ラテ飼育格闘日記(463)

ラテと出会ったのは2006年11月12日の日曜日だった。横浜のとある動物病院で開催された里親会でのことだ。ということは来月の12日で丸9年ということになる。過ぎてしまえば文字通り「光陰矢のごとし」そのままの感覚だがラテは確かに大きく成長したしこの数年での変貌は著しい…。


我々と同様にワンコも個体差があるとしてもラテが特別であるはずもない…。しかしオトーサンたちにとってオンリーワンなのは間違いないことだ。そのラテも日々の生活の中で必要最低限の躾けはしてきたが、特別な芸を教えるとかトレーニングするといったことはあえてやらないでいる。

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※散歩中の一休み、ラテはご機嫌なようだ


待て、来い、お座り、伏せ…といった基本的なコマンドと共に散歩で外に出たとき、なるべく回りに迷惑をかけないようにという配慮は重要だが、自宅にいるときには実に自由奔放に過ごしているラテだ。
年齢的なこともあるだろうが、ラテは玄関のチャイムが鳴っても吠えないし、オトーサンたちが外出しても追ってこないし、無論留守中に室内をかき回すこともない。掃除機もドライヤーの音もそして救急車やパトカーのサイレン、そして雷も怖がらない。

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※朝の散歩に出かけようと家を出たが、階段のたたきからオカーサンとラテは何を見ているのだろうか


また拾い食いはほとんどやらなくなったし大好きな牛肉を乾したオヤツにしてもオトーサンたちが散歩のときに小さな容器に入れて持ち出すその容器をラテが届く室内に置いたとしても、開けたり壊して中身を食べようとはしない。さらにあれほど苦労した耳掃除や目薬をさすことも落ち着いてできるようになった。

目薬はともかく、我々でも綿棒を他者に耳の穴に差し込まれてぐるぐるされるなど怖いし嫌だ。しかしラテはじっとしているようになった。したがって体のどこを触っても威嚇したり嫌がったりしないので散歩から戻っての清掃も大変楽になった。
雨の日にレインコートを着せて出かけたとしても頭と首筋はかなり濡れるが、玄関に座らせてレインコートを脱がせた後に乾いたタオルをオトーサンが手にすると「早く拭いて!」とばかりタオルに頭を突っ込んでくる…。

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※大嫌いなレインコートだが、ラテは散歩から戻り安心したのかエントランスで笑顔を見せる


また四つ脚は基本的に小さなバケツに水やぬるま湯を入れ、洗った後でタオルでよく拭くことにしているが、たまたま肉球を噛んだりすれば滲みるしオトーサンがタオルで拭けば痛いのだろう、数年前なら「ガウッ」と威嚇してオトーサンの腕に歯を当てるふりをしたものだが、最近は「ピ〜」と鳴き声を発して苦情をいうだけになった(笑)。

そのラテが苦手なもの…いや場所が2つある。ひとつは動物病院、2つ目がペット美容室だ。
現在の住居はその両方に近い場所なので嫌がろうがわめこうが連れて行くのは容易になったが、以前はペット美容室に行くのに片道で20分以上かかる場所にいたから、自宅を出た途端に散歩コースとは違うことを察したラテはあらん限りの力と知恵を使って抵抗するので実に大変だった。

まずは「そっちへは行きたくない」と四つ脚で踏ん張り作戦だ。この作戦は初歩的防御ではあるが、体重20Kgのラテが本気で動かないとなればなかなかに手強い。リードを強く引いたくらいでは引きずっていけないが、弱点はある。それはリードを上に持ち上げることだ(笑)。無論体重分の重さはあるし首輪に全体重がかかるので首を絞めることになってしまうから加減が難しい。しかし我が娘は「ゲッ!」としながらも抵抗を続ける…。

