ラテ飼育格闘日記(64)

ラテが最初の飼い犬であるオトーサンには他のワンコとの細かな比較はできようもない。しかし散歩のために出向く公園で会ういろいろなワンコを見ていると親ばかは承知で言うなら、ラテは確かに感情表現が豊かだと思うのだが...(笑)。 


ワンコを飼う前はどのようなワンコも大して違わず、ワンコはワンコだというようなアバウトな見方をしていたが実際に一緒に生活しているとその特性が目立ってくる。よくよく考えればワンコだって我々人間同様に1人1人...いや一匹一匹がオンリーワンの性格を持っていて当然なわけだが、一般的に犬種により遺伝的な特性が強い場合もあり実際にはなかなか複雑なようだ。 
例えばビーグルやゴールデン・レトリーバーのような本来非常に社交的なワンコをより社交的にすることは容易だが、チワワやチャウ・チャウといった孤独を好む犬種を社交的にすることは大変難しいという。だからボーダー・コリーとビーグルはそもそも遺伝として受け継ぐワンコらしさは違うわけだ。その点ラテは良くも悪くも犬種依存の行動パターンは雑種が故に希薄のような気がする。犬種のDNAに縛られるより、親から受けついた性格やそれまでの経験体験や後天的な教育により大きく影響されるように思えてならない。 
ただしラテが我が家に来ることになった際、お世話をしてくださったボランティアのKさんからラテの性格に関する情報とアドバイスをいただいた...。 

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※夕日を浴びてキツツキが公園にある大きな桜の木を「コンコンコン」と叩いていた


それによれば、ラテは「少し臆病なところがあること」「甘え上手であること」「内弁慶」そして「感情表現が豊かでオーバーというかはっきりしている...」ということだった。特に甘え上手なので「ラテの罠に掛からないようお気をつけてください」という忠告もいただいた(笑)。 
オトーサンもラテと1年以上一緒に生活する中で「なるほど」と思うことが多々あるものの、ワンコを飼ったのは始めてでもあり、他のワンコとの正確な比較はできない。ただし毎日会うラテの友達ワンコたちを見ているとラテの感情表現は豊かだという感じは十分に受ける。その表情も嬉しいときと仏頂面の格差は大きい(笑)。 

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※散歩途中で小学生たちに会い嬉しさのあまりあられもない姿に(笑)


先日なかなか楽しいことがあった。食後のデザートを食べていたらいつものことだがラテが近寄って欲しがる...。ほんの少しラテにも舐めさせたが食べ終わった後もラテの目はランランである(笑)。何故かといえばデザートが入っていたプラスチック製の容器が魅力なのだ。その容器の内側についているデザートの残りを舐めるのはともかく必ずや容器に歯を立てて穴を開け潰したり壊したりする。それが楽しみなのだが容器の材質によっては割れてラテの口吻を傷つける場合がある。その上、小さなかけらになればもしかするとそのまま飲み込んでしまう可能性もあり危ないのだ。 
だからオトーサンは、材質に粘りがあって穴は空いても割れにくいものなら目を離さないように一時的なラテのオモチャにする場合もあるが、割れやすいものは渡さないようにしている。 

その日のデザートの器は透明度は高くて綺麗だが、明らかに割れやすいものと判断したオトーサンはラテの視線を無視してテーブルの奥に置いた。そのとき脇に座っていたラテは猛烈な文句を言い始めたのである(笑)。お座りしたまま身体をオトーサンの足にぶつけるようにして近づき「ウォウォウォ~ン」とクレームをつけた。明らかに「それ頂戴」ということだ。 
オトーサンはラテと視線を合わせ「これは危ないからダメ!」と言い聞かす。普通なら諦めて引き下がるはずのラテは明らかに不服だと言わんばかりに「オン...ウォ~ン」と言い返すではないか。 
オトーサンは面白いと思いながらも少し語調を強め「オトーサンがダメだと言ったらダメでしょ!」と言い返した。無論こちらの言い聞かせがそのまま伝わるとは思わないが、ダメだと言われていることはラテに分かっているはずだ。 

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※冬毛も黒く伸びて立派になったラテ。あっ女の子なんだが...(笑)


