ラテ飼育格闘日記(295)

ワンコ最大の魅力は何だろうか? これはワンコを飼っている人なら頷いてもらえると思うが、ワンコが我々人間と生活していく上での一番の魅力は明らかにその目力…視線の浴びせ方である。その魅力的な流し目や凝視といった視線は杉良太郎も真っ青なのだ(笑)。無論その視線は常に我々をよく観察している。                                                                                                                      
以前TVでワンコとオオカミの比較…違いを実験するという番組を見たが、一番感心したのはオオカミは人、すなわち我々人間を当てにしないが、ワンコは自身でどうにもならないこと、して欲しいことを人間に知らせて目的を遂げる能力があるということだった。
どういうことかというと、そのTV映像では檻の中に肉片を入れておくが、それは一見取れそうなのだが実は届かないように工夫がしてあるという意地悪な実験だった。
その前に放たれたオオカミ…オオカミといっても人間に育てられているオオカミなのだが、当然のことながら知力の限りを尽くしてその肉片を取ろうと工夫する。しかし癇癪を起こしても焦ってもどうしても取れないとなると諦めるしかない…。それがオオカミの行動だった。

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※豊かな表情とボディランゲージでラテはオトーサンたちに話しかける


同じシチュエーションにワンコが置かれるとオオカミとどのような違った行動に出るかに興味があるわけだが、無論ワンコだってオオカミと同じく、脚を伸ばし、檻のあちらこちらを探って入り込める隙がないかを確認するが当然のことながら目的を達することができない。
ではワンコはオオカミと同じくその場から離れて諦めるか…。
期待通りというか、ここでワンコはオオカミにはできない行動を起こすのだ。
それはそれを観ている人間の側まで歩んでから檻の近くに行き「ワンワン!」と吠え出すのだ。鼻先を檻に向け、視線を肉片にやってからその視線を人間の視線に合わせ「ねぇねぇ、お願いだからあの肉取ってほしいの」と哀願するのである。

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※散歩から帰り、身体を綺麗にした最後のブラッシング。ちゃあんとお腹もブラッシングするのです


その人間に協力を求める、あるいはいい方を変えるなら、人の力を利用して目的を達成しようとする能力こそワンコ最大の武器ではないだろうか。
その上、ワンコは自身にとって有益な…協力者と非協力者をきちんと区別し行動する…。驚いたことに例えばワンコの大好物を持った人間が実験者として座っていた場合、顔を向こうに向けていたり目隠しをしているとワンコは食べ物に近づく衝動を抑えるという。しかし近くに目隠しをしていない人がいればワンコはその人のところに近づきねだるのだ。
よくワンコの飼い主たちは…オトーサンを含めてだが…食事中にワンコが人間の食べ物をせがんで困ると文句をいうが、ワンコが食べ物をせがむのは我々飼い主自身がワンコにアイコンタクトをしているからだという。
科学者たちによるこうした「ねだり行動」実験にはさまざまなバリエーションがあるそうだが、当初その対象はチンパンジーだったものの、驚いたことにワンコに対する実験の場合、ワンコはチンパンジーより成績が良かったという。
ワンコは我々と同じく、目を見ることのできる相手に向かって話しかけ、おだて、誘い、せがむのを好むのである。

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※散歩から帰り、痛い右前脚の肉球をかばいながら一息入れるラテ


さらに興味深いことに、ワンコはこうした観察と知識を日常駆使して生活していることだ。これはワンコの飼い主なら日々経験していることだが、ワンコは私達がいつ自分たちに注意をはらっているかを理解するだけでなく、飼い主の注意の状況に応じて、自分の判断で勝手にできるかどうかを敏感に感じ取る。
例えば伏せを命令されて大人しく従った後の行動についての実験だが、3つの異なる状況で観察がなされた。
一番目の実験では飼い主が立ってワンコを見つめている。この場合にワンコはまったく従順に伏せたままだった。二番目の実験では、飼い主は座ってテレビを見始める。このときワンコは躊躇いを見せたものの、しばらくすると命令に背き立ち上がった。
そして三番目の実験では、飼い主は「伏せ」の命令後、飼い主はワンコを無視して部屋から出てしまう…。この最後のケースでワンコはいち早く命令に背きその場を動いた。

ここで注目すべきは飼い主が出ていった後にワンコが命令に背いたということではない。ワンコは我々人間がどの程度(ワンコを)注視しているかを正確に知り、それに応じて行動を変えた事実である。
こうした行為は人間の二歳児、チンパンジー、サルにはできるものの、他の動物には決して出来ないことだという。ワンコは飼い主の注意のレベルを系統的にとらえ、どういう状況なら飼い主に言われたことに背いても大丈夫なのかを考えるのだ。
では飼い主がその場で注視していることを映像や音声で示したら効果があるだろうか。
例えば飼い主の等身大デジタル映像をワンコの前で見せるとかスピーカーから飼い主の声を聴かせるという方法でワンコを従わせることができるのだろうか…。
驚いたことに実験ではビデオによる映像で食べ物のありかを指し示したときにワンコはその指示をたよりに食べ物を見つけることができるが、ビデオ映像やスピーカーからの飼い主の言葉に従うことはほとんどなかったという。ワンコはそこに飼い主の映像があるにも関わらず、彼らは一人でいるのと同じようにふるまった。
オトーサンもこうした映像によるテストはできないものの、別室からオトーサンの声をラテがいる部屋に置いたスピーカーから出して色々と命令をしたことがある。しかしラテは最初だけ何事かと反応したもののその指示にはほとんど従わなかった(笑)。そこにオトーサンがいないことを理解していたのだろう。
我らの友、ワンコは我々が考えている以上に利口なのだ。

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※オトーサンが肉球の治療にと薬や包帯を持って近づくとどういうわけかラテはお手をしてくれる(笑)


そんな感じでオトーサンの存在を常に意識していることは間違いないラテだが我々を利用しようというだけではないのがワンコの素敵なところだ。
例えばラテと散歩中にオトーサンの足を鼻面でツンと突く。そのオトーサンとアイコンタクトしているラテの顔を見ると何をしてもらいたいのかは大体分かるのだ。
大げさに舌なめずりしている場合は「喉が渇いたので水が飲みたい」ということだと解釈しているのでオトーサンはバッグから冷やした水を入れたペットボトルを取り出し、ワンコ用のコップになる容器で水を飲ませる。
喉を鳴らして美味しそうに水を飲む姿も可愛いが、愛らしいのは容器を持っているオトーサンの指をペロリと舐めることだ。コップ型容器といっても水を飲むのに不便なほど小さいものではないから、ラテが間違ってオトーサンの指を舐めたわけではない。意識してペロリと舐めるのである。
それは「アリガト、オイシカッタヨ」というサインだとオトーサンは考えている。なぜなら飲み始めや途中ではなくかならず容器から離れる直前…最後にペロリと来るからだ。

【参考資料】
・アレクサンドラ・ホロウィッツ著「犬から見た世界」白揚社刊
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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員