Creality K1 600mm/s 爆速 FDM 3Dプリンターレポート
この度、2年ぶりに新型FDM 3Dプリンターを手に入れた。「Creality K1」という製品である。2018年に最初のFDM(FFF)式の3DプリンターBIQU-Magicianから数えて今回で9台目になり別途光造型3Dプリンター1台も可動中だ。なお同じようなものを買い換えても…とお考えの方もいらっしゃるかも知れないが、3Dプリンターという製品は新しい部類の製品だけに未だに手がかかる代物で未完成な部分も多かったものだが近年の進化・進歩はめざましいものがあるのだ。
※梱包を解きセットアップしたCreality K1
さて、FDM式3Dプリンターの最大の欠点といえばそれは造型に時間がかかることだと思う。勿論造型サイズやパラメーターにもよるものの10時間程度ならまだしも1日半ほどかかる場合もしばしばだ。ということで作りたくても他の予定とも関連しなかなか思うように使いこなせないこともあり得る。
※サイズは思ったよりコンパクト…かな
その点「Creality K1」は私がこれまで所持していた標準的な製品とスペック比較すれば何と10倍から12倍ほどもプリント時間が短縮できる理屈なのだ。したがってこれまで造型に24時間が必要なプリントだとしても「Creality K1」なら理屈では3時間とか5時間程度で完成するわけでこれはメチャ凄いことであり、つい「時間がかかるから…」と躊躇していた造型も苦にならなくなる。ただしそれだけに新しいトラブルにも見舞われると覚悟をしているがそれさえも知的好奇心をくすぐる製品だといえる。
■以外とコンパクトで手間いらず
さて「Creality K1」は組立式の製品ではない。一部梱包後に組合せが必要な部品があるが基本的には電源を入れればすぐに使えるという代物だ。
またFDMの3Dプリンターには大別して…少なからず組立を必要とする製品のほとんどはフレーム型とでもいうべき製品と「Creality K1」のように箱型(エンクロージャー)の中に機構が収まっている製品の2種があるが、箱型筐体の製品は庫内の温度管理が可能になりABSやASA、PCといった普通は難造樹脂と言われる素材でも造形が可能になるという利点がある。
とはいえこの種の製品は一般的には大型で重量も嵩むものだがこの「Creality K1」は設置してみると思ったより小型である事に驚いた。サイズだが35.5D x 35.5W x 48H cmである。
また造型可能サイズは220×220×250mmと私の用途としてはまずまずだし、なによりもこれまでの3Dプリンターと違い、ハンズフリーのオートレベリング機能が搭載され正確なZ軸位置制御もすべて自動に行われ、ユーザーは何の操作も必要ない。要は水平出しは勿論、コピー用紙を挟んでノズル先端とヒートベッドの間隔調整も不要になった…。
■「Creality K1」最大の魅力はその激速なスピードだ
さて改めて記すが、なによりも「Creality K1」の魅力はその激速なスピードだ。最高は驚異の600mm/sの印刷速度を誇るがエクストルーダーが速く動けばそれで済むならとっくの昔に多くの製品が出て来ただろう。
要はエクストルーダーが従来型だとそれ自体が重く、高速に移動できないしリンギングといって共振や振動によりプリントが安定しないわけだが「Creality K1」はプリントヘッド自体が軽く設計されただけで無く、 G センサーが高速印刷の共振周波数を測定し、それを軽減すると共にプリンターを自動調整するためプリント上のゴーストやリンギングもなくなるという。
ちなみに専用のゴム足を付けて用意してあった机上に設置したが思ったより振動・騒音は気にならないレベルだったのが嬉しい。
※振動を軽減するゴム足が同梱されている
さらにホットエンドを取り囲む新しいセラミックヒーターは、様々なフィラメントを瞬時に溶かすことができ、40秒で200℃、最高300℃まで加熱できる。直接駆動の押出機と二重ファンによるチャンバー冷却で、高速冷却と成形を行い、ひずみや反りを効果的に回避し、完成度の高いプリントを実現してくれる。そして柔軟性のあるビルドプレートが採用されているため、素早くプリントを取り外すことができる。
※エンクロージャ内部