この日のラテはどういうわけか簡単に引き下がらない...。口先をテーブルの上にある容器の方へツンと向けながらオトーサンに向かって「アン...ウォン...オーン」と甘い声を出す。まるで「ねぇ、そんなこといわないでちょーだい!」と言っているようだ。ただしラテも容器に突進するといった強硬手段はとらない。そんなことをしても目的は達せられないどころか本格的に叱られてしまうことを分かっているからだ。 
オトーサンは続けて「ダメだと言ったらダメ!これは危ないんだよ」とボディランゲージを交えて言い聞かせるがラテはまだまだ諦めない(笑)。オトーサンを見つめ、お座りをしながら「オン、オン、ウォ~ン...ワン」と吠える。それは「だっていつもは遊んでいるじゃない?」と言っているように聞こえる。 
「今日は別なの!ダメなのはダメ」とオトーサンは威厳を持って対抗する...。 

こうしたやり取りが5,6回続いたが、こんな事はこれまでなかったことなのだ。さすがに面倒になりオトーサンは「ラテ退場!」とリビングを指さして立ち上がった。女房は「何が退場なんだか...」とくすくす笑っている。 
ラテはしぶしぶその場から離れてリビングへ行き、ワンコ用のガムを噛み始めた。どうもまだ納得いかないようだ。 
オトーサンは少し可哀想になり、ラテをいつものように抱き上げ強く抱きしめてやった。すでにラテの表情は眠そうなそれでいて満足そうな顔に変わっていた。そしてオトーサンの耳をぺろりとした後に「クウ...」と咽を鳴らしながら大きなアクビをした。どうやらラテは遺恨を後まで残さないタイプのようである(爆)。 
オトーサンはラテを抱きながらまさしくラテと会話をした満足感を味わっていた。 

「マックと私の10の約束」MacTech Lab.版公開(笑)

「犬と私の10の約束」という本が映画化されて話題になっている。そのストーリーの中核をなしているのが欧米で詠み人知らずの文章として認知されている “THE TEN COMMANDMENTS of dog stewaerdship” すなわち犬を飼う人の十戒だ。今回それのパロディとして「マックと私の10の約束」を作ってみたので公開する(笑)。


その “THE TEN COMMANDMENTS of dog stewaerdship” という犬と共に暮らしていくうえで、とても大切な言葉については昨年(2007年8月)の「ラテ飼育格闘日記(38)」にご紹介してあるのでまだご存じでない方はご一読いただきたい。 
ところで「犬と私の10の約束」に紹介されている10カ条は原文と比較すると大変簡素な文章に編されているが、いずれにしても犬好きの人ならこの10カ条を読んだだけで目が潤んでくるに違いない。そして映画の予告編だけで十分泣かされた(笑)。 

さて、犬はともかく私たちはMacintoshを好み、仕事や趣味のためにフルに活用している。そしてMacintoshというパーソナルコンピュータは時に意識を持っているのかと考えたくなるほどタイミング良く壊れたり、不機嫌になったりする(笑)。 
よく言われる例は新しいMacintoshを買おうか...と考え始めると、それまで問題なく動いていた愛機が急にトラブルに見舞われるといったことだ。長年Macintoshを使っている方なら一度や二度こうした経験をされたことがあるのではないだろうか。そしてMacintoshとつき合い始めて早くも24年になるユーザーとしては文字通りMacintoshとの出会いが人生を変えたと言える大きな影響力を持った存在なのだ。 
意識的に感傷的な物言いをするなら、Macintoshは私にとって友であり家族なのであり一日とてその存在を忘れることができない希有なアイテムなのである。 

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※オールドマシンたちのイメージ画像(笑)


犬を飼うための十戒は、もし犬が喋れたなら...飼い主に対して言いたいであろうことが代弁されているわけだが、「マックと私の10の約束」はそれと同様にMacintoshからオーナーに対する願いである。 
勿論ここに記した文章は私のお遊びだが、こうして書き綴ってみるとその根本はMacintoshとの付き合い方10カ条という主旨になる。 
あなたなら、この10の約束を守れるだろうか?(笑)。 

