「大塚国際美術館」ひとり旅 (10) 〜現代作品群と対面
やっと最上階のF2にたどり着いた…。ここは先の1Fと同様に本館1と本館2に別れている。そして本館1は現代作品が目白押しだが本館2はテーマ展示のスペースで「レンブラントの自画像」をはじめ「食卓の情景」「家族」「運命の女」といったテーマ別に作品が展示されている。
F2の現代作品コーナーはこれまでのようなB3とかB2における展示スペースと比較すればかなり狭いものだが、それでもピカソやシャガールなどなど約100点もの名作が並んでいる。
まずは「レンブラントの自画像」のコーナーで一群の自画像を鑑賞する。画家にとって自画像を描くことはもっとも手軽でありかつ自然な行為だという気もするが、レンブラントの数ある自画像を眺めていると彼自身自分の顔が絵を描く対象として面白く興味のあったものなのだろうという気がしてきた。

※レンブラントの自画像コーナー
後ムリーリョの「カナの婚礼」という絵に描かれたイエスの表情が素晴らしいのでしばし見とれてしまう。「カナの婚礼」とはイエスが母マリアに促されて水を葡萄酒に変えたという奇跡の物語として知られている。

※ムリーリョ作「カナの婚礼」
古代やバロックといったあまり知識を持っていない時代の作品とは違い、手前味噌ながら現代作品には多少見知っている作品が多いので自然に肩の力が抜けているように思う。
ここのテーマ展示では他にクリムト、モロー、エル・グレコの名作も目白押しだが、そろそろ疲労も蓄積したので早く現代作品を見たいと系統展示のスペースへと急いだ。



※上からシャガール、クレー、モディリアニの各コーナー
モンドリアン、ピカソ、シャガール、ミロ、クレー、モディリアニ、ルオー、キリコ、リキテンスタイン、ブラック、ユトリロなど、皆お馴染みの作家だしここに展示されている作品のうち僅かだがオリジナルを鑑賞したこともあるはずだ。



※上からルオー、キリコ、リキテンスタインの各作品
今回大塚国際美術館へ来ることになったとき、もし時間的な制約で展示のいくつかを見ることができないとすれば環境展示を優先し、現代作品の鑑賞は諦めようと考えていた。しかしこうして馴染みの絵画、現代絵画を前にするとレンブラントとかゴヤ、あるいはベラスケスといった作品たちより気楽というのではないが、どこかうきうきと鑑賞できている自分を発見して面白い…。
確かにバロックやルネサンスあるいは古代期の芸術は素晴らしく何物にも代え難い人類の宝だが、そればかりでは気が重くなってくるのだから人間とは贅沢なものだ。そもそもキリスト教文化を底辺にした芸術開花は当然のこと生と死というものが一番のテーマだからして1枚1枚の絵のあり方は決して軽いものではないのだ。
今回時間的な制約から意識的に鑑賞スピードを早くした甲斐もあり、全館の全作品の前を通り過ぎることができた。確かにそれぞれ十分に鑑賞できたかと問われれば心許ないが、それでも約1000点もあるという作品群を駆け足ながら見ることができたのは嬉しかった。
出来ることならいつの日か再び訪れてみたいと思う…。それほど私にとって有意義な一時であった。
つづく
■大塚国際美術館
F2の現代作品コーナーはこれまでのようなB3とかB2における展示スペースと比較すればかなり狭いものだが、それでもピカソやシャガールなどなど約100点もの名作が並んでいる。
まずは「レンブラントの自画像」のコーナーで一群の自画像を鑑賞する。画家にとって自画像を描くことはもっとも手軽でありかつ自然な行為だという気もするが、レンブラントの数ある自画像を眺めていると彼自身自分の顔が絵を描く対象として面白く興味のあったものなのだろうという気がしてきた。

※レンブラントの自画像コーナー
後ムリーリョの「カナの婚礼」という絵に描かれたイエスの表情が素晴らしいのでしばし見とれてしまう。「カナの婚礼」とはイエスが母マリアに促されて水を葡萄酒に変えたという奇跡の物語として知られている。

※ムリーリョ作「カナの婚礼」
古代やバロックといったあまり知識を持っていない時代の作品とは違い、手前味噌ながら現代作品には多少見知っている作品が多いので自然に肩の力が抜けているように思う。
ここのテーマ展示では他にクリムト、モロー、エル・グレコの名作も目白押しだが、そろそろ疲労も蓄積したので早く現代作品を見たいと系統展示のスペースへと急いだ。



※上からシャガール、クレー、モディリアニの各コーナー
モンドリアン、ピカソ、シャガール、ミロ、クレー、モディリアニ、ルオー、キリコ、リキテンスタイン、ブラック、ユトリロなど、皆お馴染みの作家だしここに展示されている作品のうち僅かだがオリジナルを鑑賞したこともあるはずだ。



※上からルオー、キリコ、リキテンスタインの各作品
今回大塚国際美術館へ来ることになったとき、もし時間的な制約で展示のいくつかを見ることができないとすれば環境展示を優先し、現代作品の鑑賞は諦めようと考えていた。しかしこうして馴染みの絵画、現代絵画を前にするとレンブラントとかゴヤ、あるいはベラスケスといった作品たちより気楽というのではないが、どこかうきうきと鑑賞できている自分を発見して面白い…。
確かにバロックやルネサンスあるいは古代期の芸術は素晴らしく何物にも代え難い人類の宝だが、そればかりでは気が重くなってくるのだから人間とは贅沢なものだ。そもそもキリスト教文化を底辺にした芸術開花は当然のこと生と死というものが一番のテーマだからして1枚1枚の絵のあり方は決して軽いものではないのだ。
今回時間的な制約から意識的に鑑賞スピードを早くした甲斐もあり、全館の全作品の前を通り過ぎることができた。確かにそれぞれ十分に鑑賞できたかと問われれば心許ないが、それでも約1000点もあるという作品群を駆け足ながら見ることができたのは嬉しかった。
出来ることならいつの日か再び訪れてみたいと思う…。それほど私にとって有意義な一時であった。
つづく
■大塚国際美術館
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