そう…「Creality K1」のプリントは、フラッシュドライブまたはWiFiを経由することができ、ネットワークに接続すれば、専用スライサーソフトのCreality PrintまたはCreality Cloud APP/WEBから「Creality K1」を制御または監視できる。
※スライサーソフトCreality Printから進捗状況を確認
■内蔵カメラ(オプション)の威力
「Creality K1」導入に際しオプションのカメラを一緒に買った。上位機種の「Creality K1 MAX」は始めからカメラが内蔵されているが「Creality K1」はオプションだ。
※オプションのカメラを取り付ければ前記した3Dプリンターの庫内の様子を監視できるだけでなくタイムラプス撮影できる
ともあれこれにより3Dプリンターの庫内の様子を監視できるだけでなくタイムラプス撮影でき、スパゲッティ障害、異物、ゴミなどを見守りエラーが発生した場合はAIアラートで知らせてくれる。
■総評
「Creality K1」の魅力を駆け足でご紹介してみたが、実は当初Amazonで購入した。しかしセットアップの翌日にホットエンドの温度が上がらずフィラメントが詰まるというアクシデントに見舞われた。ノズルの詰まり程度なら多々交換やメンテの経験があるがホットエンドの温度が上がらないとなれば部品交換修理とならざるを得ない。要は私の手にした製品は初期不良といえるわけだが指定されたメーカーサポート担当はこれまでで一番やる気の無い酷い対応で時間ばかりが過ぎて先が見えなかった。
こんな調子では今後も思いやられると考え返品を決意したが「Creality K1」自体は是非使いたいと考えていたためサポートが確かな事を期待し正規代理店であるSK本舗さんから買い直したものなのだ。
※専用スライサーCreality Printでのオペレーション例
というわけで今後順次気がついたことはX(Twitter)やブログで情報発信していきたいが、前準備や操作が格段に楽になったとはいえまだまだ家電のようにボタン一つ押せば間違いの無い結果を得られるわけではない。
このデザイン的にも魅力的な筐体を持つ「Creality K1」をいかにしたら最大限に能力を引き出し目的を遂行できるかは相変わらずユーザーの地道な努力と情熱にかかっていることは間違いない。
【参考動画】
YouTube 爆速FDM 3Dプリンター Creality K1 レポート
※梱包を解きセットアップしたCreality K1
さて、FDM式3Dプリンターの最大の欠点といえばそれは造型に時間がかかることだと思う。勿論造型サイズやパラメーターにもよるものの10時間程度ならまだしも1日半ほどかかる場合もしばしばだ。ということで作りたくても他の予定とも関連しなかなか思うように使いこなせないこともあり得る。
※サイズは思ったよりコンパクト…かな
その点「Creality K1」は私がこれまで所持していた標準的な製品とスペック比較すれば何と10倍から12倍ほどもプリント時間が短縮できる理屈なのだ。したがってこれまで造型に24時間が必要なプリントだとしても「Creality K1」なら理屈では3時間とか5時間程度で完成するわけでこれはメチャ凄いことであり、つい「時間がかかるから…」と躊躇していた造型も苦にならなくなる。ただしそれだけに新しいトラブルにも見舞われると覚悟をしているがそれさえも知的好奇心をくすぐる製品だといえる。
■以外とコンパクトで手間いらず
さて「Creality K1」は組立式の製品ではない。一部梱包後に組合せが必要な部品があるが基本的には電源を入れればすぐに使えるという代物だ。
またFDMの3Dプリンターには大別して…少なからず組立を必要とする製品のほとんどはフレーム型とでもいうべき製品と「Creality K1」のように箱型(エンクロージャー)の中に機構が収まっている製品の2種があるが、箱型筐体の製品は庫内の温度管理が可能になりABSやASA、PCといった普通は難造樹脂と言われる素材でも造形が可能になるという利点がある。
とはいえこの種の製品は一般的には大型で重量も嵩むものだがこの「Creality K1」は設置してみると思ったより小型である事に驚いた。サイズだが35.5D x 35.5W x 48H cmである。
