デスクトップレーザー加工機 xTool M1(10W)ファーストインプレッション

2021年10月に初めてレーザー加工機を手にしてからこの度4台目を迎えた。今回手にしたのはパーソナルユーザーだけでなくスモールビジネスの現場でも使え、機能や使い勝手もこのクラス最高・最良に属する xToolのM1という製品である。今回はその xTool M1 の魅力の概要をご紹介してみたい…。


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※xTool M1の化粧箱は附属品も含むのでかなり大きい


xTool M1は、レーザー加工とブレードカッティングという2種類の加工を1台で実現できる革新的な製品だ。ということはこれまでレーザー加工機では扱うことができなかった素材を刃(ブレード)で切断することができるようになった。また、高解像度カメラとAIヴィジョンアルゴリズムを利用した独自開発のソフトウェアが、従来のレーザー加工機では実現できなかった革新的な機能を提供してくれる。
製品をレーザー加工機単体として見ても、その出力や精度は業界トップクラスの水準を満たすものであり、xTool M1は、家庭でのDIYからオフィスでの業務活用まで、あらゆる用途において活用できる製品といえよう…。

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※仕事部屋の一郭に設置した xTool M1


本体サイズは 557×453×230mm で重量は約 9.8kgだ。完全にユニット内は隠されており上部の蓋を閉じていればレーザー加工中に光源を覗いても安全だというし、そもそも可動中に蓋を開けると動作が停止される。
なお加工エリアはレーザーの場合は385×300mmでブレードの場合は365×300mmだ。

まずは最初に概要を知っていただくため、主なスペックを簡単にご紹介してみる。なお製品にはレーザー出力が5Wと10Wの二種類があるが、私が手に入れたのは10Wのそれであり以下スペックも出力ワットが違うだけで後のスペックは5W製品でも同じ…。

① 組立済み
② CO2レーザーでは無く半導体レーザー
③ レーザー出力は10W
④ レーザー加工の他、ブレードカッティング機能搭載
⑤ 安全な密閉型設計
⑥ AIカメラ内蔵
 リアルタイムプレビュー。位置合わせを視覚化できるだけでなく。専用ソフトXCS(xTool Creative Space)で多くの素材の加工を一度に完成させることができる。
⑦ オートフォーカス
 オートフォーカスをクリックするだけで、xTool M1が素材を処理する準備が整い、複雑な手作業から解放される。
⑧ ワンパスで3mmのアクリル、10mmの木板を切断可能
⑨ 動作精度は0.01mm、0.08mmまで圧縮されたレーザースポットの高精細仕様。
⑩ ソフトウェアは専用のXCS(xTool Creative Space)

といったところだが、こうして文字に書くと通り一遍な機能のように思えるかも知れないが、これまで使ってきた組立式のフレーム型レーザー加工機と比べると専用ソフトのXCSを含め大げさで無く雲泥の違いを見せつけられる。
繰り返すがAIカメラを内蔵し、レーザー加工だけでなく1.5mm厚までの革も綺麗に切断できるブレード機能まで搭載されている。そして安全性に優れた密閉型デザインだが、機能満載だけに筐体サイズは些かデカイ!

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※愛犬の写真をレーザー刻印してみたが、それこそ写真と見間違うほど立体感のある結果になった


さて、レーザー加工機で一番面倒だと思っていたことは位置決めだ…。このエリアに刻印しますよ…といったプレピュー機能はあったにせよ思う位置にセッティングするのは気を使うものだ。しかしxTool M1なら庫内の任意の位置に置いた物品を内蔵カメラがリアルタイムにパソコン上に映し出し、ユーザーはその映像の上に刻印したいテキストなりグラフィックなりを置けば良い。
さらに同じものを複数作りたいときもXCS(xTool Creative Space)なら庫内の任意の位置、角度で置いた例えばネームタグだとしても、同じテキストやグラフィックスをその1つに置き”スマート・フィル” アイコンをクリックすれば自動的に他のネームタグ上にも配置してくれる。コピー&ペーストさえ使う必要はない!

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※位置決めは見たままだしスマート・フィル機能で瞬時に同じデータを複数枚のアイテム上に自動配置してくれる。専用ソフトウェアXSCの画面


ブレードカッティングの刃の交換もユニットの取り外し・取り付けがマグネットで簡単だし、ベクターデータをXCSに読み込んでサイズと位置決め、そして材質や厚さを決めれば即カッティングができる。さらに材料の厚さも通常はボタン一つで自動計測してくれる。

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※熱転写用フィルムをブレードでカッティングし、オリジナルTシャツも作ってみた


ただし、ソフトウェアは一般的なレーザー加工機で利用されているLaserGRBL、LightBurnとは互換性がない。専用のXCS(xTool Creative Space)が用意されているが、なかなかよく出来ている。勿論Windows版だけでなくMac版も用意されている。

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※M1 MacBool Air用のスリーブ(合成皮革)にレーザー刻印した例


なるべく大まかに…と記してみたが機能満載、出来ることが広いので具体的な使い方や特徴については別途発信していきたい。



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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員