       【マックと私の10の約束~MacTechnology Lab.版】

1)私の寿命は数年から10年ほどですが、早々あなたは私より新しいマックに気持ちが移ることでしょう。辛いことですが、私はそれも寿命のうちだと諦めます。 

2)あなたが私に何を欲するか、それをはっきりさせてくれれば私は最大限の協力ができます。 

3)私も調子の悪いときがありますが、私の能力を信頼してくれることが重要です。 

4)いつまでも私に腹を立てて電源をOFFにしたまま放置しないでください。あなたには仕事や別の趣味もあるけど、私はあなたとなるべく長い間一緒にいたいのです。 

5)時々は私のメンテナンスをしてください。そうすれば私はあなたの希望通りに働きます。 

6)あなたが私をどのように扱うにしても私は文句をいうことはありません。しかしもっと私を理解してください。 

7)あなたは私を役立たずと罵る前に、私はあなたよりずっと記憶力も抜群で計算スピードも速いことを思い出してください。私が役に立たないように見えるのはあなたの使い方が問題なのかも知れません。 

8)エラーが多いとか、レインボーマークが回りっぱなしになるとか文句を言う前に、私がそうなった原因があなたにないかを考えてください。もしかしたら、私はメモリを十分に与えられていないか、出来の悪いフリーソフトを沢山インストールされているか、あるいはあまりにもOSが古いことなどが原因なのかも知れません。 

9)どうか私が古くなっても簡単に廃棄しないでください。あなた同様すべてのパソコンも同じように歳をとっていきます。捨てる前に新たに活用できる場所や人を紹介してください。エコのためにも私はまだまだお役に立ちたいのです。 

10)私との別れのときは一晩あなたの枕元に置いてください。最初にあなたのところに来たときあなたがそうしてくれたように...。そしてあなたに「ありがとう」といってもらえれば私は平気です。また忘れないでください、私は最初のオーナーであったあなたを愛しずっと覚えていることを。 

こんなことを書き綴りながら私はMac Proの購入を考えている(笑)。あっ...Power Mac G5 Quad...君は手放さずこれまで以上に働いてもらうから機嫌を悪くしないでね! 

ラテ飼育格闘日記(63)

先日NHKの教育テレビで「犬ってすごい!」という番組が放映された。海外で製作されたものだが最新の情報を交え、犬とはどのような生き物なのかについて興味深い取り組みをしていた。 


犬とひと言でいってもご承知のように多種多様な犬種が存在する。下は体重が1Kg未満のチワワから、上は100Kgを超えるマスティフといったワンコがいる。しかしすべてのワンコは「カニス・ファミリアリス」という学名を持つ遺伝子レベルではひとつの種である。大きさだけでなく、外見や気性などなどこれほど変化に富んだ種は他にないという。 
ではなぜこれほどまでに多種多様なワンコが存在するのか? 
それは我々人間が作り上げたからだ。現在の犬種の80%は130年前までは存在しなかったという。 

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※NHKの教育TVで放映された「犬ってすごい!」のタイトル。凄い手抜きに思えるが番組自体はなかなか面白かった(笑)


番組冒頭ではイノシシを追い払いうために創り出されたという究極の狩猟犬ドゴ・アルヘンティーノが登場する。ドゴ・アルヘンティーノは狼のようにチームを組んで仕事をするがその勇敢さは人間が作り上げたものだ。イノシシを追うその姿は凶暴そのものだが、家に戻って子供の足元でうずくまる姿はまさしくペットである...。 
番組は人間が新しい犬種を作り出した格好の例としていかにしてドゴ・アルヘンティーノが作り出されたかを興味深く解説する。 

続いてワンコの特異な能力を解説する。麻薬や爆発物を探し出すといった能力はよく知られているが、初期癌を発見する能力に注目が集まっているという。その類のことはスタンレー・コレン著の本にも紹介されていたが、それによれば、飼い主の奥さんのからだにあった黒いアザに飼い犬が噛みつく姿を見て念のためと精密検査をした所、それは発見が遅れたら命にかかわる悪性の皮膚癌だったという話だ。 
同種の話は最近テレビのニュースでも伝えられたので記憶されている方もいるかも知れない。それはワンコでなく猫だが、病院で飼っているその猫が死亡する患者の前では身体を丸めて横になるという話し...。したがって病院の職員は猫の様子を見て直ちに患者の家族を呼び寄せるという。まあ、話の真意はよくわからないが見映えは元気でも死期が近づくと人間の臭いが違ってくるのかも知れないし、先の例では人間には分からないが皮膚癌の部分の臭いがワンコにとっては特別なものなのかも知れない。 
ワンコの嗅覚が優れていることはよく知られているが、そのメカニズムも面白い。まさしく我々は視覚で世界を立体視し分析および認識するが、ワンコは同じことを嗅覚で認知しているものといえる。 

