ラテ飼育格闘日記(130)

ラテは約2ヶ月毎に美容室へ連れて行くことにしている。それは体毛全体が伸びるからで見映えを良くするのと同時に汚れにくくするといった実用面も考えてのことだし、本格的なシャンプーやブラッシングをやってもらうことで皮膚を清潔に保つ意味もある。しかしラテ自身は美容室に行くことを嫌がるので連れて行くのも一苦労なのである。

 

毎日2回の散歩の後、オトーサンはラテの体を専用のウェットティッシュなどで拭き、清潔なタオルで濡れた体をマッサージしブラッシングを怠ることはない。そのためかこれまで皮膚病にかかったこともなくラテの毛を触る人たちからは「ラテちゃんの毛は柔らかくて気持ちがいいねえ」などと言っていただける。しかし身体全体の毛は2,3ヶ月も過ぎればかなり不均等に伸びてくる。
目立つところといえば、首の回りにタテガミのように伸びてくるのはまだ問題はないとしても、例えばお尻回りの毛が伸びてくると排便の際に汚しやすくなるし、四つ足や肉球回りの毛が伸びればこれまた汚れやすくなって綺麗にするのに時間がかかるようになる。そして毛並みの荒れは汚れやすくなるだけでなく毛玉の原因となったりダニなどを付着させる毛原因となり、ひいては皮膚病を誘発することにもなりかねない。
なにしろ季節は初夏といってよいほど暖かい日もあり、散歩で歩く径は草木が青々と成長し始め、多くの虫たちも目立ち始めてきた。

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※ガムを噛みながらオカーサンの行動を観察するラテ

 
というわけで2ヶ月ほどをメドにラテを美容室に連れて行くことにしているが今年になって2回目を実行することになった。
そこでは単にシャンプーやトリミングだけでなく、爪切り、耳掃除、歯磨き、そして肛門線絞りといった一連のサービスもしてくれるので大助かりなのである。それにラテは極端に水を嫌がり、まともにシャンプーをさせてくれないからこうした機会に本格的なシャンプーをするのも健康によいと思っている。
無論いきなり愛犬を美容室に連れて行ったところでダメで事前に予約が必要である。それだからと、とある金曜日に電話をいれ「明日か明後日の土日のどちらか予約を入れたいが」と聞いたのだがすでに予約は1杯であるという。仕方がないので日曜の翌日の月曜日なら何とか予定が取れると考えて聞いてみたがこれまたウィークディーなのに予約は1杯だった。
確かに一匹のワンコを綺麗にするのに時間はかかり、1日に数十匹も相手にできないのだろうがこんなところにもペットブームだ...という実感がわいてくる。
結局1週間遅らせた次の日曜日に予約を入れることにした。

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※公園内を全力疾走すると咽が渇きます...

 
さて予約の時間は午前11時であり、朝の散歩を終え一休みしてからまた出かけるということになった。この時点でラテは尋常の散歩ではないことを感づいているはずだが、その美容室は駅の向こう側にあり、途中までの道のりはたまたま行くコーヒーショップへの径と同じなのでしばらくは違和感ないようだ。
というのはラテはすでに十数回もその美容室の経験はあるわけだが、基本的に嫌がるのである。無論他人に体をあれこれと触られるわけだから気持ちは分かるが、病院に対してとはまたいささかニュアンスが違う。とにかく美容室に近づくとリードを引き行きたくないと抵抗する。
それをなだめながら、時には強くリードを引くが面白いのはあと10数メートル先に近づくと「嫌だあ!」の極致なのだろうか、リードを引くのではなくオトーサンに抱っこを要求するのである。
しかしこのラテの行動はオトーサンにとって美容室に連れて行きやすい状況を作ってくれるので歓迎である(笑)。だからいつもラテはオトーサンに抱っこされながら美容室のドアを入ることになる。
ただし美容室のカルテにはラテのことを「良い子」と書かれているらしい。オトーサンたちから離れてしまうと心細いこともあってか大人しくなるようで、歯磨きもお願いできるワンコはそう多くはないらしい。

2,3時間後に「終わりました」という電話が入るとオトーサンたちはまたまた坂道と階段が多い美容室までの道を30分ほどかけて歩かなければならない。飼い主もなかなか大変なのである。
ともあれ美容室のカウンターの向こうからリードに繋がれたラテの姿を見ると疲れなどは吹っ飛んでしまう。
口を開け、耳を後ろに引き倒し、目をキラキラと輝かしながら尻尾どころか大きなお尻をフリフリしてオトーサンたちに飛びついてくる。
美容室でラテがどれほど協力的なのかはわからないが、毎日朝晩の散歩の後で体をきれいにする際には驚くほど協力的である。オトーサンの作業手順とかパターンは覚えているからだろう、特に最近はやりやすくなった。

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※よく運動した後はよく眠る。しかしこんな狭いところで寝ることもないとオトーサンは思うのだが...

 
玄関のたたきに上がったラテはシートの上に腹ばいになる。オトーサンは普通、雑巾でラテの前足の肉球そして後ろ足の肉球を拭くことから始めるが、オトーサンが雑巾を持ちラテに近づくとラテはお手のように左前足を差し出すのだ。そして後ろ足の番になり、片方の後ろ足がお腹の下になっているときオトーサンが「ほら、足を出して...」とお腹を軽く突くとラテは腰を浮かして後ろ足を引っ張り出しやすくするためにちょこっと出す。
肉球の汚れ落としが終わると大判の専用ウェットティッシュで顔、首、腹、背中、股、お尻、尻尾などを順番に拭いていくが、どの箇所を触ってもラテは怒ったり唸ったりはしない。無論オトーサンもデリケートな部分はゴシゴシと力を入れることなくそれなりに優しくする...。
このときラテは四つ足立ちしている状態だがオトーサンがラテのお腹を拭くとき、ラテは両前足を座っているオトーサンの太股に置き腹の位置を高くして拭きやすいように配慮してくれるのだ。
このウェットティッシュによる拭き掃除は身体全体を適度に湿らせることになるので汚れを拭いた後は乾いたタオルで丁寧に拭き乾かすことになる。面白いのはラテはこの乾いた石鹸の香りがするタオルが大好きなことだ。濡れることが嫌いだということもあるのだろうが、オトーサンがタオルを取り出すと待ってましたとばかり頭を突っ込んでくる。そのまま両手で顔を包んで拭いてやるとハアハアと呼吸を荒くして喜ぶ...。

まさか美容室でラテが進んで仕事をやりやすくするような気遣いをしているとは思わないが、美容室に行くことは例え2,3時間だとはいえオトーサンたちと離れる唯一の経験であり心細いのだろう...。
余談になるがシャンプーとトリミング、そして歯磨きといったオプションも含めて美容室の料金は9,135円もする!
オトーサンはこのところ10分間程度でカットだけしてくれる1,000円の理髪店に行っているというのに...である(笑)。

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員