これが3Dキャラクタツールの元祖だ〜Poser ver.1.0 を入手
お気に入りのソフトウェアのひとつが3Dキャラクタツール「Poser」だということは度々表明している。その最新バージョンでは写真と見紛うばかりのリアルな人物描写ができるまでになった。しかしこのPoser最初のバージョンを知る人はすでに少なくなった。今般「Poser 日本語版」ver.1.0.1を入手できたので再確認してみた。
私がPoser ver.1.0と出会ったのはサンフランシスコのMacworld Expoだった。そのユニークな仕様に興味を持ちためらわずにパッケージを購入したことを覚えているが、正直そのアプリケーションを十分に楽しんだ記憶はない。
そうした理由からか、現在古い時代の多くのソフトウェアを保存してあり、Poserもバージョン2や3は手元にあるものの、今となっては肝心のバーション1.0を紛失してしまったらしく確認のしようもなかった...。
そんな矢先に先般ヤフーオークションで「Poser日本語版」ver.1.0.1が出品されていたので入札したところ無事に落札することができた。
なお、本製品はFRACTAL DESIGN社がパブリッシャーとなって1995年リリースされたものだが、日本市場ではレトラセットジャパン社から販売された。著作権表示は開発者のLarry Weinberg氏と明記されているがPoserはその後Curious Labs社、e-frontier社と権利が移り、2007年11月にSmmith Micro Software社が権利を買い現在に至っている。

※FRACTAL DESIGN社から1995年にリリースされたPoser 日本語版(ver.1.0.1)
あらためて1995年リリース当時の「Poser ver.1.0」を眺めてみるとソフトウェアの進化というものの凄さとテクノロジーの進歩に唸らざるを得ない。
そうそう...まずは「Poser ver.1.0」を起動できるマシンを用意するのが正直面倒だった(笑)。
パッケージはフロッピーディスクが3枚組となっている。そしてアプリケーションはPowerMacでも動作するはずなのでまずは手近のシェル型iBook(Mac OS 9)にインストールしてみたがシステムが新しすぎてアプリは起動しない。仕方がないので棚の奥にあるColor Classicを取り出してみたが、こういう時に限ってマシンが起動しないのである...。

※Poser 日本語版(ver.1.0.1)のアバウト画面
やむを得ず、一番奥にあるMacintosh IIfxとApple純正13インチカラーモニタまで取り出さなければならないはめになった。このMacintosh IIfxには漢字Talk 7.1がインストールしてあるはずなのでソフトウェアの要求に適合するわけだが問題はこれまたマシンが起動するか心配。しかし一発で起動し幸い
「Poser ver.1.0」も問題なく起動できた。

※今回Poser 日本語版(ver.1.0.1)の起動に使用したMacintosh IIfx
さて、「Poser ver.1.0」の仕様は現在のPoser 7などから想像することができないほどシンプルというよりチープで「これで何をしようとするか?」と思うほどのものだ。
何とか画面上に人間の形状(男性と女性)を置き、ポーズを付けライティングとカメラワークを決めてレンダリングするといったステップにPoserらしさを感じるものの13年の月日とその間のテクノロジーの進化を思わずにはいられない。