人間は長い間さまざまな犬種を作り出すためにワンコの生体に手を加えてきたが、すでにワンコのゲノムすなわち遺伝子情報はすべて解読されている。そして番組では新しい種を作り出してきた弊害も紹介している。なぜなら純血種同士の交配の結果、特定の犬種には特定の疾病が生じるケースがあるとのこと。番組中で紹介されたブル・テリアは生後9ヶ月のときから自分の尻尾を追い回してくるくると回りっぱなしになる病気にかかったが、その原因は人間にあるという。 
そもそもブル・テリアは1830年代にブルドッグとイングリッシュ・テリアを交配して作り出された。そして数年後により大きくするためにポインターが加えられる。その過程で狩猟本能に機縁するこうした病が発生することになったと考えられているそうだ...。現在は薬で症状を抑えているというが、見ていて胸が痛くなる。 

さて番組で一番興味深かったのは狼と犬との比較である。番組中では犬の祖先は狼であると言い切っているが、実際にはそんなに単純なものではないらしい。それはともかく人に飼い慣らされた狼でも犬との差は大きなものがあることがあらためて分かって興味深かった。 
その違いをひと言でいうなら、犬はよい意味で人間異存の生き物だということだ。飼い主という存在を常に認識してその一挙一動を観察し、そこから情報を得ようとする。 

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※雪だるまと戯れるラテ


番組では檻の中に餌を入れてそれを狼と犬とでどのような対応をするかを追った。餌は檻の中で固定されて動かず、狼は餌を得ることが出来ない。あれこれやってもダメなので狼は次第にいらいらしてくる。後は諦めるしかないわけだが犬は同じ環境下におかれてもその対応がまったく違うのだ。なぜなら犬も狼と同じように檻の回りで餌を得るためにあれこれ努力するが、ダメだと判断すると人間の側まで歩み寄り、見上げて餌をくれという哀願の眼差しをする。 
愛犬家なら、ワンコが自分の脇でこちらを見上げて哀願の目つきをされれば思わずおやつのひとつもあげたくなるというものだ。無論ワンコは目的を達成する(笑)。 
こうしてワンコと人間は太古の昔から生活圏を一緒にして生きてきたわけで、まさしく人類最古の友なのだ。 

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※このラテのおかしな目つきはオトーサンに叱られつつも、上空を舞うハトの大群に気持ちが向かってしまったから...(笑)


そう、オトーサンはテレビ番組を見終えたので階下のリビングルームへラテの様子を見に行った。ラテは大ぶりの電動マッサージチェアにうずくまって寝ていたが、オトーサンの気配に気づいて頭だけこちらに向ける...。その顔は眠そうでいかにもリラックスしたものだったがそのまま「アン!」といった甘えた声を発した。 
オトーサンは腕を回してラテの頭を抱え込むとラテはそのまま静かに目をつむってまたまた寝始めた...。オトーサンは腕を抜くのをはばかられ、しばらくそのままラテの寝顔を眺めていた...。

「APPLE PRODUCT PROFESSIONAL 2002」ピンズ考

よく”ピンバッジ”というが、これは日本以外では一般的でない呼び方であり、「ピンズ(PINS)」と呼ぶ方が国際的には通用するという。私もそのピンズは好きなのでいくつか持って楽しんでいるが、この度「APPLE PRODUCT PROFESSIONAL 2002」というピンズを手に入れた。 


「ピンズ(PINS)」は普通直径が30mm前後の金属製で裏面に垂直に針があり、バタフライクラッチと呼ぶ針受けを使ってジャケットの襟元などに留め飾りするバッジである。一般的に材質は真鍮や銅が使われるが鉄やアルミニウムなどの製品もある。また表面の加工も伝統的な七宝によるものからコストと関係してさまざまな手法のものが登場しているという。 
アップルグッズとしてのピンズも過去にはかなりの種類を持っていたがプレゼントに使ったり自身で身につけて無くしたりした結果、現在はベーシックな?6色のアップルロゴのピンズしか手元になかった。ただしアップルとは無関係のものであるなら手塚プロダクション製やミュージアムグッズ品、日本シャーロック・ホームズクラブ入会の際に送られてきたものなどいくつかがある。 

