ダヴィンチ Color miniのレーザーモジュール、ファーストインプレッション

購入後2ヶ月半ほどで故障したカラー3Dプリンタ「ダヴィンチ Color mini」だが無事修理されて戻ってきた。戻った製品の検証結果は上々だったので以前から試してみたいと考え購入していたオプションパーツのレーザーモジュールを試してみることに。これはご承知の通り紙・コルク・革・プラスチック等にレーザー刻印を可能にするものだ。


そもそもカラー3Dプリンタといっても365日稼働させるわけではないからそのプリントヘッドを取り外し、レーザーモジュールに交換すればレーザー刻印機となるのは設置場所も一箇所で良いし本機の有効活用にもなるに違いない。しかし私はこれまでレーザー刻印機なる製品を使った事がないものの、以前から興味を持って製品情報などを集めていたが安価な製品でMac接続出来て手軽に使えるものはみつからなかった。

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※XYZプリン手イング社フルカラー3Dプリンター「ダヴィンチColor mini」


ということでよい機会だからとレーザーモジュールを買い、修理から戻ってきた「ダヴィンチ Color mini」に取り付け専用アプリケーション「XYZengraver」で刻印をしようと意気込んだが、アプリは起動するものの「プリンターが繋がっていない」との警告が出て先に進めない…。

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※左が標準のプリントヘッドで右がレーザーモジュール。それぞれは簡単に交換可能


しかし同じ本体でUSBケーブル接続ならびにWi-Fi接続で3Dプリンターとして問題なく動作しているわけだからトラブルが本体とMacとの接続問題であるはずがない。

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※ソフトウェアは専用の XYZmaker Suite に含まれる XYZengarver を使う


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※しかし刻印をスタートさせるとプリンターが繋がっていないというエラーメッセージが出る


ということでメーカーサポートと何度かやり取りした後、結局ユニットの交換となった。しかしトラブるときには続くもので、送られてきた交換品も動かない(笑)。
ここで冷静になって考えてみた。最初のユニットが文字通り故障していたとしてその交換品として送られてきたユニットも壊れている確率はそう高くはないしずだ(楽観的考察)。だとすれば少なくとも今回のトラブルはソフトウェアの問題ではないか…と考えた次第。

くどいようだが「プリンターが繋がっていない」との警告だが、ハードウェア的には間違いなく繋がっていると考えてよい。とすれば何らかソフトウェア、アプリケーション問題と考えるのが合理的だ。
それにMacのソフトウェア開発を生業にしてきた者から見て正直、こうしたハードに附属するMac用アプリの出来は決してよくない。
確かに昔ほど "Macライク" さを求められなくなったしWin版とGUIを統一したいといった背景があるようだが、申し訳ないがWin版は使った事がないので分からないものの、Mac版に限っては可笑しな…というか使いづらいというか、動作の正確性に不安があるといったソフトウェアが多い。

そうした問題点が単にGUIというか、目に見えるケースなら原因も分かりやすく回避もしやすいが、ソフトウェアの信頼性となれば簡単に原因を特定するのは難しい。
さらに、細かなことは今回指摘しないがメーカーのウェブサイトの情報が正確で無い箇所もあったのでトラブル回避に多大な時間を費やしてしまった。
一時は返品も考えたものの、ソフトウェア的には最終決断として関連アプリだけでなくそのプレファレンスやキャッシュデータに至るまでをすべて消去し、ソフトウェアを再インストールした結果、やっと動いた!

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※XYZengarverがプリンターを認識すると各パラメーター設定が可能になる


さて肝心のレーザー刻印だが、専用アプリの「XYZengraver」は必要最低限の機能を実装している。アプリを起動し刻印したいイメージ(JPG. PNGなど)を読み込み、縦横13cmの升目の中に配置する。無論イメージサイズは刻印する材料のサイズを考慮しそれより小さくなければならない。
それ以前に「ダヴィンチ Color mini」のプラットフォーム上に刻印する材料をテープなどで固定する必要がある。固定位置と「XYZengraver」内の配置が違うとそれこそレーザーでプリントベッドを痛めることになるので注意しなければならない。

ということで私はプラットフォーム大のダンボールをまず貼り、その上に木製とコルク製のコースターを置いて刻印をやってみた。
ちなみに刻印ができるのは木材・プラスチック(PP, ABS, PEなど)・紙・革などだが、専用機よりレーザー出力が弱いので(レーザー出力は350mW ± 10%)ガラスや金属には刻印できない。さらにプラスチックでも反射する材質や透明な材質は厳禁だし、真っ白い紙の場合もレーザー光が反射してしまうのか刻印できなかった。そして刻印する対象は平坦な物体でなければならない。
刻印がスタートするとプラットフォームとモジュールが動き、モジュールとの距離をキャリブレーションするわけだが、対象物が弯曲していたら頂点以外はレーザー光の焦点が合わないことになる。



※レーザーユニット稼働の様子


そういえばレーザー刻印を行う際に一番の注意事項は動作中に「ダヴィンチ Color mini」の庫内に手を入れたり、フロントのドアを開いてレーザー光を直視しないように心がけないと怪我や失明につながるので十分注意する必要がある。メーカーに確認したところではフロントのドアを閉じていれば動作中の内部を覗いても問題はないが、開けたままで直視しなければならないときには別途保護波長範囲に対応する保護メガネを入手し必ず装着しなければならない。
また刻印する材質、例えば革などでは焼け焦げる臭いが気になる場合がある。できるだけ換気のよい環境で使い、空気清浄機などを活用した方が良い。

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※別途購入しておいた保護メガネ


実際の刻印だが、専用機を使ったことがないので比較は出来ないが刻印のスピードは決して速くない。無論「XYZengraver」のラスターモードには刻印スピード調節機能があるが、スピードを上げればクオリティが落ちるのは目に見えている。
まずは初期値の 25.0 mm/s で刻印してみたが、"MacTechnology Lab." の例で約15分、人の顔の例では約45分かかった。
またラスターモードとベクターモードが指定可能だが、陰影表現ができるラスターモードの利用がメインになりそうだ。

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※取り急ぎテスト材としてコルクと木材のコースター、革の財布に刻印してみた


そのラスターモードだが、当然と言えば当然で刻印対象の材質により、同一の「色の濃淡測定の感度」パラメータでも結果は薄かったり濃く、あるいは潰れたりするので調整と試行錯誤が必要となる。
また極端に小さなフォントや細い線も材質によりはっきりと刻印されない場合もある。この辺は経験値の積み重ねが必要だ。

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※プリント範囲内のサイズならこうした箱のままでも刻印可能。そもそもダンボール材は相性がよさそうだ


ということで、レーザー刻印も日々使うことはないはずだが、本来のフルカラー3Dプリンター機能とは別にレーザー刻印機としても活用できる点は気に入っている。
使い込んでいくうちに気がついたことがあれば別途ご報告したい。




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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。
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