※Poser 日本語版(ver.1.0.1)の基本画面(上)とレンダリング後のイメージ(下)
しかし、もともとこのPoserはその命名のとおり「ポーズを的確に捉えるためのツール」として開発されたものであり、最初から現在のような超リアルなキャラクタやオブジェクトを交えたシーンを創り出すことを考えていたわけではないのである。
「Poser 6」のマニュアル冒頭に開発者のLarry Weinberg氏は、木製のマネキン人形の代わりにとPoserを考え出したと書いている。
Larry Weinberg氏はイラストレーターとなり巨匠たちのような絵を描きたいと思っていたが、複雑なポーズを思い浮かべることができなかったからだという。そしてどのようなアーティストでもすぐに使え、簡単にポーズをとらせることができるような簡単なビジュアライゼーションツールを望んだのが開発のきっかけとなった。
したがって最初のPoserはあくまで正確なポーズを描くために開発されたためであり、まさしく木製ポーズ人形のデジタル版であったわけで、なにしろ人間の姿をきちんと描写することは易しいことではないからこれはこれであたらしいことが好きなユーザーの心を捉えたことは間違いない。
とはいえキャラクタには髪の毛もなければ衣装を付けることもサポートされていなかった。勿論アニメーション機能などは思いもよらなかった。
そもそも3Dキャラクタを作るというより人体の簡易モデリングツールであったことが伺える。
パッケージの記されているコンセプトの中に「...手描き風の作品のための下絵として...」と紹介されていることでも当時このソフトウェアに求められたあれこれが想像できるだろう。
無論テクスチャマップを工夫してレンダリングし、それをPhotoshopで写真に合成してレタッチの上で髪や服装を描けば遠景でうごめく多くの人間たちを表現することくらいはできたわけだ。
私自身、アップデートする度にPoserを手に入れてきたものの本格的に使う気になったのはPoser 6になってからだ。しかしその後Poser自身は最新版のPoser 7に至るまで目立つほど大きな変化はしていない。逆にキャラクタ側のオブジェクト自身、アニメーションへの利用を含んでかその筋肉の動きがより自然になったり、髙精細なテクスチャのおかげもあって写真のような表現力を持つまでになった。
Poserが今後、よりよい形で生き残り進化を続けていくとすれば、そのヒントの一旦はバージョン1.0から現在までの移り変わりに隠されているように思う。そして今後は何よりもユーザーのニーズを的確に捉えバージョンアップが続けられることを期待したいが、さて次のバージョンがあるにしても日本語化の問題はどうなるのか...をはじめ、コンセプトの方向性などなど一抹の不安が拭えない。
私がPoser ver.1.0と出会ったのはサンフランシスコのMacworld Expoだった。そのユニークな仕様に興味を持ちためらわずにパッケージを購入したことを覚えているが、正直そのアプリケーションを十分に楽しんだ記憶はない。
そうした理由からか、現在古い時代の多くのソフトウェアを保存してあり、Poserもバージョン2や3は手元にあるものの、今となっては肝心のバーション1.0を紛失してしまったらしく確認のしようもなかった...。
そんな矢先に先般ヤフーオークションで「Poser日本語版」ver.1.0.1が出品されていたので入札したところ無事に落札することができた。
なお、本製品はFRACTAL DESIGN社がパブリッシャーとなって1995年リリースされたものだが、日本市場ではレトラセットジャパン社から販売された。著作権表示は開発者のLarry Weinberg氏と明記されているがPoserはその後Curious Labs社、e-frontier社と権利が移り、2007年11月にSmmith Micro Software社が権利を買い現在に至っている。

※FRACTAL DESIGN社から1995年にリリースされたPoser 日本語版(ver.1.0.1)
あらためて1995年リリース当時の「Poser ver.1.0」を眺めてみるとソフトウェアの進化というものの凄さとテクノロジーの進歩に唸らざるを得ない。
そうそう...まずは「Poser ver.1.0」を起動できるマシンを用意するのが正直面倒だった(笑)。
パッケージはフロッピーディスクが3枚組となっている。そしてアプリケーションはPowerMacでも動作するはずなのでまずは手近のシェル型iBook(Mac OS 9)にインストールしてみたがシステムが新しすぎてアプリは起動しない。仕方がないので棚の奥にあるColor Classicを取り出してみたが、こういう時に限ってマシンが起動しないのである...。

※Poser 日本語版(ver.1.0.1)のアバウト画面
やむを得ず、一番奥にあるMacintosh IIfxとApple純正13インチカラーモニタまで取り出さなければならないはめになった。このMacintosh IIfxには漢字Talk 7.1がインストールしてあるはずなのでソフトウェアの要求に適合するわけだが問題はこれまたマシンが起動するか心配。しかし一発で起動し幸い
「Poser ver.1.0」も問題なく起動できた。