この歩かなくなるという抵抗が数分おきに繰り返されるのは実に大変だ。しかし何とか宥め賺してしばらく歩くと次の作戦が降りかかってくる。それは脱糞作戦である。
緊張のあまりなのか、嫌がらせなのかはラテに聞いても最高機密なのか教えてくれないが、ある時などは美容室に到着する間に3度も作戦を実行しやがったことがある(笑)。
当然オトーサンはその度に爆弾処理ならぬ脱糞処理をしなければならず、余計な手間と時間を要してしまうことになる。

それでもオトーサンはめげずに歩みを進めるが、夏場だったりすればすでに汗だくだしタイミングが悪い事に雨天なればびしょ濡れとなる。オトーサンの気持ちとしてはラテだけでくオトーサンもこのまま美容室でシャンプーして欲しいくらいだ(笑)。

しかし後美容室まで30メートルほどになり、その看板などが見えてくると娘は最後のあがきなのか抵抗を止めてオトーサンにしがみつき抱っこを要求するのだ。長距離を20Kgのラテを抱き上げて歩くのは無理だが、30メートルほどならどうということはないオトーサンだが、一般的な散歩時とは違い両腕はもとより足腰にこれまでの戦いの疲労が蓄積しガタガタなのだ…。それでも娘の要求に答えようとラテを抱き上げ、そのままペット美容室のドアを開けて中に入るが、ラテはオトーサンの胸にお腹をピタリと合わせつつ震えている。やはり怖いのだ…。

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※土盛りされている箇所に上り、猛烈に穴を掘って喜ぶラテ


動物病院もまあまあ同じように嫌がるが、先日珍しいことがあった。
5種混合ワクチンの接種のためにいつもの動物病院に向かったが、最初の曲がり角でラテは抵抗したものの、どうした風の吹き回しかその後はスタスタと率先して動物病院の前まで行き、オトーサンが開けたドアを抵抗なくするりとくぐって入ってしまった。この病院に通うようになってこれほど抵抗なく待合室に入ったのは始めてだったが、オトーサンは「どこか具合でも悪いのか?」と心配してしまった。

その2日後のこと、もっと驚いたことが起こった。
散歩中に前記したペット美容室の前を通った。ご紹介したエピソードの時期にはこのお店に入ることはあっても通過することはなかったが、現在は近隣に住んでいることもあって通らないわけにはいかない。無論この地に引っ越し直後はこの道を通るのをラテは大変嫌がった。美容室に連れて行かれると思うからだろう…。

オトーサンのリードで通過するときには少し前から尻尾が下がり不安感をあらわにしたが、お店の前を通過するというこれまで経験したことのない日々が重なると、「なるほど…いつもお店に入るわけではないのだ」ということを学習したようだ。

次第に美容室の前を通る場合にもチラッと視線を向けるが尻尾は下がらなくなってきた。ただし2,3ヶ月に1度は連れ込まれるのだが(笑)。
そんなラテだったが、先日いつものように散歩の帰りにその道を通った。相変わらずラテは警戒しながらもチラッと視線を向けるだけで足早に通過するだろうとオトーサンは思っていたが、ラテは意外な行動に出た。それはお店の前で立ち止まり階段を仰ぎ見ただけでもこれまで例がなかったのに、なんと自分から入り口の階段に足をかけたのだ…。

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※いままで通過するだけでも尻尾が下がっていたペット美容室だが、はじめて階段をラテの意志で登った...


犬猫の美容室なのでその出入り口には多様なペットたちの臭いが付いていることは分かるが、それはいま始まったことではない。一段ではあるがラテは自分の意志で始めてその階段に足をかけて上り、しばらくの間臭いをかいでから階段から降りた。オトーサンは思わず「ラテ凄いね!」と声をかけたらラテは少々得意そうにオトーサンにアイコンタクトした。
いろいろな意味で成長というか学習というか、飼い主が考えている以上にラテは日々変わっていくようだ…。ただしこの話しには後日談がある。それは次回のお楽しみということにしよう(笑)。




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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員