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※アップル6色のロゴピンズを中心に手元にあるピンズたち


前振りはこのくらいにするが、今回手に入れたピンズはまごう事なきアップルグッズとしての一品である(笑)。ご覧のように渋い背景中央にはアップルロゴが配され、上下に”APPLE PRODUCT”ならびに”PROFESSIONAL”そして”2002”と浮き彫りにされている。 
大きさは円形部の直径が11mm程度の小さなものだが、全体的にシックなデザインであり、これなら実際にジャケットの襟元にでも付けてみようかという気になる。 

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※「 Apple Product Professional」トレーニング認定ピンズ(上)とその拡大写真(下)


問題はピンズひとつにもその曰く因縁というか、創られた由来があるはずだ。会社の社章だったりイベントの記念品だったりとさまざまな機会に多くのピンズが創られている。したがってこのピンズに記されている「APPLE PRODUCT PROFESSIONAL 2002」とは何の事かを少し調べてみた。正直手に入れた際には見当はついていたものの詳しいことは知らなかったのである。何しろ初めて見るデザインでもあった...。 
まあそのテキストから推察するに、そしてアップルロゴが正式なものであるなら、アップルが2002年に何らかの目的を持って配布したピンズであることはわかる...。それも”APPLE PRODUCT”とか”PROFESSIONAL”という語句があるのだから、何らかの資格認定的意味合いがあるピンズなのだろうと見当は付く。 

ご承知のようにアップルはこれまで市場活性化を図り、サービス向上と顧客満足度を高めるためにさまざまなプログラムを実践してきた。特に販売店ならびにその店頭に立ち,直接顧客と接する担当者たちのスキルアップを図るためのトレーニング・プログラムとか、テクニカル・プログラムといった類のサポートを実施してきた。古くは一般ユーザー向けにアップル認定トレーニングセンター(ATC)を開設したり、販売代理店、販売店を対象にしたトレーニングプログラムなどを実施してきた経緯がある。 
アップルは現在もMac OS XプラットフォームをサポートするITエンジニアや、Final Cut Proをはじめとするアップルの各種プロアプリケーションを利用するクリエイティブユーザのために、認定資格プログラムやトレーニングを提供しているはずだ。ただし、本原稿を書いているとき確認の意味を含めてアップルのサイトにある「サポート」ページの「トレーニングと認定資格」のリンクをクリックしてみたらタイムアウトで当該ページはオープンできなかった...。工事中なのだろうか? 

さて、私はMOSAに在職していた時期にはアップルからの依頼を受け、各種のトレーニングプログラムの認知向上と受講者ならびに合格者を増やす目的のため、トレーニング企業各社を訪問しサービスのあり方と最良の実践手法を相談しに回ったことがある。ともかく現在もアップルは各種のトレーニングと認定資格授与のサポートを行っているはずだし、ピンズの表記そのままの「 Apple Product Professional」トレーニングに関してもウェブには「アップル主催の販売員向けトレーニングで一定の成績を達成した販売員の方に、ステータスのピンバッチと証明書を授与しております。」と説明されている。そして販売店リストでこのバッチマークのある店舗は、 Apple Product Professionalステータスを持った販売員の方が在籍するお店だということになる。 

こうしてインターネットなどで調べた結果、直近のピンズは今回ご紹介したものとはかなりデザインが違うものの、その目的は同じもののようである。したがってこのピンズは本来トレーニングプログラムにより合格した認定者自身が所持すべきものだという理窟になる。無論これまでにも多くの方々がアップルから認定を受け、認定書と共にこのピンズを授与されているはずだ。 
私の知っているいくつかの販売店の方たちの中にも認定資格者がいらしたが、本当の意味でステータスになっているのだろうか。ともかくこの種のサービスは受講者ご本人のためというよりエンドユーザーへのサービス向上が最終目的であるはずだ。そうした観点から見ると僭越ながらアップルのサポートプログラムはまだまだ不完全だと思う。 
私は前記したMOSA在職中にアップルへ提言したことは、認定者を増やすだけの活動は本末転倒になりかねないこと。そして一番大切なことは認定者の方々に対して認定後もそれで完了というのではなく、さまざまな意味において十分な協力と支援を続けるべきだということだった。そして認定者相互の情報交換の場を積極的に設けてはどうか...といった提案もしたが実現しなかった。 

