ラテ飼育格闘日記(8)

本タイトルに「格闘」の2文字が入っているが、洒落ではなく実態である(笑)。しかし犬を飼うことがこれほど大変で、これほど楽しいものかは、実際に飼ってみるまで分からないものだ...。


ペットショップで生後2,3ヶ月の子犬を手に入れるケースと、ラテの場合はいささかその行き掛かりが違う。だから強い気質などは特異なことかと思ってもみたが、犬の飼い主は皆さんそれなりに苦労されているようだ。
朝の散歩時に同じくワンコを連れたお二人に出会った。一級河川脇の遊歩道で、男性3人とワンコ3匹が談笑するというなかなか楽しい出会いである。そのうちの一匹は見るからに大人しそうなビーグル犬だったので、私が「大人しいですね...羨ましい」というと、その飼い主は「いやあ...」と笑いながら「正直当初は大変で、一瞬捨てようかという気持ちになったことがありました。一ヶ月で白髪が増えましたから...」と告白...。
皆さんそれなりに苦労をされているのかと思えば、大変なのは自分だけではないと前向きの姿勢になってくる。
何しろまだまだラテは100%私のことをリーダーとして認めているとは思えない。一ヶ月程度では無理なのか、はてまた私の接し方がまずいのかは分からないが、文字通り毎日が格闘なのである。

先日など、人通りの多い場所を通過するため、リードを極端に短く持ち、ラテの行動を大幅に制限して百数十メートルを歩いた。ラテはそれが気にくわなかったらしい...。
途中で私の背中に飛びつき、歩きながらも体当たりしながら抗議を続けるのである(笑)。
明らかに嬉しいときの飛びつきとは違い、「何するんだよ!」とでも言いたげな強力な体当たりが十数メートル続いた...。人通りのない所なら張り倒すところだが(笑)、何か飼い犬に蹴りを入れられながら歩いているようで、おかしさと恥ずかしさで怒る気も失せた。

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※散歩中のラテ。その振り返った眼差しは何か文句を言いたいみたいだ(笑)


また私は歩きながらリードは左手に、そして右手にはご褒美用というか、訓練用のために小さな餌を持つことにしている。拾い食いを止めさせるとか、ラテの気をこちらに向けさせるといったとき、効果的に使うためだ。しかしラテは私の右手にそれがあることを知っている。だから思いついたときに右手に飛びかかったりするわけ...。無論噛んだりはしないが、歯が当たっただけで痛いのである(笑)。そんなときも通常は無視する。
要求したらおやつを貰えると思われてはまずいからである。
しかし、無視が長く続くとラテは切れる(笑)。例の飛びつきをやったり、それでもこちらが無視して歩き続けていると、今度はジーンズの裾を噛んで歩くのを邪魔する。無論飼い主の威厳を保つため、簡単にワンコに屈してはならないからリードを引き、無視を続ける。それでも言うことをきかない場合には、立ち止まって「ダメ!」と諭したり、ときには手加減しながら張り倒す!

多くのワンコ育児書には「体罰はぜったいにいけない」とあるが、暴力ではなく教育の一環として、やむを得ないときには体罰的なこともワンコには必要ではないかと思う。これまで無闇に体罰を実践したわけではないが、この頃ではいたずらをしたり、興奮して暴れ回るときに「ダメ!」と手をあげるだけでラテは「くう〜ん」と伏せながら腹を出すようになった。
ちなみに「Dr.野村の犬に関する100問100答」という本の中で「野村獣医科V CENTER」の病院長、野村潤一郎氏は「憎くてぶってはいけない」としながらも、「時には体罰は必要だ」と言っている。でも、タイミングを外さずに現行犯のときに人間の手でぶつこと。道具で打ってはいけない。
ワンコに対して無視したり「ダメ!」と怒鳴っただけで問題が解決するなら、こんなに簡単なことはないが、その行動が叱られるべき行動なのだと教えなければならない。

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※メディアファクトリー刊「Dr.野村の犬に関する100問100答」


そんなとき偶然、テレビで昔ソニーのCMで有名になった日本猿の初代チョロ松が死んだというニュースがあり、その関連で昔の映像を綴ったドキュメンタリー番組をやっていた。調教にあたり、猿に調教師の方が上位なのだということを教え込むのが基本とかで、暴れ回る若いチョロ松を調教師が強く押さえ込んでいるシーンがあった。
そのアップになった調教師の村崎五郎さんは...なんと泣いているのである。泣きながらチョロ松を押さえ込んでいる...。感動!
いじめのために打つのではない。人間社会の中で生きていくためにはワンコも行き交う人たちに迷惑をかけないように、共存を認めてもらえるように教育していかなければならない。ワンコはそれに応えることができる知能の高さを持っているという。だから、時には暴力ではなく...死語になったが...愛の鞭も必要ではないだろうか。
そういえば、私なんかも子供の頃は父に殴られたものだ。

さて、散歩の途中に靴紐が解けてしまったので立ち止まり、ラテに「待て」と声をかけてしゃがみ込む。ふと肩を叩く気配に顔を向けるとラテが私の背中に前足を乗せてノビをしながら、肩越しに向こうを眺めている...(笑)。思わず「おい!飼い主を踏み台にするな!」と怒ると、すまなく思ったのか、ラテに向けた私の顔をベロベロ舐めた...。その上、ラテの舌はそのまま私の口に入ってしまう。
舐められるのを嫌だとは言わないが、ディープキスは止めてもらいたい!なぜなら直前に彼女はその舌で自分のお尻を舐めていたはずだ...(爆)。
また、私は普段はメガネを使っていることもあり、ラテの唾液で視界ゼロの状態になってしまうこともしばしばなのである...(笑)。

でもねぇ...いつも真剣できつい目つきのラテが、彼女なりに嬉しそうな顔をして私に飛びつき、顔をペロペロするのを止めろとばかりは言えない。その滅多に見せない笑顔を見るとお父さんはジーンときてしまうのである。
先日、ラテが来てから初めて札幌に一泊するため家を空けた。その間、女房に世話を頼んだが、一日半後に戻ったときのラテの顔は忘れられない。目を細めて口を大きく開け、シッポをブルンブルンしながら飛びついてきた。そして私の顔を唾液でいっぱいにしてくれた。
私の視界が歪むのも、あながちラテの唾液のせいばかりではないのである...。

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員