ラテ飼育格闘日記(96)
愛犬ラテとの散歩は日々新しいことに気づかせてくれる。ラテの成長ぶりは勿論だが一緒に歩く街並みの変化や人々の暮らし、そして季節の変動や天気の移り変わりなどなど、決して1人の散歩では味わえないことを身体全体で感じながら歩いている...。
猛暑と言われた夏も終わり、愛犬との散歩には大変適した時期ではあるが雨は困る...。
何故なら、散歩には欠かせないアイテム一式を収めた「散歩バッグ」を肩にかけ、手にはラテのリードを握って歩くだけでも重労働だというのに傘をささなければならないのは...特に腱鞘炎の手には辛い...。
その上、ラテがウンチをしようものならその処理をするためにバッグから処理袋を取り出してかがみ込むといういつもの作業をするわけで、その間も人通りがある場所ではラテの行動を制御しなければならず神経を使うだけでなく、土砂降りの中では到底傘などさしてはいられなくなりオトーサンはびしょ濡れとなる。
そもそも雨の日の散歩はラテにとっても楽しいものではないはずだ。オトーサンと一緒に歩くそれ自体を楽しむのは間違いないだろうが、雨が本降りならレインコートを着させられるからである。
とにかくオトーサンがレインコートを着せようとラテの前に立つと彼女は急いでトイレシートへ逃げ込む。まさに雪隠詰めである。
面白いのはオトーサンが大好きな、ラテの表情豊かな普段の顔とはまったく違う顔になることだ。
普段これほどラテが不快を表す表情をすることはめったにないのである...。その表情は耳が後ろに倒れ、尻尾は垂れ、顔は無表情となり身体が硬直する。
それでも我が家に来た最初の頃はレインコートを着せるのに抵抗したものだが、最近は不快さを身体全身で表すもののオトーサンがレインコートを背中に掛け、両前足を通して腹の部分のジッパーを...とやっている作業をまったく邪魔することなくさせるがままにしているのだから逆に可哀想になってくる。

※レインコートを着せるとこんな険しい表情になる(笑)
とはいえ一端外に出れば耳と尻尾は普段通りに立ち、粛々と歩き始めるが、レインコートを着ない場合とはリードの引きがまったく違う。
やはり着衣が気になるのだろうが、普段あちらこちらと臭いを嗅いだり道ばたの草花を囓ったりといったことをやらなくなるのだ。ただひたすら良い子でオトーサンの左右に付いてヒタヒタと歩く。
正直オトーサンにとってこれは理想的な状態だから、晴天でもレインコートを着させようか...と冗談を言いたくなるが、ラテは面白くないと思っているに違いない。
そんなに嫌なレインコートだから、小雨程度の場合は極力着させないで出かけるようにしている。しかしオトーサン自身が雨に濡れるよりラテの身体が気になり、つい大ぶりの傘をラテの上に向けてしまう。
先日もそんな感じで岐路についたとき、すれ違った方が「あらあら、ワンちゃんの方に傘さしているのねぇ...」と気の毒そうに言ってくれたが、少々おかしな光景のように思えたのかも知れない。しかしそれが親心というものだ(笑)。
それから雨の日はどうしても散歩に出るワンコたちが極端に少なくなるわけで、いつもの公園にいつもの時間に行っても広い公園にはラテとオトーサンだけということもあり得る。これはラテにとっては大変残念で寂しいことに違いない。したがってどうしても雨の日の散歩はウンチをさせるための散歩になってしまい、時間も短くなりがちでラテにとっては不本意な時間となる。
だからかも知れないが、ラテは夕方の散歩時にレインコートを着せて外に出ると雨の具合によってはソソクサと玄関のドアに鼻面を押しつけて行きたくない...部屋に戻りたいという意志を示すときがある。
オトーサンとしては散歩を一回抜かしできるわけで体力的にはありがたいことだからラテの好意を甘んじて受けるが、2度続けては可哀想なので大雨でも出かけることになるわけだ。
レインコートのおかけでかなりの雨でもボディそのものはほとんど濡れずに済み、戻ってからの身体拭きには大変ありがたいのだが、頭をはじめ足元やお尻周りとシッポなどはびしょびしょとなるから身体を綺麗にする時間はいつもの倍以上もかかる...。
それだけでなく当然のことながらオトーサンの足元はびしょ濡れであり、多くの場合は靴の中まで雨がしみ込みジーンズの裾は絞ると水がしたたるほど...。
だから雨の日の散歩はラテならずとも嫌なのだ!
しかし雨であろうと雪が降ろうと散歩は多くの体験を生む。他の飼い主さんたちと出会うのは勿論、ワンコでも連れていなければ足を向けない場所に行ったり、見知らぬ建物、ユニークな大木、これまで見たこともない奇妙な虫たちにも出会う...。中には名画の1シーンになるような息をのむ美しい場面に出会うときもある。そして名も知らぬ草花に感動し、野鳥の歌声に心が洗われ、たまには奇妙なものにも出会う。