アップルの日本市場は不景気にも大きく左右されているとはいえいまひとつパッとしないが、米国やヨーロッパ市場は大きく売上を伸ばしている。しかし、アップルは歴史的に見て、企業としての業績が上々のときほどサービスが悪くなるという傾向がある(笑)。現在はアップルストアを始めとしてオンライン販売も一般的になったし、それこそ正規販売代理店や販売店でMacintoshを購入する機会も一昔前と比較すれば随分少なくなったに違いない。それだけ販売店側としてのビジネスが難しくなる傾向は避けられないが、アップルは近視眼的に市場を見るのではなく、これまで市場を支え続けてくれた販売店各社にあらためて真摯な態度で接し、より十分なサポートを実行するべきだと思う。 

たった一個のピンズから話はでかくなったが(笑)、舞台裏を知る一人としては流通各社や販売店といったすべての市場関係者がハッピーでなければ結局ユーザーも恩恵を受けられないことを再認識せざるを得ないのである。 

ラテ飼育格闘日記(62)

オトーサンは狼のような鋭い牙を持ち、片耳が垂れて映画クレオパトラのようなはっきりしたアイシャドーを持つ茶色い澄んだ瞳のワンコ一匹にどれだけ心を和ませられているかにあらためて気づくのだった。 


自分にとってワンコという存在が何故こんなにも大きくなったのかと振り返って考えてみた...。友人のひとりは以前オトーサンがワンコを飼ったと聞いて「人間不信の現れか?」と心配そうに言ってくれたことがあったが、決してそんなことはない(笑)。まあ、確かにワンコ以下と思わざるを得ない人間たちもいるけどねぇ...(爆)。 
ともかく、オトーサンの心に犬という存在がはっきりと居座ったきっかけは、子供のときに我が家に夕食の残り物をもらいに来ていた野良犬のブラッキーだった。ブラッキーは実在の雌犬だったが、それにも増してイメージ的にワンコという存在を膨らませたのはラジオドラマ「ベスよ尾をふれ」であり、テレビドラマの「名犬リンチンチン」「名犬ラッシー」そして「ちびっこギャング」に登場したワンコのピートであった。これらのワンコはどれも飼い主思いであり、嬉しいときも悲しいときも飼い主を慰めるだけでなく助け、力づけてくれた。 

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※公園にはすでに梅の花が満開だった


そうした物語などに影響され、オトーサンの心に「いつかワンコを飼いたい」「ワンコと暮らしたい」という気持ちが強くなったと思われる。だからこれまでにもスーパーの入り口に繋がれているワンコを見るとつい声をかけたり、頭を撫でてみたくて近寄ったりしていたが不思議に吠えられたり噛まれたりはしなかった。 
では実際にワンコと暮らすようになって一年が過ぎたいま、ワンコに対する評価はどう変化したのだろうか...。 
そもそも「ワンコは人間に忠実だから好き」といった短絡的な考えは持っていない。しかしワンコは自分を犠牲にしてまで友としての人間を守ろうとする忠義心を持っていることは事実のようだが、反面先にご紹介したスタンレー・コレン著「犬も平気でうそをつく?」ではないが、時には知恵比べだと思うほど手を焼かせる場面もある。ことほど左様にワンコは頭のよい動物だということを思い知らされている。 
飼い主の意にそぐわない行動はとるし、あんなに言って聞かせた禁止事項もあっさりと破る。オトーサンに怒られたそばから、こちらの顔色をうかがいつつ次の悪いことを探す(笑)。 
またまた階下から女房の「ダメだってばぁ!こらあ...」といった声がするからオトーサンは何事があったかと下りていく。ラテが女房のスリッパを咥えて逃げ回っているのだ。その楽しそうなこと(笑)。そこにオトーサンが顔をだすとラテはさも静かによい子で遊んでいました...とばかりその場を取り繕うのだから面白い。それだけの知能を持つワンコだからして並大抵の接し方ではバカにされてしまう。 

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※ラテとの散歩はさまざまな意味で知恵比べである(笑)


