Walter Isaacson著「Steve Jobs」のUS版とUK版を比較すると...

まったく個人的な感傷ではあるがWalter Isaacson著「Steve Jobs」の原著は私にとってジョブズの遺品のように思える。したがって利用および保管のために2冊購入しようと思ったが、さすがに同じものでは芸がないと考え1冊は英国Little, Brown社刊を手に入れることにした。その結果、米国SIMON & SCHUSTER社刊と比較すると面白いほどの違いがあることも分かった。                                                                                    

違いがあるとはいっても内容に関してではない。無論UK版は届いたばかりでもあり、一字一句を比較したわけではないが内容については同一のようだ。しかし2冊を手にしてみて最初に気がつくのは本の厚さである。
定規を当て実際に表紙込みの厚さを測ってみたがUS版が約44mmなのに対してUK版は約55mmと1cmほども厚い。

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※UK版左はUS版と比較して約10mmほど厚い


この厚みの違いは私が確認した範囲ではページ数の違いではなく紙質の違いによるものだ。ページ数は両社共に同じだったがUS版の紙質がいわゆるざら紙といった少々黄ばんだ薄めなのに対してUK版の用紙は白く一枚一枚が厚いことがわかる。したがってページをぱらぱらとめくる感触もかなり違う…。

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※US版(左)の紙質は黄味がかった薄めの紙だがUK版(右)は白くて厚めの紙を使ってい


また厚みと同様に最初US版を入手していたからこそ違いが分かったが、カバーに使われているスティーブ・ジョブズの写真がUK版は墨が強く全体的に黒ずんでいる。そしてよくよく見た目の違いの要因を確認するとUS版のカバーは光沢があるがUK版は光沢がないことが分かった。そしてカバーに関しては両方共にデザインは一緒だが当然とはいえ背の部位下にある出版社のロゴが違っている。

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※US版(左)のカバーは光沢があるがUK版(右)は艶消しの用紙で印刷の墨が強い


またカバーの折り返しに印刷されている著者Walter Isaacsonの写真だが、US版がカラーなのに対してUK版はモノクロという違いがある。

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※著者の写真はUS版がカラーなのに対してUK版はモノクロ


カバーを外してみると書籍そのものの装丁はまったく違う。
UK版は至極シンプルなのに対してUS版は背に “Steve Jobs” というタイトルを中央に大きく配し、著者名を上部に位置している。そして背の部分のカラーを表紙や裏表紙のホワイトと対比させたグレーにしている点も違う。個人的な好みで言えばUS版が「これぞ書籍」といった主張をしているようで良いと思う…。

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※装丁も違う。下はUS版で上がUK版


なおUS版の価格が35ドル、UK版は25ポンドとなっている。
まあUS版ならびにUK版を書棚に収納してみるとなかなかの存在感があって本好きとしては嬉しいが、貧弱な語学力しか持っていない私はこれらをすらすらと読むことはできない。しかし辞書片手に、そして日本語版の助けを借りながら少しずつこれら原著を読み進めてみたいと考えている。

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員