※秋らしい空の下をラテと歩くのは楽しい(上)。そんな道ばたに栗がいくつか落ちていたが、この後鼻でつついたラテは飛び上がることに...爆(下)
ある小雨の朝に人通りが少ない舗道を歩いているとラテが足を止めるのと同時にオトーサンは何か視線を感じたのである。
ふと道路脇に転がっている欠けた石に目を向けたのだが、私にはその角度から見ると石にはなにか悲しそうというかつまらなそうな表情が刻まれているのを感じた...。それはラテがレインコートを着させられるときの表情みたいで思わずニヤッとしてしまった。
見る人が見れば「人面石」とでもいうかも知れないが(笑)、その日その日のオトーサン自身の心のあり方で森羅万象の見え方感じ方が変わってくるような気がしてラテと一緒に歩くのは楽しいのである。

※道ばたの欠けた石に視線を感じてラテともに見据えると、そこにはラテがレインコートを着せられた時のような表情が浮かんでいた
そういえば朝の散歩時にたまたま出会うオジサンがいる。年回りは私と同じ程度だと思うがジャージを着てクビにはタオルを巻きもくもくと歩いているのだが、印象的なのはその表情だ。
なぜなら彼の表情はいかにも「嫌だけど健康のため医者に勧められたから...」といった想像ができるほど面白くないというかふて腐れた顔で歩いているのだ(笑)。
別にニヤニヤする必要はないが、アレではただ単に歩くだけで気持ちは晴れないのではないかと人ごとながら気の毒になる。
いつもいつも面白くなさそうに歩いている姿を見ると「ワンコでも飼ってみたらいかが」とアドバイスしてやりたくなる。
まあ、飼いたくても飼えない事情もあるだろうし、そもそもワンコを嫌いかも知れないが、せっかく健康のために歩くのだからメンタルな面も大切だと思うのだ。
そういうオトーサンもラテに話しかけながらニコニコしながら歩いているわけだから、危ないオヤジと見えるのかも知れない(爆)。
猛暑と言われた夏も終わり、愛犬との散歩には大変適した時期ではあるが雨は困る...。
何故なら、散歩には欠かせないアイテム一式を収めた「散歩バッグ」を肩にかけ、手にはラテのリードを握って歩くだけでも重労働だというのに傘をささなければならないのは...特に腱鞘炎の手には辛い...。
その上、ラテがウンチをしようものならその処理をするためにバッグから処理袋を取り出してかがみ込むといういつもの作業をするわけで、その間も人通りがある場所ではラテの行動を制御しなければならず神経を使うだけでなく、土砂降りの中では到底傘などさしてはいられなくなりオトーサンはびしょ濡れとなる。
そもそも雨の日の散歩はラテにとっても楽しいものではないはずだ。オトーサンと一緒に歩くそれ自体を楽しむのは間違いないだろうが、雨が本降りならレインコートを着させられるからである。
とにかくオトーサンがレインコートを着せようとラテの前に立つと彼女は急いでトイレシートへ逃げ込む。まさに雪隠詰めである。
面白いのはオトーサンが大好きな、ラテの表情豊かな普段の顔とはまったく違う顔になることだ。
普段これほどラテが不快を表す表情をすることはめったにないのである...。その表情は耳が後ろに倒れ、尻尾は垂れ、顔は無表情となり身体が硬直する。
それでも我が家に来た最初の頃はレインコートを着せるのに抵抗したものだが、最近は不快さを身体全身で表すもののオトーサンがレインコートを背中に掛け、両前足を通して腹の部分のジッパーを...とやっている作業をまったく邪魔することなくさせるがままにしているのだから逆に可哀想になってくる。