さてオトーサンはラテと暮らすようになって自身の変化に気がついたことがある。オトーサンはこれまで独り言を口にする人間ではなかったが、ラテと一緒にいるとラテを相手にして話しかけることが多くなったのだ。 
そりゃあ、一人で散歩しながらブツブツと言葉を発しているのは褒められた行動ではないだろうし、行き交う人がいたら避けて通るかも知れない(笑)。しかしラテと一緒に歩きながら「いい天気だね」「おっと...車に気をつけろよ」「ほら、大きなカラスだぞ」「ラテ...駈けようか」「急ぐぞ」などと声に出しても行き交う人たちは誰も不思議がらず、時にはラテに笑みまで送ってくれる。 
交差点や信号のある箇所では「待て」と合図をすれば座って待つラテだ。そして信号が青に変わると「良し」と声を掛けて歩き出す。信号を一緒に待っていた学生たちからは「利口だね」「可愛いね」と声がかかる。 
実はきちんと座ると小さなおやつを口に入れてやるのだが...(笑)。 

どれだけラテがこちらの言葉を理解し認識しているかは正直疑問だが、その時々の反応は総じてタイミングの合ったものであることが多い。ときにはこちらに視線を送りオトーサンが大好きな天使の笑顔を向けて「オトーサン大好き!」と言ってくれる(ホントカ...笑)。無論、気持ちが別のところに行って無視されることもあるが「うるさい」とも言わず反論もしない理想の聞き役であることは間違いない。 
ワンコと人間の関係はこれまでにも多々記したように大変古い。例えばこれまたスタンレー・コレン著「デキのいい犬、わるい犬」によれば、カリフォルニア・インディアンのカトー族の言い伝えだと、ナガイチョの神が世界を創ったが、この神話では人間の男女を土から創り、ナガイチョの歩いた後に入り江や川ができ、全ての動物たちが創られたもののその中に犬は含まれていない。何故かといえば、ナガイチョの神が初めて散歩に出かけたとき、彼はすでにワンコを連れていたからだ。ワンコは最初から存在し、世界が創られて以来いつも創造主の後に付き添っていたという。そしてワンコはナガイチョが語る言葉に常に耳を傾けていた...。 
このようにワンコに話しかけることは創造主でさえ自然なことなのだから、オトーサンがラテにあれこれと話しかけることに何ら不自然なことはないのである(笑)。 

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※夜も更けてオトーサンの布団の上で遊ぶラテだが、すでに眠そうだ...


散歩から戻るとき、ラテは抱っこを要求することが多い。中型犬で16キロほどにもなるワンコを抱き上げるのも大変だが、しばらく歩きながらオトーサンは「ラテ、今日の散歩はどうだった?楽しかったか...」と話しかける。ラテは両前足をオトーサンの両肩にかけて落ちないようにと力を入れながらオトーサンの口元や耳をペロペロと舐める。それは「楽しかったよ、ありがとう」と言っているようだ。 

自宅の玄関でラテの四つ足の汚れを拭き、身体全体を綺麗にする。汚れの具合にもよるが時間として20分程度だろうか...その間オトーサンは意図的に話しかけながら手を動かすことにしている。 
「ほら、こっち向いて」「ラテ、いつもより汚れているなあ」「今日のお前は乱暴だったぞ」「おっと、痛くなかったか」などなどと...。作業は肉球の間やお尻回りは勿論、尻尾や耳掃除など身体全体に及ぶがラテは唸ったりもせず、静かに身を任すようになった。その間、ため息をついたりオナラをするときもあるものの、機嫌のよいときには作業に支障がでるほどペロペロ攻撃に出るときもある。 
その笑顔を見たくて...ラテとの四季折々を楽しみたくて、オトーサンは右足にシップを三枚も貼りながら今日も散歩に飛び出すのであった。

ラテ飼育格闘日記(61)

1月23日は公園一面に雪が積もった。昨年東京近郊に雪は降らなかったことでもあり、これだけの積雪を体験するのは当地では初めてとなる。ワンコは雪が好きだというからオトーサンはいつもより勇んでラテを散歩に連れ出した。 


少し前、霜と間違えそうな少量の雪が公園の隅に残っていたことがあったが、23日は朝から本格的に雪が降りあたりは真っ白になった。 

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※1月23日の午前中はこんな感じでかなりの雪が降った(近所の神社を写す)