また造型可能サイズは220×220×250mmと私の用途としてはまずまずだし、なによりもこれまでの3Dプリンターと違い、ハンズフリーのオートレベリング機能が搭載され正確なZ軸位置制御もすべて自動に行われ、ユーザーは何の操作も必要ない。要は水平出しは勿論、コピー用紙を挟んでノズル先端とヒートベッドの間隔調整も不要になった…。
■「Creality K1」最大の魅力はその激速なスピードだ
さて改めて記すが、なによりも「Creality K1」の魅力はその激速なスピードだ。最高は驚異の600mm/sの印刷速度を誇るがエクストルーダーが速く動けばそれで済むならとっくの昔に多くの製品が出て来ただろう。
要はエクストルーダーが従来型だとそれ自体が重く、高速に移動できないしリンギングといって共振や振動によりプリントが安定しないわけだが「Creality K1」はプリントヘッド自体が軽く設計されただけで無く、 G センサーが高速印刷の共振周波数を測定し、それを軽減すると共にプリンターを自動調整するためプリント上のゴーストやリンギングもなくなるという。
ちなみに専用のゴム足を付けて用意してあった机上に設置したが思ったより振動・騒音は気にならないレベルだったのが嬉しい。
※振動を軽減するゴム足が同梱されている
さらにホットエンドを取り囲む新しいセラミックヒーターは、様々なフィラメントを瞬時に溶かすことができ、40秒で200℃、最高300℃まで加熱できる。直接駆動の押出機と二重ファンによるチャンバー冷却で、高速冷却と成形を行い、ひずみや反りを効果的に回避し、完成度の高いプリントを実現してくれる。そして柔軟性のあるビルドプレートが採用されているため、素早くプリントを取り外すことができる。
※エンクロージャ内部
そう…「Creality K1」のプリントは、フラッシュドライブまたはWiFiを経由することができ、ネットワークに接続すれば、専用スライサーソフトのCreality PrintまたはCreality Cloud APP/WEBから「Creality K1」を制御または監視できる。
※スライサーソフトCreality Printから進捗状況を確認
■内蔵カメラ(オプション)の威力
「Creality K1」導入に際しオプションのカメラを一緒に買った。上位機種の「Creality K1 MAX」は始めからカメラが内蔵されているが「Creality K1」はオプションだ。
※オプションのカメラを取り付ければ前記した3Dプリンターの庫内の様子を監視できるだけでなくタイムラプス撮影できる
ともあれこれにより3Dプリンターの庫内の様子を監視できるだけでなくタイムラプス撮影でき、スパゲッティ障害、異物、ゴミなどを見守りエラーが発生した場合はAIアラートで知らせてくれる。
■総評
「Creality K1」の魅力を駆け足でご紹介してみたが、実は当初Amazonで購入した。しかしセットアップの翌日にホットエンドの温度が上がらずフィラメントが詰まるというアクシデントに見舞われた。ノズルの詰まり程度なら多々交換やメンテの経験があるがホットエンドの温度が上がらないとなれば部品交換修理とならざるを得ない。要は私の手にした製品は初期不良といえるわけだが指定されたメーカーサポート担当はこれまでで一番やる気の無い酷い対応で時間ばかりが過ぎて先が見えなかった。
こんな調子では今後も思いやられると考え返品を決意したが「Creality K1」自体は是非使いたいと考えていたためサポートが確かな事を期待し正規代理店であるSK本舗さんから買い直したものなのだ。
※専用スライサーCreality Printでのオペレーション例
というわけで今後順次気がついたことはX(Twitter)やブログで情報発信していきたいが、前準備や操作が格段に楽になったとはいえまだまだ家電のようにボタン一つ押せば間違いの無い結果を得られるわけではない。
このデザイン的にも魅力的な筐体を持つ「Creality K1」をいかにしたら最大限に能力を引き出し目的を遂行できるかは相変わらずユーザーの地道な努力と情熱にかかっていることは間違いない。
【参考動画】
YouTube 爆速FDM 3Dプリンター Creality K1 レポート
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