※レインコートを着せるとこんな険しい表情になる(笑)
とはいえ一端外に出れば耳と尻尾は普段通りに立ち、粛々と歩き始めるが、レインコートを着ない場合とはリードの引きがまったく違う。
やはり着衣が気になるのだろうが、普段あちらこちらと臭いを嗅いだり道ばたの草花を囓ったりといったことをやらなくなるのだ。ただひたすら良い子でオトーサンの左右に付いてヒタヒタと歩く。
正直オトーサンにとってこれは理想的な状態だから、晴天でもレインコートを着させようか...と冗談を言いたくなるが、ラテは面白くないと思っているに違いない。
そんなに嫌なレインコートだから、小雨程度の場合は極力着させないで出かけるようにしている。しかしオトーサン自身が雨に濡れるよりラテの身体が気になり、つい大ぶりの傘をラテの上に向けてしまう。
先日もそんな感じで岐路についたとき、すれ違った方が「あらあら、ワンちゃんの方に傘さしているのねぇ...」と気の毒そうに言ってくれたが、少々おかしな光景のように思えたのかも知れない。しかしそれが親心というものだ(笑)。
それから雨の日はどうしても散歩に出るワンコたちが極端に少なくなるわけで、いつもの公園にいつもの時間に行っても広い公園にはラテとオトーサンだけということもあり得る。これはラテにとっては大変残念で寂しいことに違いない。したがってどうしても雨の日の散歩はウンチをさせるための散歩になってしまい、時間も短くなりがちでラテにとっては不本意な時間となる。
だからかも知れないが、ラテは夕方の散歩時にレインコートを着せて外に出ると雨の具合によってはソソクサと玄関のドアに鼻面を押しつけて行きたくない...部屋に戻りたいという意志を示すときがある。
オトーサンとしては散歩を一回抜かしできるわけで体力的にはありがたいことだからラテの好意を甘んじて受けるが、2度続けては可哀想なので大雨でも出かけることになるわけだ。
レインコートのおかけでかなりの雨でもボディそのものはほとんど濡れずに済み、戻ってからの身体拭きには大変ありがたいのだが、頭をはじめ足元やお尻周りとシッポなどはびしょびしょとなるから身体を綺麗にする時間はいつもの倍以上もかかる...。
それだけでなく当然のことながらオトーサンの足元はびしょ濡れであり、多くの場合は靴の中まで雨がしみ込みジーンズの裾は絞ると水がしたたるほど...。
だから雨の日の散歩はラテならずとも嫌なのだ!
しかし雨であろうと雪が降ろうと散歩は多くの体験を生む。他の飼い主さんたちと出会うのは勿論、ワンコでも連れていなければ足を向けない場所に行ったり、見知らぬ建物、ユニークな大木、これまで見たこともない奇妙な虫たちにも出会う...。中には名画の1シーンになるような息をのむ美しい場面に出会うときもある。そして名も知らぬ草花に感動し、野鳥の歌声に心が洗われ、たまには奇妙なものにも出会う。


※秋らしい空の下をラテと歩くのは楽しい(上)。そんな道ばたに栗がいくつか落ちていたが、この後鼻でつついたラテは飛び上がることに...爆(下)
ある小雨の朝に人通りが少ない舗道を歩いているとラテが足を止めるのと同時にオトーサンは何か視線を感じたのである。
ふと道路脇に転がっている欠けた石に目を向けたのだが、私にはその角度から見ると石にはなにか悲しそうというかつまらなそうな表情が刻まれているのを感じた...。それはラテがレインコートを着させられるときの表情みたいで思わずニヤッとしてしまった。
見る人が見れば「人面石」とでもいうかも知れないが(笑)、その日その日のオトーサン自身の心のあり方で森羅万象の見え方感じ方が変わってくるような気がしてラテと一緒に歩くのは楽しいのである。

※道ばたの欠けた石に視線を感じてラテともに見据えると、そこにはラテがレインコートを着せられた時のような表情が浮かんでいた
そういえば朝の散歩時にたまたま出会うオジサンがいる。年回りは私と同じ程度だと思うがジャージを着てクビにはタオルを巻きもくもくと歩いているのだが、印象的なのはその表情だ。
なぜなら彼の表情はいかにも「嫌だけど健康のため医者に勧められたから...」といった想像ができるほど面白くないというかふて腐れた顔で歩いているのだ(笑)。
別にニヤニヤする必要はないが、アレではただ単に歩くだけで気持ちは晴れないのではないかと人ごとながら気の毒になる。
いつもいつも面白くなさそうに歩いている姿を見ると「ワンコでも飼ってみたらいかが」とアドバイスしてやりたくなる。
まあ、飼いたくても飼えない事情もあるだろうし、そもそもワンコを嫌いかも知れないが、せっかく健康のために歩くのだからメンタルな面も大切だと思うのだ。
そういうオトーサンもラテに話しかけながらニコニコしながら歩いているわけだから、危ないオヤジと見えるのかも知れない(爆)。