり一度そこに身を浸してしまうと抜け出せないほどの快感だ。 円安の影響もあってAirPods Pro 2は正直安い買い物ではない。だからこそあまたのYouTuberの主張だけに惑わされること無く自分の耳で、自分の判断で選ぶことが大切だと考える。
AnkerのPowerExpand Elite 13-in-1 Thunderbolt 3 Dock ドッキングステーションを手に入れた。ちなみに本原稿執筆中はメインマシンであるApple M1 iMac 24インチが修理のため不在であり、仕方なく先般3Dスキャナのオペレーション用として手に入れたM1 MacBook Airを使っている状況だった。※AnkerのPowerExpand Elite Thunderbolt 3ドッキングステーションのパッケージ M1 iMac 24インチ用としてはすでに別途wavlinkのThunderbolt 3 Dock ドッキングステーションを用意していたので、これをM1 MacBook Airに使ってみたところ非常に便利で有能なことを改めて知った。 そもそもM1 MacBook Airの能力を肌で知るにつれ、3Dスキャナ専用にするにはあまりに勿体無いと考え、サブマシンとしてもきちんと環境を整えようと考えていた矢先のM1 iMac 24インチの故障だった…。 勿論M1 MacBook AirにはそのThunderbolt 3ポートに接続するハブを用意していたが本格的にM1 MacBook Airを活用するとなると流石に心もとないし端子も不足になる。 というわけで前記したwavlinkのThunderbolt 3 Dock ドッキングステーションとは別にM1 MacBook Air用としてのドッキングステーションを揃えたいと考えた次第。※Anker PowerExpand Elite Thunderbolt 3ドッキングステーション ■なぜドッキングステーションが必要なのか 今更ではあるがM1 MacBook Airを使ってみれば最初に戸惑うのは本体左側にThunderbolt 3(USB-C)ポートが二つしかないことだ。M1 MacBook Airを本体のみだけで使う場合はともかく何か拡張性が必要な活用をと考えれば確実にポート不足は否めない。 最初に考えることは安価なUSBハブを使うことだ。そのほとんとがいわゆるプラグインプレイで動作しM1 MacBook Airのポートに挿せばUSBポートが増えたりSDカードリーダーが使えたり、あるいはEthernetケーブルが接続できたりと拡張性が大幅に進化する。 しかし現実にはデメリットもある…。 まずはM1 MacBook Air本体のポート側が幾多のケーブルやガジェットで少なからず煩雑になること、そしてこれは昨年あたりから見聞きするようになったが、安価な製品だけでなく名のあるメーカーの製品でも本体に充電を試みると場合によってはM1 MacBook Air本体を壊してしまうことがあるという話だ。 まあどのような製品でどんな場合に最悪のことが起きるかといった明確な原因究明が不明瞭なのでそのまま鵜呑みにしてはならないが、これは避けなければならない。 やはり何よりもその美しいM1 MacBook Airおよび周囲の環境をシンプルに整えたいとの希望でドッキングステーションを手に入れようと考えた。 その種のドッキングステーションならMac側にはThunderbolt 3ケーブル一本挿すだけで充電はもとより各種拡張性に富んだガジェット類が使えるからだ。 ■なぜAnkerPowerExpand Elite 13-in-1 Thunderbolt 3 Dockなのか さて、Thunderbolt 3対応のドッキングステーションをと考えた時、現状では二つの製品が候補に上がった。 一つはAppleのオンラインストアで販売され大きな支持を受けているCalDigit TS3 Plus Dockだ。その特徴は最大15個の拡張ポートが拡張されること、最高87ワットでラップトップを充電し、4K 60Kのディスプレイ2台、または最大5K 60Kのディスプレイ1台に対応していること、そしてThunderbolt 3(USB-C)ポート x 2およびUSB-A 3.0ポート5つ、さらにUHS-II SDカードリーダーやギガビットEthernetポートと充実していることなどで最強のドッグステーションとも評されている。 一方、もう一つはAnkerのThunderbolt 3対応のドッキングステーションだ。こちらはCalDigit TS3 Plusよりポート二つ少ないが、ほぼ同様なパワーと利便性を持った製品だし、Ankerは多くのモバイルバッテリーなどで常に高評価を受けてきたメーカーである。 では何故CalDigitではなくAnkerにしたのか…。無論あくまで個人的な価値観と思い込みによっての判断だが、その理由は4つある…。 ① フロント側に電源ボタンがあること こうしたドッキングステーションに電源がある意図だが、使わないときドッキングステーション本体の電源をOFFにすればセットしたケーブルなどはそのままにMacとドッキングステーションとの接続が切れ、節電にもなる。 もしCalDigitのように本体に電源がない場合でもしMacとの接続を切りたい場合にはケーブルを抜かなければならない理屈になる。※Anker PowerExpand Elite Thunderbolt 3ドッキングステーションのフロント側。上部円形部分が電源ボタン なお、電源OFFの場合でもドッキングステーションに接続してある機器のアンマウントは不要である。 ② これまたフロント側にSDカードスロットがあるが、microSDカードがあること これはmicroSDカードを使う際にSDカードのアダプターを使えば済むと考える方やそもそもmicroSDカードの使用率が低いというユーザーもいらっしゃるだろうが、私個人は案外とmicroSDカードを使う方なのでダイレクトに挿せれば利便性が良いのは申し上げるまでもないからだ。 ③ フロントはもとより、背面にもネジがない美しい仕様であること これまた些細なことだとは思うが、Mac環境を少しでも美しくを突き詰めれば背面に四つのネジがそのまま見えるCalDigitより前後どこにもネジが見えないAnkerの方が美しいからだ。実際にAnker PowerExpand Eliteを手にするとその筐体の完成度には目を見張る…。ネジはもとより繋ぎ目や組み立ての痕は全く見られない。※背面のポートレイアウト。どこにもネジなどはなく大変美しいデザインだ ④ 価格が9,000円ほど安価なこと(購入時のアマゾン価格との対比) まあ、トータルポート数がAnkerのそれより二つ多いCalDigitだからして多少でもコスト高になるといえば納得せざるを得ないが、正直この価格差は無視できない。 ■総評 というわけでまだ使用期間は短いAnker PowerExpand Elite 13-in-1 Thunderbolt 3 Dock ドッキングステーションではあるが、M1 MacBook Airの横に置いてもデザイン的にしっくりするしその機能には満足している。※M1 MacBook Airの横に置いてみてもしっくりするデザインと質感だ また私は iMac とは違いM1 MacBook Airは設置場所を固定して使うのではなく、適宜その場所を変えて利用するつもりなので、Anker PowerExpand Eliteは本来据え置き向きではあるものの携帯性にも優れ、指紋も付きにくく柔軟な使い方ができると思っている。 最後に大変デザイン的にも素敵なAnker PowerExpand Eliteだが、その電源アダプタが本体より大きなことに驚いている向きもあるが、他の同種の製品を見ても皆似たり寄ったりのサイズのようだ。それだけこの種のガジェットに安全安定した電源供給を考えるとサイズはどうしてもデカくなるようだ。※同梱品一覧。一番右が電源アダプタ ともかくこれでM1 MacBook Airを本格活用する基本環境は整った。それにしてもM1 iMac 24インチ、早く戻って欲しいものだ…。