さて、夕刻の散歩時にはまだみぞれ混じりの小雨が少し降っていたが、オトーサンは傘もささずにラテと家を飛び出した。ラテがどんな反応をするのかに興味があった...(笑)。 
自宅の前にある遊歩道にはまずまず雪が残っていたがラテは怖々足を踏み入れる...。オトーサンは滑ってはまずいと冬の札幌に出向くときに使う雪用の靴を履いたが当然ながらラテは裸足だ。冷たくはないのだろうかと心配してしまうがラテは雪の固まりを踏みつつクンクンしているものの、些かへっぴり腰だ(笑)。 
想像するにいつも通っている道ではあるが、雪で臭いが隠れ気味なのだろう。通常よりクンクンモードが激しく歩くスピードは大変遅い。しかし真っ白な残雪にラテの足跡が梅の花びらのように残っていくさまはなかなか愛らしいのでカメラを向けてシャッターを押す。遊歩道と並ぶ車道を通る車の運転手が不審がってこちらを注視している(笑)。 

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※へっぴり腰のラテが歩く後には梅の花びらのような肉球の後が続く


ともあれラテの前足の傷が治ったタイミングで本当によかった。肉球の割れが内側から塞がった感じになっているし、事実足を拭いても痛がらなくなったので冷たい水や雪でも大丈夫なのだろう。 

やっといつもの公園にたどり着いた途端にラテは吠え始める。時々オトーサンの腰にしがみつき抱っこを要求したりもする。何に向かって脅え...吠えているのかと注視したが公園にはまだ人影も見えない...。その理由にはすぐ気がついた。要は公園一面の景色がいつもとまったく違っているのだ。繰り返すが積雪の景色を見るのは初めてとなるラテとしては異様な風景なのである。あまりにも昨日の風景と違うので不安なのだろうと思った。 

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※おなじみの公園は前面雪に覆われていた
 

腰が引け吠え続けるラテをなだめながらオトーサンは何事もなかったかのごとく積雪の中に踏みいることに...。やはり雪用の靴を履いてきてよかった。 
積雪は多い箇所で4, 5センチはあるだろうか。ラテの足首が隠れてしまうほどだ。そして公園の入り口からでは見えなかったものの、中央付近の少し小高い所まで来ると向こうには子供たちが雪だるまを作っているし、すでに公園の端には不格好ながらもかなり大きな雪だるまが2つ置き去りにされていた。 

ふと気がつくとラテは美味しそうに雪を食べているではないか...。ラテにとって雪はまず食べられるものであることをから安全なものだということを認識したらしい。しかし、雪は見かけ上綺麗とはいえ、そんなに食べるとお腹を壊すのではないかとオトーサンは心配でリードを引くが、地面全部が雪なのだから防ぎきれない。 
そんなとき、友達のポン吉くんがオトーサンとオカーサンに連れられて登場。ラテも大分慣れたのか雪の中を走り始めた。ワンコは雪が好きだという話はよく聞くが、確かにそのようで次第に夢中になっていく。ただし雪だるまには怖いのか近づかないし、少々大きめの雪の固まりも怖々前足で転がして安全を確かめてから取っ組み合う。ラテはなかなか慎重というか臆病である。 

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※オトーサンが「帰ろう!」とリードを引くがラテは帰りたくないようで雪の上に座り込む(笑)


1時間近く公園で遊び回ったラテだが、雪用の靴を履いたオトーサンの足がもつれだしたので帰ろうとするがラテはまだまだ遊びたい様子...(笑)。しかしそうもいかないので何とかなだめて帰宅することに...。 
家に戻ってラテの身体の汚れを拭こうとしたとき、予想以上に全体がびしょ濡れなのに気がついた。まあ、あれだけ雪を蹴散らして駆けずり回っていたのだから無理もない。まずは濡れタオルで身体を拭いてから久しぶりでドライヤーを使って乾かすことにする。なるべく身体に直接熱風を当てないように注意をし、手でブラッシングしながら乾かすが、ラテも気持ちが良いようで眼を細めて為すがままにしている。 

身体が乾いた後はいつものようにハウスに入れるが、さすがに初めての体験に疲れたのか夕食の時間になっても起きてこないばかりか、夢でも見ているのだろう...「ウフッ」と小さな声をあげた(笑)。夢で雪の中を駆けずり回っているのだろうか...。 

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員