※今回Poser 日本語版(ver.1.0.1)の起動に使用したMacintosh IIfx
さて、「Poser ver.1.0」の仕様は現在のPoser 7などから想像することができないほどシンプルというよりチープで「これで何をしようとするか?」と思うほどのものだ。
何とか画面上に人間の形状(男性と女性)を置き、ポーズを付けライティングとカメラワークを決めてレンダリングするといったステップにPoserらしさを感じるものの13年の月日とその間のテクノロジーの進化を思わずにはいられない。


※Poser 日本語版(ver.1.0.1)の基本画面(上)とレンダリング後のイメージ(下)
しかし、もともとこのPoserはその命名のとおり「ポーズを的確に捉えるためのツール」として開発されたものであり、最初から現在のような超リアルなキャラクタやオブジェクトを交えたシーンを創り出すことを考えていたわけではないのである。
「Poser 6」のマニュアル冒頭に開発者のLarry Weinberg氏は、木製のマネキン人形の代わりにとPoserを考え出したと書いている。
Larry Weinberg氏はイラストレーターとなり巨匠たちのような絵を描きたいと思っていたが、複雑なポーズを思い浮かべることができなかったからだという。そしてどのようなアーティストでもすぐに使え、簡単にポーズをとらせることができるような簡単なビジュアライゼーションツールを望んだのが開発のきっかけとなった。
したがって最初のPoserはあくまで正確なポーズを描くために開発されたためであり、まさしく木製ポーズ人形のデジタル版であったわけで、なにしろ人間の姿をきちんと描写することは易しいことではないからこれはこれであたらしいことが好きなユーザーの心を捉えたことは間違いない。
とはいえキャラクタには髪の毛もなければ衣装を付けることもサポートされていなかった。勿論アニメーション機能などは思いもよらなかった。
そもそも3Dキャラクタを作るというより人体の簡易モデリングツールであったことが伺える。
パッケージの記されているコンセプトの中に「...手描き風の作品のための下絵として...」と紹介されていることでも当時このソフトウェアに求められたあれこれが想像できるだろう。
無論テクスチャマップを工夫してレンダリングし、それをPhotoshopで写真に合成してレタッチの上で髪や服装を描けば遠景でうごめく多くの人間たちを表現することくらいはできたわけだ。
私自身、アップデートする度にPoserを手に入れてきたものの本格的に使う気になったのはPoser 6になってからだ。しかしその後Poser自身は最新版のPoser 7に至るまで目立つほど大きな変化はしていない。逆にキャラクタ側のオブジェクト自身、アニメーションへの利用を含んでかその筋肉の動きがより自然になったり、髙精細なテクスチャのおかげもあって写真のような表現力を持つまでになった。
Poserが今後、よりよい形で生き残り進化を続けていくとすれば、そのヒントの一旦はバージョン1.0から現在までの移り変わりに隠されているように思う。そして今後は何よりもユーザーのニーズを的確に捉えバージョンアップが続けられることを期待したいが、さて次のバージョンがあるにしても日本語化の問題はどうなるのか...をはじめ、コンセプトの方向性などなど一抹の不安が拭えない。
- 関連記事
-
- 「Vanlandingham」プログラムの思い出再考 (2009/03/04)
- 1983年 Apple Macintoshプロモーションビデオの再考 (2009/02/06)
- MACWORLD誌 1984年創刊号はビッグバン!? (2009/02/03)
- Macintosh 128K マニュアルの秘密!? (2008/12/31)
- 「はじめての旅先通信2003」に見るネット環境の進歩 (2008/11/14)
- これが3Dキャラクタツールの元祖だ〜Poser ver.1.0 を入手 (2008/10/21)
- 1984年に作ったApple II用のプログラムリストが見つかった! (2008/09/16)
- Photoshopの知られざるもうひとつの顔と謎 (2008/06/29)
- 1985年のスーパーボウルで配布されたAppleシートクッション (2008/05/07)
- Appleが人間工学を考慮した製品〜Apple Adjustable Keyboard考 (2008/04/08)
- Newton MessagePadの思い出 (2008/03/31)